異種用途区画とは?|緩和は?建築基準法を根拠にわかりやすく解説

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本記事は、2026年現在、施行中の最新の建築基準法・関係法令に基づいて解説しています。
※当該規定に関して2026年時点で改正がない場合も、現行法令を前提としています。

元・指定確認検査機関員(審査実績5,000件超)、著書2冊(累計2万部)、日経アーキテクチャー「著者に聞く」掲載
実務者目線で建築法規を解説しています
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結論(まずはここだけ)

異種用途区画とは、『法27条の適用を受ける特殊建築物』と『その他の用途』を防火区画する規制(令112条18項)。スパンドレルが不要な唯一の防火区画で、区画方法は1時間準耐火構造+遮煙性能付き特定防火設備。小規模な特殊建築物は対象外。

この記事でわかること

  • 異種用途区画が必要になる用途・規模の判断方法
  • 車庫の区画が必要になる面積(50㎡→150㎡への法改正)
  • 事務所に異種用途区画が不要な理由
  • 区画方法(壁・床・防火設備の種別)
  • スパンドレルが不要な理由
  • 2つの緩和(同一事業者・国交省告示第250号)の使い方
そぞろ

異種用途区画は、法文だけ見るとそこまで難しくない規定ですが…実は内容は結構てんこ盛りです!
今回の記事では、わかりやすく解説していきます。

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『異種用途区画』とは

異種用途区画とは、4つある防火区画の1つ

建築基準法施行令112条により、建築基準法には防火区画が定められています。防火区画には4種類存在していて、①面積区画②高層区画③竪穴区画、④異種用途区画です。

この中に、異種用途区画があります。

異種用途区画は、簡単に言うと、『特殊建築物』と『その他の用途』を防火区画する規制です。危険性の高い特殊建築物を区画し、安全性を高める規制です。

特殊建築物については、以下の記事で解説しています。

Q.異種用途区画の『対象となる用途』とは?

どんな条件の特殊建築物が異種用途区画の対象となるか?

特殊建築物の中でも、法27条の適用を受ける用途のみ、異種用途区画の対象となる

身近な特殊建築物と言えば、『車庫』や『倉庫』や『店舗』が挙げられます。これらに全て異種用途区画が必要となると、建築物が区画だらけになってしまいますよね。

安心してください。異種用途区画が必要になる特殊建築物は、『法27条』の対象となる建築物に限られています。法27条は、所定の規模の特殊建築物が規制を受けます。したがって、小規模な特殊建築物の場合は、異種用途区画の対象にはなりません。

法27条は、別表第1に掲げる建築物です。別表第1を確認して、異種用途区画が必要かどうかを確認してください。

Q.車庫で、異種用途区画が必要になるのは、50㎡超え?

50㎡以上の車庫は、異種用途区画が必要って言われたことあるけど、必要?

法改正により、50㎡以上の車庫は異種用途区画は不要です。必要になるのは、150㎡以上です。

昔は、50㎡以上の車庫は異種用途区画が必要でした。しかし、法改正により、現在は異種用途区画不要です。現行法では、150㎡以上の車庫で異種用途区画の対象となります。

ただし、現在の防火避難規定の解説のアフターフォローには、共同住宅に隣接する50㎡超えの車庫については、異種用途区画が必要という表記が残っています。

ただ、これって、強化しているように見えて、緩和規定なんです!
詳しくは、下記のnoteで解説しています!

Q.事務所には、異種用途区画は必要なの?

例えば、1000㎡を超える大規模な事務所は、異種用途区画必要になるの?

事務所は、そもそも特殊建築物ではないので、どんなに床面積が増えても、異種用途区画は不要です。

ただし、床面積が大きくなると、面積区画は必要になる可能性があります。以下の記事で確認してみてください。

異種用途区画の『区画方法』について

異種用途区画の区画方法について

区画方法
壁・床の構造防火設備の種別
1時間準耐火構造特定防火設備※2
※2…遮煙性能付きで以下のいずれかの構造
①常時閉鎖式
②随時閉鎖式で、煙感知器と連動して自動閉鎖するもの

区画についての注意したいのは、特定防火設備に加えて、閉鎖方式の指定があるということです。常時閉鎖又は随時閉鎖の性能が必要です。(令112条19項)具体的には、以下のいずれかに適合しているものにしなくてはなりません。

  • 告示仕様(告示2564号)に適用していること
  • 大臣認定(CAS-⚫︎⚫︎⚫︎)を取得しているものであること

単なる特定防火設備だと、火災が起こっても、開口部が開きっぱなしになる可能性があります。これだと、区画している意味がありませんよね。だから、閉鎖性能等についての指定があるのです。

配管の貫通について

防火区画に配管等を貫通する場合は、所定の措置をしなくてはならない

防火区画には、原則として、配管等を貫通させない方が良いです。しかし、やむを得ず貫通が必要な場合もあるかと思います。

その場合、所定の措置をしなくてはなりません。(建築基準法施行令112条20項、21項)

貫通する給水管・配電管等の措置

以下2つ全てに適合させること

①管と防火区画との隙間をモルタル等の不燃材料で埋めること

②以下3つのいずれか1つに適合させること

・貫通する部分からそれぞれ両端1m以内の距離にある管を不燃材料で造ること

・管の外径が、用途、材質その他の事項に応じて告示1422号が定める数値未満であること

・国土交通省の認定を受けたもの

貫通する換気、暖房、冷房の風道等の措置

特定防火設備であって、大臣が定めた構造又は大臣の認定したものであること

スパンドレルについて

異種用途区画を計画する場合、スパンドレルの計画は不要です

異種用途区画は、防火区画の中で唯一、スパンドレルが不要です。他の防火区画と兼ねる場合が必要になりますので、注意しましょう。

異種用途区画の『緩和』について

異種用途区画は、2つの緩和がある

  • 同一事業者が管理するなど、特定の条件を満たす場合
  • 国土交通省が定める基準を満たす場合

異種用途区画には、2つの緩和があります。それぞれの緩和について確認してみましょう。

同一事業者が管理するなど、特定の条件を満たす場合

異種用途であっても、物品販売業を営む店舗の一角にある喫茶店・食堂・ホテルのレストラン等で、下記の要件を満たす場合には、区画は不要とすることができる

  • 管理者が同一であること
  • 利用者が一体施設として利用するものであること
  • 利用時間がほぼ同一であること
  • 自動車車庫・倉庫等以外の用途であること

(建築物の防火避難規定の解説より)

こちらは、建築基準法で定められているものではなく、防火避難規定の解説により定められているものです。

管理者が同一である事や、利用時間など、設計図書では表記しきれない箇所もありますし、こちらの緩和を使う場合は事前に申請先と相談しておくことをオススメします!

国土交通省が定める基準を満たす場合

以下全ての基準を満たす場合

  • 異種用途区画が発生する原因が、特定の用途である事
  • 床部分は必ず区画する事(緩和できるのは同一階の部分のみ)
  • 隣接する部分には一部用途は設けない事
  • 警報設備(自動火災報知器)を両者の用途どちらにも設ける事

(国土交通省告示第250号より)

こちらの緩和は、比較的最近追加された緩和です。使える用途などに限りはありますが、数少ない異種用途区画の緩和になりますので、ぜひ検討してみてください。

詳しい内容や法文の読み方が、ブログ内で解説していますので、合わせて確認してみてください。

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まとめ

・異種用途区画は、『特殊建築物』と『その他の用途』を防火区画する規制

・区画する特殊建築物は、法27条に定める用途と規模に該当するもの

・異種用途区画の緩和は2つある

  • 同一事業者が管理するなど、特定の条件を満たす場合
  • 国土交通省が定める基準を満たす場合

根拠法文

記事内では正確な情報発信を心がけていますが、最終的な判断は必ず原文(法令)を確認してください。実務で役立つ主要な条文を抜粋して掲載します。

令112条18項

根拠法文を確認する(クリックで展開)

18 建築物の一部が法第二十七条第一項各号、第二項各号又は第三項各号のいずれかに該当する場合においては、その部分とその他の部分とを一時間準耐火基準に適合する準耐火構造とした床若しくは壁又は特定防火設備で区画しなければならない。ただし、国土交通大臣が定める基準に従い、警報設備を設けることその他これに準ずる措置が講じられている場合においては、この限りでない。

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この記事を書いた人

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