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高層区画とは?|緩和は?建築基準法を根拠にわかりやすく解説

本記事は、2026年現在、施行中の最新の建築基準法・関係法令に基づいて解説しています。
※当該規定に関して2026年時点で改正がない場合も、現行法令を前提としています。

元・指定確認検査機関員(審査実績5,000件超)、著書2冊(累計2万部)、日経アーキテクチャー「著者に聞く」掲載
実務者目線で建築法規を解説しています
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高層区画とは11階以上の部分に必要な防火区画(令112条7〜10項)。基本は100㎡以内ごとに耐火構造で区画するが、内装を準不燃材料にすれば200㎡、不燃材料にすれば500㎡まで緩和できる。 壁・床は耐火構造が必須で、面積区画(1時間準耐火)より要求性能が高い点に注意。
この記事でわかること
- 高層区画が必要になる建築物と4つの区画面積の違い
- 壁・床・防火設備それぞれの要求仕様
- 内装仕上げによる緩和(100→200→500㎡)の使い方
- 共同住宅の住戸の特例
- 階段室・廊下など避難部分の適用除外
そぞろ高層区画は、内装の制限によって区画面積が変わる規定です!
今回は、基本的な内容から緩和の内容まで、わかりやすく解説していきます!
『高層区画』とは?
高層区画とは、4つある防火区画の1つ
建築基準法施行令112条により、建築基準法には防火区画が定められています。防火区画には4種類存在していて、①面積区画、②高層区画、③竪穴区画、④異種用途区画です。

この中に、高層区画があります。
高層区画は、簡単に言うと、高層階(11階以上)の安全性を高める為に、区画をすることです。11階以上の階で火災が発生すると、はしご車による消防隊の救助が出来ません。はしご車が届かないからですね。したがって、高層階は低層階よりもリスクが高いです。
そこで、高層部分を防火区画することにより、安全性を高めているのです。

高層区画は、基本は100㎡以内なのですが…内装制限等をすることで、最大500㎡までにすることが可能です!
| 区画が必要になる建築物 | 建築物の内装・用途 | 区画面積 | 区画方法 | |
| 壁・床の構造 | 防火設備の種別 | |||
| 建築物の11階以上の部分 | 一般の建築物 | 床面積≦100㎡ | 耐火構造 | 防火設備※1 |
| 内装仕上げ・下地: 準不燃材料 (床面から1.2m以上の範囲) | 床面積≦200㎡ | 特定防火設備※1 | ||
| 内装仕上げ・下地: 不燃材料 (床面から1.2m以上の範囲) | 床面積≦500㎡ | 特定防火設備※1 | ||
| 共同住宅の住戸部分 | 床面積≦200㎡ | 特定防火設備※1 | ||
| ※1…以下のいずれかの構造 ①常時閉鎖式 ②随時閉鎖式で、以下2つのいずれかと連動して自動閉鎖するもの ・煙感知器 ・熱煙複合式感知器 | ||||

(↑わかりやすくするために、床の防火区画は省略しています)

上記の図のように、10階までは面積区画なので、そこまで区画は必要ありませんが…11階以上から一気に区画が増えるイメージです!
さらに、区画についての注意したいのは、防火設備に加えて、閉鎖方式の指定があるということです。常時閉鎖又は随時閉鎖の性能が必要です。(令112条19項)具体的には、以下のいずれかに適合しているものにしなくてはなりません。
- 告示仕様(告示2564号)に適用していること
- 大臣認定(CAS-⚫︎⚫︎⚫︎)を取得しているものであること
単なる特定防火設備だと、火災が起こっても、開口部が開きっぱなしになる可能性があります。これだと、区画している意味がありませんよね。だから、閉鎖性能等についての指定があるのです。
配管の貫通について
防火区画に配管等を貫通する場合は、所定の措置が必要
防火区画には、原則として、配管等は貫通させない方が良いです。しかし、やむを得ず貫通が必要な場合もあるかと思います。
その場合、所定の措置をしなくてはなりません。(建築基準法施行令112条20項、21項)
- 貫通する給水管・配電管等の措置
-
以下2つ全てに適合させること
①管と防火区画との隙間をモルタル等の不燃材料で埋めること
②以下3つのいずれか1つに適合させること
・貫通する部分からそれぞれ両端1m以内の距離にある管を不燃材料で造ること
・管の外径が、用途、材質その他の事項に応じて告示1422号が定める数値未満であること
・国土交通省の認定を受けたもの
- 貫通する換気、暖房、冷房の風道等の措置
-
特定防火設備であって、大臣が定めた構造又は大臣の認定したものであること
スパンドレルについて
高層区画を計画する場合、スパンドレルの計画が必要です
スパンドレルとは、建築物の内部からではなく、外部からの回り込みによる延焼を防止するための規定です。
高層区画とぶつかる外壁は、そこを含む90㎝以上の外壁を準耐火構造とするか、50㎝以上突出した庇を準耐火構造とし、開口部があった場合は防火設備としなくてはなりません。
図

高層区画の『緩和』とは?
高層区画で使える緩和
- 『階段室の部分若しくは昇降機の昇降路の部分』で耐火構造の床・壁又は特定防火設備で区画した場合、高層区画不要(令112条10項)
- 『廊下その他避難の用に供する部分』で耐火構造の床・壁又は特定防火設備で区画した場合、高層区画不要(令112条10項)
- スプリンクラー設備、水噴霧消火設備、泡消火設備その他これらに類するもの(自動式)を設けた部分は、その部分の床面積の1/2を区画面積から除くことが出来る(令112条1項)
高層区画については3つの緩和があります。それぞれの特徴について確認していきましょう。
階段室の部分・昇降機の昇降路の部分・廊下の部分
これらはいわゆる避難で使われる部分です。
避難経路を区画してしまうと、逆に避難に支障が出てくることがありますので、これらの部分は高層区画をしなくても良いこととされています。
ただし、耐火構造の床・壁又は特定防火設備で区画で区画する必要がありますので、注意しましょう。
スプリンクラー等の設置部分
スプリンクラー等(自動式)を設けることで、その設置部分の1/2を区画面積から除くことが出来ます。しかし、あくまで設置部分に限るので、注意が必要です。

1/2に出来るのはあくまでスプリンクラー等の設置部分に限ります。
スプリンクラーを設置すれば、単純に倍読みの100→200㎡となるわけでは無いので、そこは注意してください!
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まとめ
- 高層区画は11階以上の全フロアが対象(各階床面積100㎡超の場合)
- 壁・床は耐火構造が必要(面積区画の1時間準耐火より厳しい)
- 内装を準不燃材料(仕上げ・下地)にすれば200㎡、不燃材料にすれば500㎡まで緩和
- 共同住宅の住戸は200㎡まで緩和可能
- 階段室・昇降路・廊下(耐火構造で区画済み)は適用除外
- スプリンクラー設置部分は床面積の1/2を区画面積から除ける
- スパンドレルが必要
根拠法文
記事内では正確な情報発信を心がけていますが、最終的な判断は必ず原文(法令)を確認してください。実務で役立つ主要な条文を抜粋して掲載します。
令112条7項から10項
根拠法文を確認する(クリックで展開)
7 建築物の十一階以上の部分で、各階の床面積の合計が百平方メートルを超えるものは、第一項の規定にかかわらず、床面積の合計百平方メートル以内ごとに耐火構造の床若しくは壁又は法第二条第九号の二ロに規定する防火設備で区画しなければならない。
8 前項の建築物の部分で、当該部分の壁(床面からの高さが一・二メートル以下の部分を除く。次項及び第十四項第一号において同じ。)及び天井の室内に面する部分(回り縁、窓台その他これらに類する部分を除く。以下この条において同じ。)の仕上げを準不燃材料でし、かつ、その下地を準不燃材料で造つたものは、特定防火設備以外の法第二条第九号の二ロに規定する防火設備で区画する場合を除き、前項の規定にかかわらず、床面積の合計二百平方メートル以内ごとに区画すれば足りる。
9 第七項の建築物の部分で、当該部分の壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを不燃材料でし、かつ、その下地を不燃材料で造つたものは、特定防火設備以外の法第二条第九号の二ロに規定する防火設備で区画する場合を除き、同項の規定にかかわらず、床面積の合計五百平方メートル以内ごとに区画すれば足りる。
10 前三項の規定は、階段室の部分若しくは昇降機の昇降路の部分(当該昇降機の乗降のための乗降ロビーの部分を含む。)、廊下その他避難の用に供する部分又は床面積の合計が二百平方メートル以内の共同住宅の住戸で、耐火構造の床若しくは壁又は特定防火設備(第七項の規定により区画すべき建築物にあつては、法第二条第九号の二ロに規定する防火設備)で区画されたものについては、適用しない。





