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面積区画とは?|種類や緩和、注意点を解説

本記事は、2026年現在、施行中の最新の建築基準法・関係法令に基づいて解説しています。
※当該規定に関して2026年時点で改正がない場合も、現行法令を前提としています。

元・指定確認検査機関員(審査実績5,000件超)、著書2冊(累計2万部)、日経アーキテクチャー「著者に聞く」掲載
実務者目線で建築法規を解説しています
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面積区画とは4つある防火区画の1つで、一定規模以上の建築物に必要な区画のこと。区画面積は1500㎡・1000㎡・500㎡の3種類で、何の規制によって準耐火構造にしたかによって区分が変わる。スプリンクラー設置による緩和あり。
この記事でわかること
- 面積区画が必要な建築物と3つの区画面積の違い
- 区画方法(壁・床の構造・防火設備の種別)
- 任意で耐火・準耐火にした場合の扱い
- 配管貫通・スパンドレルの対応
- 共通緩和(スプリンクラー)と種類別緩和の使い方
そぞろ面積区画は、法文が難しいので、苦手としている方が多いです。
しかし、内容を整理してしまうとそこまで難しく感じないと思います。
今回の記事では、わかりやすく面積区画について解説していきます!
『面積区画』とは?
面積区画とは、4つある防火区画の1つ
建築基準法施行令112条により、建築基準法には防火区画が定められています。防火区画には4種類存在していて、①面積区画、②高層区画、③竪穴区画、④異種用途区画です。

この中に、面積区画があります。面積区画は、簡単に言うと床面積が大きい建築物に必要になる区画です。所定の床面積ごとに区画が必要になります。

面積区画は、所定の床面積ごとに区画が必要になります。
その所定の床面積は、『1500㎡以内』『1000㎡以内』『500㎡以内』の3つに区分されています。

どうやって3つに区分されるの?

これがややこしくて…!
簡単に言うと、面積区画は『主要構造部を耐火構造』又は『準耐火構造』にした建築物が区画の対象になるのですが…
その区分は『①何の規制によって』『②主要構造部を耐火構造or準耐火建築物にしたか』の2つが絡んでいるのです。
面積区画は、『①何の規制によって』の部分も関係があるので、他の防火区画よりややこしいです。面積区画の3つの区分についてまとめましたので、ご確認ください。
| 区画が必要になる建築物 | 区画面積 | 区画方法 | |
| 壁・床の構造 | 防火設備の種別 | ||
| 主要構造部を耐火構造とした建築物 主要構造部を準耐火構造とした建築物(任意準耐火) | 床面積≦1500㎡ | 1時間準耐火構造 | 特定防火設備※1 |
| 法21条・法27条・法61条・法67条により、準耐火構造を義務付けられた以下の建築物 準耐火構造(1時間以上を除く) 準耐火構造(ロ-1) | 床面積≦500㎡(防火上主要な間仕切壁も必要) | ||
| 法21条・法27条・法61条・法67条により、準耐火構造を義務付けられた以下の建築物 準耐火構造(1時間以上) 準耐火構造(ロ-2) | 床面積≦1000㎡ | ||
| ※1…以下のいずれかの構造 ①常時閉鎖式 ②随時閉鎖式で、以下2つのいずれかと連動して自動閉鎖するもの ・煙感知器 ・熱煙複合式感知器 | |||

簡単に言うと…主要構造部を耐火構造にした場合は1番単純で、1500㎡になります!主要構造部を準耐火構造の場合は、場合によっては1000㎡または500㎡になることもあります!
面積区画は、基本的には『水平区画』又は『鉛直区画』をします。ただ、基本的に『水平区画』で計画されることが多いです。なぜなら、水平区画にした場合、竪穴区画と兼用できるからです。

Q.『任意』で主要構造部を耐火構造又は準耐火構造にした場合は?
- 設計者が安全側として『任意で』主要構造部を耐火構造又は準耐火建築物にした場合はどうなるか?
-
任意で主要構造部を耐火構造又は準耐火建築物とした場合は、1500㎡以内の区画が必要
1000㎡や500㎡の区画は不要ですが、最低限の1500㎡以内の区画は必要になります。任意だからと言って、面積区画を無くすことが出来ません。
Q.『主要構造部をその他』にすれば、面積区画は不要?
- 主要構造部が『その他』だったら、面積区画無しで計画ができるか?
-
主要構造部を『その他』にした場合、面積区画(令112条)は不要です。その代わり、防火壁(法26条)の設置が必要になります
主要構造部をその他にすれば、面積区画は不要です。しかし、防火壁(法26条)は必要になります。防火壁(法26条)は延べ面積が1000㎡を超え、耐火建築物・準耐火建築物以外の建築物に必要になります。
だから、主要構造部をその他にしたからと言って、区画の話が全くないということではありません。注意したいですね。
面積区画の『区画方法』について
面積区画の区画方法について
| 区画面積 | 区画方法 | |
| 壁・床の構造 | 防火設備の種別 | |
| 床面積≦1500㎡ | 1時間準耐火構造 | 特定防火設備※1 |
| 床面積≦500㎡(防火上主要な間仕切壁も必要) | ||
| 床面積≦1000㎡ | ||
| ※1…以下のいずれかの構造 ①常時閉鎖式 ②随時閉鎖式で、以下2つのいずれかと連動して自動閉鎖するもの ・煙感知器 ・熱煙複合式感知器 | ||
区画について注意すべきは2点です。
1点目は、500㎡区画のついては、『防火上主要な間仕切壁』も必要になります。単純に500㎡以内に区画だけではないので、注意が必要です。
2点目は、区画の開口部は、特定防火設備に加えて、閉鎖方式の指定があるということです。常時閉鎖又は随時閉鎖の性能が必要です。(令112条19項)具体的には、以下のいずれかに適合しているものにしなくてはなりません。
- 告示仕様(告示2563号)に適用していること
- 大臣認定(CAT-⚫︎⚫︎⚫︎)を取得しているものであること
単なる特定防火設備だと、火災が起こっても、開口部が開きっぱなしになる可能性があります。これだと、区画している意味がありませんよね。だから、閉鎖性能等についての指定があるのです。

上記以外では…上位互換の性能である、告示仕様(告示2564号)に適用しているものか、大臣認定(CAS⚫︎⚫︎⚫︎-)を取得しているものでもOKです!実際、こっちを使う方が多いと思います!
配管の貫通について
防火区画に配管等を貫通する場合は、所定の措置をしなくてはならない
防火区画には、原則として、配管等は貫通させない方が良いです。しかし、やむを得ず貫通が必要な場合もあるかと思います。
その場合、所定の措置をしなくてはなりません。(建築基準法施行令112条20項、21項)
- 貫通する給水管・配電管等の措置
-
以下2つ全てに適合させること
①管と防火区画との隙間をモルタル等の不燃材料で埋めること
②以下3つのいずれか1つに適合させること
・貫通する部分からそれぞれ両端1m以内の距離にある管を不燃材料で造ること
・管の外径が、用途、材質その他の事項に応じて告示1422号が定める数値未満であること
・国土交通省の認定を受けたもの
- 貫通する換気、暖房、冷房の風道等の措置
-
特定防火設備であって、大臣が定めた構造又は大臣の認定したものであること
スパンドレルについて
面積区画を計画する場合、スパンドレルの計画が必要です
スパンドレルとは、建築物の内部からではなく、外部からの回り込みによる延焼を防止するための規定です。
面積区画とぶつかる外壁は、そこを含む90㎝以上の外壁を準耐火構造とするか、50㎝以上突出した庇を準耐火構造とし、開口部があった場合は防火設備としなくてはなりません。スパンドレルは忘れがちなので、注意しましょう。
図

面積区画の『緩和』について
面積区画の緩和は、
- 共通で使える緩和
- 『1500㎡以内』『1000㎡以内』『500㎡以内』の3つで異なる緩和
の2つがある
面積区画には、大きく分けて2つ緩和があります。共通で使える緩和と区画によって異なる緩和です。それぞれの緩和を確認してみましょう。
共通で使える緩和
面積区画に対して共通で使える緩和
スプリンクラー設備、水噴霧消火設備、泡消火設備その他これらに類するもの(自動式)を設けた部分は、その部分の床面積の1/2を区画面積から除くことが出来る
スプリンクラー等(自動式)を設けることで、その設置部分の1/2を区画面積から除くことが出来ます。しかし、あくまで設置部分に限るので、注意が必要です。

1/2に出来るのはあくまでスプリンクラー等の設置部分に限ります。
スプリンクラーを設置すれば、単純に倍読みの1500→3000㎡となるわけでは無いので、そこは注意してください!
種類に応じて使える緩和
面積区画の種類に応じて使える緩和
| 面積区画の種類 | 緩和 |
| 1500㎡区画 | 劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂又は集会場の客席、体育館、工場その他これらに類する用途に供する建築物の部分は面積区画不要(令112条1項一号) 階段室の部分等で準耐火構造(1時間)の床・壁又は特定防火設備で区画されたものは面積区画不要(令112条1項二号) 主要構造部を耐火構造とした建築物の二以上の部分が空間部分に接する場合において、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの・国土交通大臣の認定を受けたものである場合においては、空間部分が区画されているものとみなされる(令112条3項) |
| 1000㎡区画 | 以下に該当する建築物の部分で、天井・壁の室内に面する部分の仕上げを準不燃材料でしたものは区画不要 体育館、工場その他これらに類する用途に供する建築物の部分(令112条6項一号) 階段室の部分等で準耐火構造(1時間)の床・壁又は特定防火設備で区画(令112条6項二号) |
| 500㎡区画 |
所定の用途や条件を満たした建築物の部分は、面積区画が不要になったり、区画されているとみなされます。詳しい内容を、根拠とともに解説します。
これらに類する用途に供する建築物の部分とは?
- 劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂又は集会場の客席、体育館、工場その他これらに類する用途に供する建築物の部分とは?
-
大空間での利用や連続した機械設備等のために区画が行えない構造に該当する以下の用途がこれらに類する用途に供する部分に該当する
・ボーリング場
・屋内プール、屋内スポーツ運動場
・不燃性の物品を保管する立体的な倉庫
・卸売場、仲買売場等の売場、買い荷の保管または積み込み等の荷捌き場
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まとめ
- 面積区画の区分は1500㎡・1000㎡・500㎡の3種類
- 500㎡区画は防火上主要な間仕切壁も必要
- 開口部は特定防火設備+閉鎖性能(常時閉鎖or随時閉鎖)が必要
- スプリンクラー等(自動式)設置部分は床面積の1/2を区画面積から除ける
- 劇場・体育館・工場等は1500㎡区画が免除される場合あり
- 面積区画にはスパンドレルが必要
根拠法文
記事内では正確な情報発信を心がけていますが、最終的な判断は必ず原文(法令)を確認してください。実務で役立つ主要な条文を抜粋して掲載します。
令112条1項から6項
根拠法文を確認する(クリックで展開)
主要構造部を耐火構造とした建築物、法第二条第九号の三イ若しくはロのいずれかに該当する建築物又は第百三十六条の二第一号ロ若しくは第二号ロに掲げる基準に適合する建築物で、延べ面積(スプリンクラー設備、水噴霧消火設備、泡消火設備その他これらに類するもので自動式のものを設けた部分の床面積の二分の一に相当する床面積を除く。以下この条において同じ。)が千五百平方メートルを超えるものは、床面積の合計(スプリンクラー設備、水噴霧消火設備、泡消火設備その他これらに類するもので自動式のものを設けた部分の床面積の二分の一に相当する床面積を除く。以下この条において同じ。)千五百平方メートル以内ごとに一時間準耐火基準に適合する準耐火構造の床若しくは壁又は特定防火設備(第百九条に規定する防火設備であつて、これに通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後一時間当該加熱面以外の面に火炎を出さないものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものをいう。以下同じ。)で区画しなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する建築物の部分でその用途上やむを得ない場合においては、この限りでない。
一 劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂又は集会場の客席、体育館、工場その他これらに類する用途に供する建築物の部分
二 階段室の部分等(階段室の部分又は昇降機の昇降路の部分(当該昇降機の乗降のための乗降ロビーの部分を含む。)をいう。第十四項において同じ。)で一時間準耐火基準に適合する準耐火構造の床若しくは壁又は特定防火設備で区画されたもの
2 前項の「一時間準耐火基準」とは、主要構造部である壁、柱、床、はり及び屋根の軒裏の構造が、次に掲げる基準に適合するものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものであることとする。
一 次の表に掲げる建築物の部分にあつては、当該部分に通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後それぞれ同表に定める時間構造耐力上支障のある変形、溶融、破壊その他の損傷を生じないものであること。
| 壁 | 間仕切壁(耐力壁に限る。) | 一時間 |
| 外壁(耐力壁に限る。) | 一時間 | |
| 柱 | 一時間 | |
| 床 | 一時間 | |
| はり | 一時間 | |
二 壁(非耐力壁である外壁の延焼のおそれのある部分以外の部分を除く。)、床及び屋根の軒裏(外壁によつて小屋裏又は天井裏と防火上有効に遮られているものを除き、延焼のおそれのある部分に限る。)にあつては、これらに通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後一時間当該加熱面以外の面(屋内に面するものに限る。)の温度が可燃物燃焼温度以上に上昇しないものであること。
三 外壁(非耐力壁である外壁の延焼のおそれのある部分以外の部分を除く。)にあつては、これに屋内において発生する通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後一時間屋外に火炎を出す原因となる亀裂その他の損傷を生じないものであること。
3 主要構造部を耐火構造とした建築物の二以上の部分が当該建築物の吹抜きとなつている部分その他の一定の規模以上の空間が確保されている部分(以下この項において「空間部分」という。)に接する場合において、当該二以上の部分の構造が通常の火災時において相互に火熱による防火上有害な影響を及ぼさないものとして国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものである場合においては、当該二以上の部分と当該空間部分とが特定防火設備で区画されているものとみなして、第一項の規定を適用する。
4 法第二十一条第一項の規定により第百九条の五第一号に掲げる基準に適合する建築物(通常火災終了時間が一時間以上であるものを除く。)とした建築物、法第二十七条第一項の規定により第百十条第一号に掲げる基準に適合する特殊建築物(特定避難時間が一時間以上であるものを除く。)とした建築物、法第二十七条第三項の規定により準耐火建築物(第百九条の三第二号に掲げる基準又は一時間準耐火基準(第二項に規定する一時間準耐火基準をいう。以下同じ。)に適合するものを除く。)とした建築物、法第六十一条の規定により第百三十六条の二第二号に定める基準に適合する建築物(準防火地域内にあるものに限り、第百九条の三第二号に掲げる基準又は一時間準耐火基準に適合するものを除く。)とした建築物又は法第六十七条第一項の規定により準耐火建築物等(第百九条の三第二号に掲げる基準又は一時間準耐火基準に適合するものを除く。)とした建築物で、延べ面積が五百平方メートルを超えるものについては、第一項の規定にかかわらず、床面積の合計五百平方メートル以内ごとに一時間準耐火基準に適合する準耐火構造の床若しくは壁又は特定防火設備で区画し、かつ、防火上主要な間仕切壁(自動スプリンクラー設備等設置部分(床面積が二百平方メートル以下の階又は床面積二百平方メートル以内ごとに準耐火構造の壁若しくは法第二条第九号の二ロに規定する防火設備で区画されている部分で、スプリンクラー設備、水噴霧消火設備、泡消火設備その他これらに類するもので自動式のものを設けたものをいう。第百十四条第一項及び第二項において同じ。)その他防火上支障がないものとして国土交通大臣が定める部分の間仕切壁を除く。)を準耐火構造とし、次の各号のいずれかに該当する部分を除き、小屋裏又は天井裏に達せしめなければならない。
一 天井の全部が強化天井(天井のうち、その下方からの通常の火災時の加熱に対してその上方への延焼を有効に防止することができるものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものをいう。次号及び第百十四条第三項において同じ。)である階
二 準耐火構造の壁又は法第二条第九号の二ロに規定する防火設備で区画されている部分で、当該部分の天井が強化天井であるもの
5 法第二十一条第一項の規定により第百九条の五第一号に掲げる基準に適合する建築物(通常火災終了時間が一時間以上であるものに限る。)とした建築物、法第二十七条第一項の規定により第百十条第一号に掲げる基準に適合する特殊建築物(特定避難時間が一時間以上であるものに限る。)とした建築物、法第二十七条第三項の規定により準耐火建築物(第百九条の三第二号に掲げる基準又は一時間準耐火基準に適合するものに限る。)とした建築物、法第六十一条の規定により第百三十六条の二第二号に定める基準に適合する建築物(準防火地域内にあり、かつ、第百九条の三第二号に掲げる基準又は一時間準耐火基準に適合するものに限る。)とした建築物又は法第六十七条第一項の規定により準耐火建築物等(第百九条の三第二号に掲げる基準又は一時間準耐火基準に適合するものに限る。)とした建築物で、延べ面積が千平方メートルを超えるものについては、第一項の規定にかかわらず、床面積の合計千平方メートル以内ごとに一時間準耐火基準に適合する準耐火構造の床若しくは壁又は特定防火設備で区画しなければならない。
6 前二項の規定は、次の各号のいずれかに該当する建築物の部分で、天井(天井のない場合においては、屋根。以下この条において同じ。)及び壁の室内に面する部分の仕上げを準不燃材料でしたものについては、適用しない。
一 体育館、工場その他これらに類する用途に供する建築物の部分
二 第一項第二号に掲げる建築物の部分





