予約受付中!(発売は8/2予定)
『用途と規模で逆引き!住宅設計のための建築法規』に続き、新しい書籍を出すことになりました。(発売は8/2予定)
ザックリ内容としては、『実在する建築物』や『実際に起こった事件・事故・裁判』を題材にして、建築法規の解説をしています。
どんな本?
法的な知識を得て、建築物の見方を変える本
先日ディズニーシーに行ってきたんですが…
浦安市は『22条区域』指定されてるはずなのに
茅葺き屋根の建築物が…!
(22条では無理なはず…)どうやって適合させてるのか?調べたら、
なんと法22条の指定解除をやってました!流石ディズニーだな!と思ってしまう適合のさせ方👏 pic.twitter.com/ToaviJH2hD
— そぞろ|著書『面白すぎる建築法規』予約受付中! (@sozooro) August 22, 2022
この投稿、私のXで最もバズった投稿です。(今回の書籍内でも、あらためて詳細に解説しています…!)とある有名でテーマパークの建築法規を解説しましたが、これが非常に話題になったんです。
テーマパーク内にある、ごく普通に見える建築物。でも、茅葺き屋根にするために、わざわざ規制を解除して、計画している…そんな投稿です。
このツイートに関して、こんな意見が寄せられました。
物の見方に多様性があるのって、面白い
『知識』ってやつなんだな
こういう楽しみ方を可能にするのがこういう視点でも楽しめるんだ
面白い!建築知ってると確かに、知識があるのと、無いのとでは、建築物の見方は全く異なります。その建築物が、どうしてその形になっているのか?何の意味があるのか?
みなさんが当たり前だと思っている建築物は、設計者の相違工夫によってできているかもしれません…そんな事例を紹介しているのが、この書籍です。
建築基準法の『どうしてだろう?』という疑問点は、過去の事件や事故を知ることで理解できたりします。
実際の建築物』と『実際の事例・事故・裁判』を具体例に出して 書籍内では、『
どんな規制がかかるのか、そしてどんな工夫で適合をさせているのか建築基準法を解説
続けて、どんな建築物を扱っているのか解説していきたいと思います。
扱っている『実際の建築物』について
約35の事例を掲載(コラムなどの紹介含め)
実際の建築物として、京都駅

京都駅が建築法規に適合させるため、意外な苦労があったことを…
知っていますか…?▼掲載ページ
第1章 防火:適用除外、性能規定・・・自由な計画実現の秘策
3.「京都駅」のコンコース大空間と空中歩廊の大規模空間、面積区画はしなくていいのか
京都駅の建築物をご存知ない方はいないのではないでしょうか?それくらい有名な京都駅、どうやって建築法規に適合させているのか、解説します。
実は、普通の方はまずご縁がないだろう、なんでも有りの適用除外を使っています…
TOYAMAキラリ

『斜めの吹抜け』って、法的に、普通は作れないはずなのに…
TOYAMAキラリが、当たり前のように計画している▼掲載ページ
第1章 防火:適用除外、性能規定・・・自由な計画実現の秘策
2.隈研吾が手がけた「TOYAMAキラリ」──斜めの吹抜けをつくる上での意外な問題とその対策
TOYAMAキラリは、富山県富山市西町にある複合施設で、建築物的な価値も非常に高く、人気なスポットです。中に入ってみると、2階から6階までは斜めの吹き抜け空間が連なっており、6階の天窓から光が斜めに差し込んでいる空間が広がっています。
この斜めの吹抜けって、建築基準法の規制により、かなり難易度が高いんですよね…正攻法だったら、作れないと言ってもいいです。
そこで、書籍内では、どうして斜めの吹抜けが難しいのか、そして、TOYAMAキラリがどうやって斜めの吹抜けを建築基準法に適合させているのか…このような内容を紹介しています!
荒川ビル

ただの階段ではない…?
この階段、▼掲載ページ
第2章 避難:非常時には安全に。平常時には溶け込むように
1.階段をあえて表につくった日建設計「荒川ビル」。実は、ただの階段ではない
荒川ビルは、ご覧の通り、階段が前面に出ている建築物です。この階段の存在により、凸凹した外観がとても特徴的です。(現地を通りかかりましたが、とてもかっこよく、存在感がすごい建築物でした…)
ただかっこいいだけではなく、この階段、法的に重要な役割を担っているのです。
どんな規制のために設けられる階段なのか、詳しく解説しています。
扱っている『実際の事例・事故・裁判』について
実際の事例・事故・裁判として、多くの事例を掲載
確認済証交付後の違反発覚
指定確認検査機関はどれくらい費用を負担してくれるの?
確認済証の発行後に違反が発覚したら…▼掲載ページ
第5章 手続き:建築基準法の手続きはブラックボックス?
5.確認済証の交付後に違反部分を発見!どうなるのか?
確認申請では、建築法規のプロである指定確認検査機関から法チェックを得て、工事に着工することとなります。でも、指定確認検査機関も人間ですから、違反部分を見過ごしてしまうこともあるでしょう…
そのとき、工事を是正するための費用はどれくらい必要なのでしょうか?
火災の事故から考える建築基準法の話
建築基準法に適合しているのに、あんなに建築物が燃えてしまったの?
どうして、▼掲載ページ
第1章 防火:適用除外、性能規定・・・自由な計画実現の秘策
5.「笠間保育園」全焼は建築基準法の想定範囲内?建材や内装に木を使用する燃えしろ設計
第2章 避難:非常時には安全に。平常時には溶け込むように
6.「北新地ビル放火殺人事件」──建築基準法は犯罪行為に対しても有効なのか
書籍では、過去に起こった火災についても取り上げています。
建築基準法に適合しているはずなのに、どうして火災が大きくなるのか。どうして被害があるのか。そこを読むとくと、建築基準法の規制がより理解できるようになるはずです。
グレーゾーンってどんなもの?
グレーゾーンってどんなものなの?
実務者が悩んでいる、▼掲載ページ
第4章 一般構造:よく考えると不思議?身近な建築物の疑問
4.申請先によって、判断が異なる?法に明文化されていない内容の扱い
実務だと、建築基準法のグレーゾーンというものに悩まされます。グレーゾーンとは、一体どんなものでしょうか?書籍では、わかりやすいグレーゾーンの内容をご紹介しています。
どんな人が読むべき本?
建築業界の方向け』です!(一般の方も読めますが、難しいと思います!)
基本的には、『この書籍は、位置付け的には、娯楽本という形になるでしょう。ただ、建築法規の実務者の方のお役に立てるように、ガッツリ建築基準法の解説を入れています。
ちゃんと解説があるので、一般の方も読めるとは思いますが、基本的には『建築業界の方へ向けて』の本として私は書いています。
正直、建築法規に詳しい方に楽しんでもらえるかは不安でしたが…心配はいらなかったそうです。今回の書籍は、建築法規に少しでも関わったことがある方だったら、誰でも楽しめる本になっていると思います。
さいごに
『建築法規ってやっぱ面白い!』と私自身が噛み締めてました。
そんな思いが伝わればいいなぁと思っています!
実は、発信を始めた当初、ブログに寄せられた感想で多かったのは、『建築法規を楽しんでいる気持ちが伝わってくる』というものでした。確かに、昔はブログを書くのが楽しくて仕方がなかったです。建築法規を楽しむこと、このブログの原点だと思います。
そこで、読者に建築法規を楽しんでもらうために、ブログを始めた当初のように『まずは自分が楽しもう、楽しく書いてみよう』と思い執筆に取り組んでいきました。
自分の入れたいと思った内容をとにかく詰め込みました。
タイトルに『面白すぎる建築法規』と掲げてしまうのはハードルが高すぎる気がしたのですが…きっと、その名に恥じない内容になっているはずです。