【非常用照明の緩和】わかりやすくまとめた【免除】

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本記事は、2026年現在、施行中の最新の建築基準法・関係法令に基づいて解説しています。
※当該規定に関して2026年時点で改正がない場合も、現行法令を前提としています。

元・指定確認検査機関員(審査実績5,000件超)、著書2冊(累計2万部)、日経アーキテクチャー「著者に聞く」掲載
実務者目線で建築法規を解説しています
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結論(まずはここだけ)

非常用照明の緩和は6種類あり、いずれも実務で使いやすい。居室への緩和が中心で、避難経路への緩和は少ない点だけ押さえておけば、設計でうまく使い回せる。

この記事でわかること

  • 非常用照明の緩和・免除の種類(6つ)と根拠条文
  • 採光上外気に開放された廊下・階段の緩和条件(採光補正係数が0未満にならないこと)
  • 住宅・住戸への緩和(共同住宅の廊下・階段は対象外)
  • 病室・宿泊室・寝室への緩和(廊下は対象外)
  • 学校等への緩和と幼稚園・保育園の違い
  • 告示1411号の2つの緩和(無窓居室・30㎡以下居室の条件)
  • 緩和は「居室」に多く、「避難経路」には使えないケースが多い点
そぞろ

非常用照明の緩和は、数も多くかなり使いやすいです。
今回は一つ一つ丁寧に解説していきたいと思います。

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非常用照明の『緩和』や『免除』について

非常用照明の緩和は下記の6つ

①令126条の4本文但し書き採光上外気に開放された廊下、階段その他の通路
②令126条の4第一号一戸建の住宅又は長屋若しくは共同住宅の住戸
病院の病室、下宿の宿泊室又は寄宿舎の寝室その他これらに類する居室
④令126条の4三号学校等
⑤告示1411号第一号
無窓居室で、歩行距離などの所定の条件を満たした居室
⑥告示1411号第二号床面積が30m2以下の居室で、避難経路等には非常用照明が設置されている場合

非常用照明の緩和は数多くあります。

一つだけ特徴を伝えておくと、使える緩和は『居室』部分がたくさん
それに比べて、『避難経路』については使える緩和が少ないです

非常用照明は、『居室』と『その避難経路』に設置が必要になりますが、使える緩和も少し異なるのが特徴です。

非常用照明の設置基準と検討方法【建築基準法の基準を解説】

さて、ではそれぞれ詳細に内容を確認してみましょう。

採光上外気に開放された廊下、階段その他の通路

採光上外気に開放された廊下、階段その他の通路、非常用照明が不要

非常用照明は、非常時に停電などになったときに、円滑に避難するための設備です。だからこそ、十分に明るい廊下・階段については、設置しなくてもいいということです。

で、『採光上外気に開放された』って、具体的に条件はあるの?

読んでそのまま、採光補正係数の検討をすればOK!

採光上外気に開放された

廊下・階段の床面で採光補正係数を検討して、0未満にならないこと

【2026年最新版】採光計算とは?|採光補正係数の計算方法、図解でわかりやすく解説

この根拠は、『建築物の防火避難規定の解説』に記載がありますので、そちらで確認ください。

一戸建の住宅又は長屋若しくは共同住宅の住戸

一戸建て住宅、長屋、共同住宅の住戸は、非常用照明が不要

みなさんの家には絶対に非常用照明は付いていないはずです。なぜなら、非常時に停電しても、自分の家の中だったら、避難経路も把握してるし、安全に避難ができそうですもんね。

だから、不要なんです。あくまで、住戸のみで、共同住宅の廊下や階段は必要なのでご注意ください。

病院の病室、下宿の宿泊室又は寄宿舎の寝室その他これらに類する居室

病院の病室、下宿の宿泊室又は寄宿舎の寝室その他これらに類する居室、非常用照明が不要

先程の緩和によく似ていますが、こちらも同様の理由で緩和の対象です。あくまで、病室や、宿泊室のみで、廊下は除かれないので注意ください。

学校等

学校(幼保連携型認定こども園を除く。)体育館、ボーリング場、スキー場、スケート場、水泳場又はスポーツの練習場、非常用照明が不要

学校等の用途については、火災などの発生のおそれが少ないため、非常用照明は不要となります。学校等については、下記の記事で解説しています。

『学校』と『学校等』の建築基準法の定義【規制内容について】

この学校等の中に、幼稚園は含まれます。しかし、保育園は含まれません。

ええええ?どゆこと?

要するに、

幼稚園→非常用照明不要
保育園→非常用照明必要

となるわけです。似ているようで、このあたりの建築基準法の取り扱いは違います。

そもそも、幼稚園は『学校教育法』のもので、保育園は『児童福祉法』のもの。そこで、グループ分けされているんですよね。

幼稚園は、実は小学校や中学校の仲間である『学校教育法』による用途だから、『学校』に含まれるので、非常用照明は不要です。

一方で、保育園『児童福祉法』、だから学校の仲間には入らないので、非常用照明必要なんです。

ほんとに?と思う方は、ちゃんとした文章でわかりやすくこのあたりの話が下記資料に書いてあるので確認してください。

子ども・子育て支援法等の施行に伴う幼保連携型認定こども園の建築基準法上の 取扱い等について(技術的助言)

告示1411号第一号

下記2つを満たす居室は、非常用照明が不要

①令116条の2第1項一号の窓がある事

②避難階とその直下階、直上階で歩行距離が短くすぐ避難できる

まず、令116条の2第1項一号の窓というのは、簡単にいうと、『居室面積×1/20』以上の採光計算が確保できている居室のことです。詳しい条件については、下記の記事で解説しています。

そして、歩行距離が短く、比較的避難が容易であることが重要となります。具体的には、下記の通りです。

避難階居室等の各部分から歩行距離が 30m以下であり、かつ、避難上支障がないもの
避難階以外(ただし、避難階の直上階、直下階のみ)当該居室等から避難階における屋外への出口又は令第 123 条第 2 項に規定する屋外に設 ける避難階段に通ずる出入口に至る歩行距離が20m以下であり、かつ、避難上支障がないもの

基本的には、避難階か、避難階以外の階なのかで適合させるべき歩行距離が異なります。

図解にしてみると、こんな感じになります。

なお、歩行距離は原則として、居室の端からカウントをしてください。これが、居室の各部分からという事になります。そして、避難経路部分には原則として非常用照明が必要となりますので、念の為ご注意ください。

告示1411号第二号

下記2つを満たす居室は、非常用照明が不要

①居室の床面積が30㎡以下

②避難経路に非常用照明がある(または外気に開放されている)

図解すると、以下のようになります。

居室の床面積が30㎡以下であれば、かなり使いやすい緩和です!ぜひ有効活用してみてください!

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まとめ

  • 大前提のルール: 緩和が使えるのは「居室」が中心。「避難経路」への緩和は少ないと押さえておくこと。
  • 外気に開放された廊下・階段: 床面での採光補正係数が0未満にならないことが緩和の条件。
  • 住宅や共同住宅の「住戸」: 住戸内は不要だが、共同住宅の「共用廊下や階段」には必要になるので要注意。
  • 病室や宿泊室・寝室: これらも部屋の中のみが緩和対象。廊下は免除されない。
  • 学校等(幼・保の違いが罠): 学校扱いの「幼稚園」は不要だが、児童福祉施設である「保育園」は設置が必須。
  • 無窓居室の緩和(告示1411号第一号): 避難階(歩行距離30m以下)や直上・直下階(歩行距離20m以下)など、すぐ避難できる条件を満たせば不要。
  • 30㎡以下の居室(告示1411号第二号): 避難経路に非常用照明が設置されていれば不要。設計の実務で最も使い勝手がいい強力な緩和。

根拠法文

記事内では正確な情報発信を心がけていますが、最終的な判断は必ず原文(法令)を確認してください。実務で役立つ主要な条文を抜粋して掲載します。

令126条の4

根拠法文を確認する(クリックで展開)

法別表第一(い)欄(一)項から(四)項までに掲げる用途に供する特殊建築物の居室、階数が三以上で延べ面積が五百平方メートルを超える建築物の居室、第百十六条の二第一項第一号に該当する窓その他の開口部を有しない居室又は延べ面積が千平方メートルを超える建築物の居室及びこれらの居室から地上に通ずる廊下、階段その他の通路(採光上有効に直接外気に開放された通路を除く。)並びにこれらに類する建築物の部分で照明装置の設置を通常要する部分には、非常用の照明装置を設けなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する建築物又は建築物の部分については、この限りでない。
一 一戸建の住宅又は長屋若しくは共同住宅の住戸
二 病院の病室、下宿の宿泊室又は寄宿舎の寝室その他これらに類する居室
三 学校等
四 避難階又は避難階の直上階若しくは直下階の居室で避難上支障がないものその他これらに類するものとして国土交通大臣が定めるもの
2 第百十七条第二項各号に掲げる建築物の部分は、この節の規定の適用については、それぞれ別の建築物とみなす。

告示1411号

根拠法文を確認する(クリックで展開)

建築基準法施行令(以下「令」という。)第百二十六条の四第一項第四号に規定する避難階又は避難階の直上階若しくは直下階の居室で避難上支障がないものその他これらに類するものは、次の各号のいずれかに該当するものとする。

一 令第百十六条の二第一項第一号に該当する窓その他の開口部を有する居室及びこれに類する建築物の部分(以下「居室等」という。)で、次のイ又はロのいずれかに該当するもの構造

イ 避難階に存する居室等にあっては、当該居室等の各部分から屋外への出口の一に至る歩行距離が三十メートル以下であり、かつ、避難上支障がないもの

ロ 避難階の直下階又は直上階に存する居室等にあっては、当該居室等から避難階における屋外への出口又は令第百二十三条第二項に規定する屋外に設ける避難階段に通ずる出入口に至る歩行距離が二十メートル以下であり、かつ、避難上支障がないもの


二 床面積が三十平方メートル以下の居室(ふすま、障子その他随時開放することができるもので仕切られた二室は、一室とみなす。)で、地上への出口を有するもの又は当該居室から地上に通ずる建築物の部分が次のイ又はロに該当するもの構造

イ 令第百二十六条の五に規定する構造の非常用の照明装置を設けた部分

ロ 採光上有効に直接外気に開放された部分

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この記事を書いた人

そぞろのアバター そぞろ 建築法規作家

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