【建築基準法上の居室の定義】台所は?浴室は?更衣室は?

建築基準法。

今回は『居室の定義』についてです。

 

建築基準法で居室についての法文(建築基準法第2条第四号)より、

『居住、執務、作業、集会、娯楽その他これらに類する目的のために継続的に使用する室をいう。』

とあります。

 

しかし、これだけの説明だと漠然としているので実際検討する時に

『これは居室なのか?非居室なのか?』

というのは、非常に悩ましいですし、判断しづらいです。

 

今回は、

  1. 建築基準法上の居室の定義
  2. 居室かどうか迷う室の判断

この2点について解説します。

 

建築基準法上の居室の定義

冒頭でも少し触れましたが、『建築基準法上の居室の定義』を再度法文で確認してみましょう。

 

建築基準法第2条第四号 居室

居住、執務、作業、集会、娯楽その他これらに類する目的のために継続的に使用する室をいう。

これだけ。ちょっと簡潔すぎますよね。

 

私もよく聞かれるのですが

更衣室って室名は居室ですか?

とか

打ち合わせスペースって室名は居室ですか?

など『この室名は居室ですか?』という問い合わせを受けますが

居室か非居室かの判断は使い方によるので、室名では決められない

なぜなら、先ほどご紹介した通り法文自体が曖昧だから、利用方法をヒアリングして判断するしかありません。

 

何となく、居室といったら『洋室』『リビングダイニング』『事務室』などのイメージがあるとは思います。

もちろん、こちらの室は常識的に考えたら居室だとは思いますが、これらの室は居室だ!と定めている法文は無いんです。

 

だから、判断に迷う室は『その室は継続利用するのか?』で判断すべきなんです。

継続利用するなら、『居室』

継続利用しないなら、『非居室』

となるので、あくまで利用方法で変わるんです。

 

先ほどの例に挙げた『更衣室という室名が居室かどうか』を考えてみましょう。

小さな工場に併設されている更衣室で、利用時間は着替えのみで短いので、非居室と考える

これだったら『非居室』でも良さそうですよね。

なぜなら、法文上の『継続的に利用する室』とは言えないからです。

 

では、

スポーツクラブに併設されている更衣室で、常時不特定の人が着替えているけど室名が『更衣室』だから非居室として考える

これだったらどうですか?

常時人が出入りをして、『継続的に利用する室』に合致してしまうので、『居室』として扱った方が良さそうですよね。

 

このように、使い方によって居室なのか非居室なのかというのは分かれるので、

『この室名なら非居室だな!』という事にはなりません。

あくまでも利用方法で『継続的に利用するかどうか』で判断すべきです。

 

居室かどうか迷う室の判断

さて、『継続的に利用するかどうか』を少し迷う室について考えてみましょう。

住宅の台所

住宅の台所は基本的には『非居室』として扱われます。

ただし、広さ4.5帖以上の台所は居室として取り扱いをすべき

どうしてそんな具体的な数値で言ってるの?根拠はあるの?

建築基準法ではありませんが、根拠があります。

根拠は『S59の全国建築行政連絡会議の取扱い』より

住宅の台所においては次に該当するものは、居室として扱わないことができる

①調理のみに使用し、食事等の用を供しない(形態的に十分それが予測される。)

床面積が小さく(おおむね3〜4.5帖程度)、他の部分と間仕切等で明確に区画されていること

『S59の全国建築行政連絡会議の取扱い』より

よって、4.5帖を超える台所は基本的には居室として取り扱った方が良さそうです。

 

浴室

まず、何の用途の浴室なのか?というのが大事です。

 

一般的に住宅の浴室は『非居室』として取り扱っても問題ありません。

 

他に考えられる浴室で、病院の浴室『居室』になる事が多いです。

病院だと、患者さんが順番に利用する事もあるので『継続的な利用』となったり

寝たきりの方が浴室を利用する場合など、やはり健常者よりは超時間の利用が想定されるので

『居室』として扱うべきとされる場合もあります。

このあたりは、利用方法を元に申請先に事前に確認をした方がいいと思います。

 

まとめ:最終的には設計者の判断と、申請先との調整次第

いかがでしたか。

居室かどうかというのは、『この室は継続利用があるのかどうか?』という判断をした上で、

申請先に事前に調整をしておいた方がいいです。

 

なぜなら、法文が曖昧で、これが居室!これが非居室!という定義が無いので、

こればっかりは居室か非居室かは申請先によってバラつきが出るからです。

いくら設計者が『これは継続利用がない室です』と主張をしても、

あまりにもその説明に合致しないであろう、継続利用しそうな疑義がある場合は

申請先も良しとはできないからです。

 

だから、もし迷った時は申請先との調整もしっかり行いましょう。

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