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無窓居室とは?3つの種類と設計の注意点を建築法規の専門家が徹底解説

本記事は、2026年現在、施行中の最新の建築基準法・関係法令に基づいて解説しています。
※当該規定に関して2026年時点で改正がない場合も、現行法令を前提としています。

元・指定確認検査機関員(審査実績5,000件超)、著書2冊(累計2万部)、日経アーキテクチャー「著者に聞く」掲載
実務者目線で建築法規を解説しています
[▶︎筆者プロフィール(経歴・実績)]
無窓居室は『採光・換気・排煙』の3種類あり、該当すると法規制が一気に厳しくなります。 手っ取り早く『無窓居室なし』を確認したいなら、まずは以下の3つの計算式をクリアしているかチェック!
- 採光有効開口 > 居室床面積の 1/20※
- 換気有効開口 > 居室床面積の 1/20
- 排煙有効開口 > 居室床面積の 1/50
※…住宅・学校・病院・診療所・寄宿舎等の居室の場合は、1/5〜1/10
この記事でわかること
- 無窓居室の定義と『3つの種類(採光・換気・排煙)』の違い
- 無窓居室になった場合に発動する『厳しい制限』の内容
- 無窓居室かどうかを瞬時に判断するための『3つの検討式』
そぞろ無窓居室は採光・換気・排煙の3つありますが…
採光無窓になったら大変です!
でも、換気無窓・排煙無窓はなんとかなります!
記事内で、わかりやすく解説しているので、無窓居室はこの記事を読めばバッチリです。
『無窓居室』とは?
無窓居室とは、建築基準法で定める窓がない居室のことで、無窓居室になったら、建築基準法の規定が厳しくなる
無窓居室は、全部で下記の3種類ある
- 採光無窓
- 換気無窓
- 排煙無窓
無窓居室とは、その名の通り、窓がない居室のことです。無窓居室でも、絶対にNGというわけではありません。ただし、建築基準法の規定がかなり厳しくなります。
そして、無窓居室の種類はなんと全部で3種類もあります。

3種類?どうして、そんなにあるの?

無窓居室の種類によって、厳しくなる規定が異なるからです!
たとえば、採光上有効な開口部が不足している採光無窓になったら、停電になっても避難できるように非常用照明が必要になります。たとえば、排煙上有効な開口部が不足している排煙無窓になったら、排煙設備が必要になります。
こんな風に、どの無窓居室に該当するか、をチェックすることが非常に重要になってきます。

理屈はわかったけど…手取り早く無窓居室があるかどうか確認したいな

そんな方は、3つの検討だけすればOKです!
この3つがOKなら、無窓居室はなしってことで進めてOKです!
下記3つを満たせば、無窓居室はなしでOK
- 居室床面積/20※<採光上有効な開口部
- 居室床面積/20<換気上有効な開口部
- 居室床面積/50<排煙上有効な開口部
※…住宅・学校・病院・診療所・寄宿舎等の居室の場合は、1/5〜1/10
時間がない方は、この3つの検討式だけしっかり確認しておきましょう。
Q.無窓居室の検討は、居室だけでいいの?

無窓居室の検討は、非居室ではやらなくていいんだよね?

もちろんです!非居室なら、計算なしでOK!
無窓居室の対象となるのは、あくまで居室です。非居室だったら、無視でOKです。

Q.無窓居室の『消防法の無窓階』との違いとは?

消防法の無窓階との違いは?

法律が違うんで、似ているようで全くの別物です!
消防法は、消防隊員の建築物内への進入できるかどうか、で判断されます。要は、消防隊員のための開口部を確認するもの。建築基準法の無窓居室の検討は、在館者が建築物内から避難できるかどうか、など在館者のために設けられています。
法律が違うので、まったくの別物ですが、ざっくり下記のような違いがあります。
| 項目 | 建築基準法(無窓居室) | 消防法(無窓階) |
| 判定の単位 | 居室ごと | 階ごと |
| 主な目的 | 居住者の健康・避難安全 | 消防隊の進入・消火活動 |
| チェック内容 | 採光・換気・排煙の有効面積 | 消防隊が外から入れる窓があるか |
| 該当した時の影響 | 非常用照明、排煙設備など | スプリンクラー、屋内消火栓など |
採光無窓とは?
採光無窓と言っても、3つの法文が絡み、内容もかなり複雑
採光無窓は、3つの無窓居室の中でも1番難しいです。採光無窓になってしまったら、3つの法文を確認する必要があります。

その3つの法文とは、法28条、法35条、法35条の3です。
もし、採光が取れない場合、3つの法文を確認する必要があります。採光無窓については、かなり奥が深いので、別の記事でしっかりと解説しています。
まとめると、下記のようになります。
| 検討が必要な居室 | 必要採光面積 | 検討方法 | 規制内容 | |
|---|---|---|---|---|
| 法28条1項 | 住宅・学校・病院・診療所・寄宿舎等の居室 | 居室面積×1/5〜1/10 (用途によって異なる) | 開口部×採光補正係数 | 絶対に適合が必要 |
| 法35条 | 全ての居室 | 居室面積×1/20 | 開口部×採光補正係数 | 直通階段 屋外階段 手すり高さ 敷地内通路 非常用の照明装置 |
| 法35条の3 | 全ての居室 | 居室面積×1/20 | 開口部×採光補正係数 (避難上有効な開口部を設けるでも可) | 居室を区画する主要構造部を耐火構造又は不燃材料とする |
詳しい計算方法については、下記の記事で確認してください。(採光補正係数は結構くせがあって、難しいです)


え?なんか、めちゃくちゃ多くない?特に、法35条の部分

法35条って避難規定のことです!…採光無窓になると、避難規定の対象になるからなんですよね。だから、こんなにたくさん規制が追加されるんです。
建築基準法には、避難規定というものがあります。その名の通り、建築物の避難のための規定です。この規定なんですが、すべての建築物が対象になるわけではなく、特殊建築物や3階以上の建築物などが対象になります。
そして、採光無窓になった場合も避難規定の対象となります。だから、一気に追加される規定が出てきてしまうのです。
避難規定については、下記の記事で解説しています。


採光無窓、実務で審査をしていると…落とし穴があるので、紹介しますね。全部で2つです!
落とし穴①法28条は必ず適合が必要
法28条の対象となる住宅・学校・病院・診療所・寄宿舎等の居室は、採光無窓にできない

要するに、絶対に採光計算に適合が必要です!
だから、住宅などで採光無窓を作りたい!と思っても、原則として、それはできないんです。これらの用途は、寝室等の用途に供することから、絶対に採光が取れる窓が必要なんです。

なるほどね。この用途に該当したら要注意だね!
どんな居室が対象になるかは、下記の記事で詳しく説明しているので、ご確認ください。

落とし穴②木造建築物の場合、法35条の3は要注意
木造建築物の場合、採光無窓は作れないと思った方がいい
なぜなら、法第35条の3は採光無窓になってしまった場合、耐火構造で区画するか、主要構造部を不燃材料にしなければならないから。
ただ、法35条の3については、避難上有効な開口部を設けることで、採光無窓になることを回避することができます。
具体的には、直接外気に接する避難上有効な構造の開口部で、その開口部の大きさが750mm×1200mm、直径1mの円が内接すればOK

この避難上有効な開口部も設けられないなら、木造建築物で採光無窓を作るのは無理!と思った方がいいかも!
換気無窓とは?
換気無窓とは、『換気上有効な面積≧1/20×居室面積』を満たすことができない居室(法28条2項)
換気無窓は、すべての居室に対して検討が必要

正直、換気無窓は結構なんとでもなります笑
無窓になっても焦らなくてOK!
採光無窓と打って変わって、換気無窓はシンプルで簡単です。ちなみに、換気上有効な開口部は、開口部の面積に、下記の係数を乗じた数値です。換気できる部分と考えると、とても納得がいく係数です。

で、換気無窓になっちゃったら、どうすればいいの?

換気設備を設けましょう!それだけ!
簡単でしょ?
ただ、換気設備と言っても、なんでもいいわけではありません。下記に定める換気設備に限定されるため、注意しましょう。
換気無窓になった場合、下記いずれかの換気設備を設けること
- ①自然換気設備(令20条の2第一号イ)
- ②機械換気設備(令20条の2第一号ロ)
- ③中央管理方式の空気調和設備(令20条の2第一号ハ)
- ④国土交通大臣の認定を受けたもの(令20条の2第二号)
排煙無窓とは?
排煙無窓とは、『排煙上有効な面積≧1/50×居室面積』を満たすことができない居室
排煙無窓は、すべての居室に対して検討が必要

排煙無窓になってしまった場合も、まぁ、なんとかなります。
排煙無窓も、そんなに難しくはありません。ただ、計算方法は少し複雑です。だから、個別で記事を用意していますので、そちらで確認をしてください。(記事内では、最新法令についても解説しています。天井高3m以上の緩和に関して、2025年にちょっと注目の法改正がありました)


それで、排煙無窓になったら、どうすればいいの?

3つの規制について確認してください!
よく見落とされてしまうのですが、排煙無窓で、かつ、50㎡を超える場合、内装制限の対象となります。50㎡ってそれなりに大きな建築物ですが、念の為に把握しておきましょう。
そもそも、何故排煙無窓の検討をしているのか?
排煙無窓の検討をしている理由は、排煙設備を設置させない為
そもそも、排煙設備が必要になる建築物は、
- 法別表第1(い)欄(1)項から(4)項までの特殊建築物で延べ面積が500㎡を超えるもの
- 階数が3以上で延べ面積が500㎡を超える建築物
- 令116条の2第1項二号に該当する窓その他の開口部を有しない居室
- 延べ面積が1,000㎡を超える建築物の居室で、その床面積が200㎡を超えるもの

この令116条の2第1項二号に該当する窓を有しない居室ってのが
排煙無窓のこと!
だから、排煙設備付けちゃえばOKです!
排煙設備だったら、緩和・免除規定がたくさんあるので、これで適合させられたらそんなに大変ではないです。

排煙無窓の検討と、排煙設備の検討の違いについて
排煙無窓の検討と、排煙設備の検討は、似ているようで計算方法が全く別物
これもよく勘違いが多いのですが、排煙無窓と排煙設備、似ているようで計算方法が全く異なります。これを知っていないと、かなり混乱することになります。
この違いについても、下記の記事で解説しているので、確認してみてください。

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まとめ
無窓居室の検討は、以下の3ステップで攻略しましょう。
- 採光(1/20): ここが一番の難所。住宅等はそもそも不可で、木造だと耐火要件が厳しすぎるため、基本は窓を取る設計を目指すべきです。
- 換気(1/20): 不足しても換気設備(換気扇など)を設ければ解決できるため、そこまで恐れる必要はないです。
- 排煙(1/50): 不足時は排煙設備が必要になるが、2025年の法改正等の最新情報も合わせてチェックしておくと良いです。
まずは『採光・換気1/20、排煙1/50』この数字だけは今すぐ頭に叩き込んでおきましょう。
根拠法文
記事内では正確な情報発信を心がけていますが、最終的な判断は必ず原文(法令)を確認してください。実務で役立つ主要な条文を抜粋して掲載します。
建築基準法施行令116条の2(採光無窓・排煙無窓)
根拠法文を確認する(クリックで展開)
法第三十五条(法第八十七条第三項において準用する場合を含む。第百二十七条において同じ。)の規定により政令で定める窓その他の開口部を有しない居室は、次の各号に該当する窓その他の開口部を有しない居室とする。
一 面積(第二十条の規定より計算した採光に有効な部分の面積に限る。)の合計が、当該居室の床面積の二十分の一以上のもの
二 開放できる部分(天井又は壁(床面から天井までの垂直距離に応じて国土交通大臣が定める部分に限る。)にある部分に限る。)の面積の合計が、当該居室の床面積の五十分の一(火災時に生ずる煙を有効に排出することができるものとして国土交通大臣が定めた構造方法を用いる給気口及び排気口を有する場合にあつては、給気口の開口面積、排気口の高さ及び居室の床面積に応じて国土交通大臣が定める方法により算出した割合)以上のもの
2 ふすま、障子その他随時開放することができるもので仕切られた二室は、前項の規定の適用については、一室とみなす。
建築基準法28条2項(換気無窓)
根拠法文を確認する(クリックで展開)
居室には換気のための窓その他の開口部を設け、その換気に有効な部分の面積は、その居室の床面積に対して、二十分の一以上としなければならない。ただし、政令で定める技術的基準に従つて換気設備を設けた場合においては、この限りでない。
建築基準法施行令128条の3の2(内装制限の排煙無窓)
根拠法文を確認する(クリックで展開)
法第三十五条の二(法第八十七条第三項において準用する場合を含む。次条において同じ。)の規定により政令で定める窓その他の開口部を有しない居室は、次の各号のいずれかに該当するもの(天井の高さが六メートルを超えるものを除く。)とする。
一 床面積が五十平方メートルを超える居室で窓その他の開口部の開放できる部分(天井又は壁(床面から天井までの垂直距離に応じて国土交通大臣が定める部分に限る。)にある部分に限る。)の面積の合計が、当該居室の床面積の五十分の一(火災時に生ずる煙を有効に排出することができるものとして国土交通大臣が定めた構造方法を用いる給気口及び排気口を有する場合にあつては、給気口の開口面積、排気口の高さ及び居室の床面積に応じて国土交通大臣が定める方法により算出した割合)未満のもの
二 法第二十八条第一項ただし書に規定する温湿度調整を必要とする作業を行う作業室その他用途上やむを得ない居室で同項本文の規定に適合しないもの





