建築基準法

不燃材料とは?建築基準法上の定義について

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不燃材料ってなに?

不燃材料は建築基準法のどこ記載されているの?

不燃材料の具体的な材料は?

準不燃材料・難燃材料との違いは?

不燃材料はどんな場所に使うの?

今回の記事ではこんな疑問に法的根拠を元に答えます。

ざっくりまとめると、

不燃材料とは、不燃性能(加熱開始後20分以上所定の条件を満たす)を満たす材料のこと

不燃材料の定義は『建築基準法2条九号』に記載されている

不燃材料は、『告示に適合している材料』又は『認定を受けた材料』の2つがある

準不燃材料・難燃材料との違いは、加熱開始後耐えられる時間

不燃材料は主に避難規定の緩和等に使われる

今回は不燃材料は、建築士試験にも出題されますし、実務でもよく出てくる材料です。

今回は試験でも実務でも対応できる知識をまとめました!(sozooro

書いている人
そぞろ

指定確認検査機関にて、過去に5000件以上の物件の相談や審査業務を行っていた経験を生かし、ブログやSNSで建築法規に関する発信を行っている。
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著書:用途と規模で逆引き! 住宅設計のための建築法規/学芸出版社

『不燃材料』を法文から確認する

不燃材料は『建築基準法2条九号』に定義される

では、実際に法文で確認してみましょう!

建築基準法2条九号

建築材料のうち、不燃性能(通常の火災時における火熱により燃焼しないことその他の政令で定める性能をいう。)に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めたもの又は国土交通大臣の認定を受けたものをいう。

不燃材料は不燃性能を有する材料です。不燃性能の定義については、『建築基準法施行令第108条の2』に記載されているので、確認してみましょう

建築基準法施行令第108条の2

法第2条第九号の政令で定める性能及びその技術的基準は、建築材料に、通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後20分間次の各号(建築物の外部の仕上げに用いるものにあっては、第一号及び第二号)に掲げる要件を満たしていることとする。

一 燃焼しないものであること。
二 防火上有害な変形、溶融、き裂その他の損傷を生じないものであること。
三 避難上有害な煙又はガスを発生しないものであること。

これらの内容をまとめると…

不燃材料の定義とは?

通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後20分間以下3つの要件を満たしている材料(外部の仕上げに関しては①②のみ)

  1. 燃焼しないものであること。
  2. 防火上有害な変形、溶融、き裂その他の損傷を生じないものであること。
  3. 避難上有害な煙又はガスを発生しないものであること。

『不燃材料』とは具体的にどんな材料か?

不燃材料には、『告示で定めたもの』又は『認定を受けたもの』の2つがある

先ほどご紹介した性能を有するものとして、いずれかのものを選択する必要があります。それぞれの内容について詳しく確認していきます。

告示で定めたもの

告示で定められた不燃材料は『告示1400号』に定められるものです。

告示で定められた不燃材料

  • コンクリート
  • れんが
  • 陶磁器質タイル
  • 繊維強化セメント板
  • 厚さが3mm以上のガラス繊維混入セメント板
  • 厚さが5mm以上の繊維混入ケイ酸カルシウム板
  • 鉄鋼
  • アルミニウム
  • 金属板
  • ガラス
  • モルタル
  • しっくい石厚さが12mmミリメートル以上のせっこうボード(ボード用原紙の厚さが0.6mm以下のものに限る。)
  • ロックウール
  • グラスウール板

認定を受けたもの

認定を受けたものは、以下の認定番号がついているものが不燃材料になります。

認定を受けた不燃材料

NMー◯◯◯◯
(外部仕上用)NEー◯◯◯◯

準不燃材料と難燃材料との違いは?

『不燃材料』と『準不燃材料と難燃材料』の違いは

加熱開始後耐えられる時間だけ

不燃材料は、加熱開始後20分耐えられるものです。準不燃材料の場合はその時間が10分、難燃材料の場合は5分になります。

複雑そうに見えて、違いはこれしかありません。詳細については以下の記事で解説しています。

不燃材料は建築基準法のどこに登場する?

意外なことに、不燃材料は内装制限(令128条の4)には登場しません。

登場するのは主に以下の規定です。

不燃材料が登場する主な規制

  • ロ準耐火構造の主要構造部(令109条の3)
  • 高層区画の緩和条件(令112条9項)
  • 竪穴区画の緩和条件(令112条11項一号)
  • 防火区画の貫通処理(令112条20項)
  • 避難階段の内装制限(令123条)
主に不燃材料は避難規定の緩和の条件としてよく登場します!

まとめ

✔️不燃材料とは、加熱開始後20分以上所定以下の条件を満たす材料のこ

  • 燃焼しないものであること。
  • 防火上有害な変形、溶融、き裂その他の損傷を生じないものであること。
  • 避難上有害な煙又はガスを発生しないものであること。

✔️不燃材料には、『告示で定めたもの』又は『認定を受けたもの』の2つがある

  • 告示で定めたものは『告示1400号』に定められるもの
  • 認定を受けたものは『NMー◯◯◯◯の番号が付けられたもの

✔️『不燃材料』と『準不燃材料と難燃材料』の違いは加熱開始後耐えられる時間だけ

✔️不燃材料は避難規定の緩和の条件として建築基準法に登場

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そぞろ。
このサイトを作成している管理者。建築法規に関わる仕事をしています。難解な建築基準法をわかりやすく、面白く解説して、『実は簡単なんじゃないの?』と勘違いしてもらいたい。著書『用途と規模で逆引き!住宅設計のための建築法規』

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