法文のどこに書いてあるの?
今回の記事ではこんな疑問に法的根拠を元に答えます。
ざっくりまとめると、
工事を終えたときに建築主事・指定確認検査機関に中間検査を申請しなければならない工程のことです。
特定工程とは、建築基準法7条の3第1項』に定められている
特定工程は、『今回は法文を確認しつつ、わかりやすく解説していきます!(sozooro)
書いている人 |
指定確認検査機関にて、過去に5000件以上の物件の相談や審査業務を行っていた経験を生かし、ブログやSNSで建築法規に関する発信を行っている。 Instagram、X、LINE@などのSNSのフォロワーは延べ4万人以上。 詳しいプロフィールはこちらから 著書:用途と規模で逆引き! 住宅設計のための建築法規/学芸出版社 |
『特定工程』を法文から確認する
建築基準法7条の3第1項に定義される
特定工程は建築基準法7条の3第1項
建築主は、第6条第1項の規定による工事が次の各号のいずれかに該当する工程(以下「特定工程」という。)を含む場合において、当該特定工程に係る工事を終えたときは、その都度、国土交通省令で定めるところにより、建築主事の検査を申請しなければならない。
一号の政令で定める工事とは、建築基準法施行令11条に定められています。そちらも合わせて確認しましょう。
建築基準法施行令11条
法第7条の3第1項第一号の政令で定める工程は、2階の床及びこれを支持するはりに鉄筋を配置する工事の工程とする。
これらの内容をまとめると…
特定工程とは
- 階数が3以上である共同住宅の2階の床及びこれを支持するはりに鉄筋を配置する工事の工程
- 特定行政庁が指定する工程
ちなみに、1つ目の特例工程の対象は要するに『RC造の共同住宅』ということになります。鉄筋を使用するのがRC造だからですね。階数が3以上の共用住宅であっても、その構造が木造や鉄骨造であれば特定工程には該当しないということです。
2つ目の特定行政庁の対象は、本当に行政次第です。単純に、階数や高さで特定工程を指定するところもあれば、戸建てに関しては、注文か分譲かで特定工程の定めが異なることもあります。実務でよく見かける特定工程はこちらです。
『特定工程』とはどんなものか?
工事を終えたときに建築主事・指定確認検査機関に中間検査を申請しなければならない工程のこと
特定工程とは、確認申請を受けた建築物は、必ず完了検査を受けなくてはなりません。
一方、中間検査は必ずしも全ての建築物が受けるものではありません。中間検査が必要な建築物は、特定工程に該当する建築物のことです。
そして、その中間検査を受けなければならない工程というのが、『特定工程』なのです。特定工程になった段階で、中間検査を申請・合格をしないと特定工程より後の工程には進めてはいけません。つまり、工事を止めなくてはならないということです。
まとめ
✔️特定工程とは、工事を終えたときに建築主事・指定確認検査機関に中間検査を申請しなければならない工程のこと
✔️特定工程とは、具体的に以下の工程のこと
- 階数が3以上である共同住宅の2階の床及びこれを支持するはりに鉄筋を配置する工事の工程
- 特定行政庁が指定する工程