建築基準法

建築基準法27条(耐火建築物等とすべき特殊建築物)の解説

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耐火建築物等にしなきゃいけない建築物ってなに?

木造3階建て共同住宅は、耐火建築物にしなくちゃいけないの?

緩和を使うことはできる?

こんなお悩みに、答えます!

まずは結論から…

所定以上の階数や床面積の特殊建築物は、耐火建築物や準耐火建築物としなくてはならない

木造3階建て共同住宅は、原則として耐火建築物とする必要がある。ただし、所定の条件を満たすことで、準耐火建築物で作ることも可能

階数が3以下で延べ面積が200㎡未満の規模の場合、緩和を使うという選択肢もある

耐火建築物等とすべき特殊建築物は、建築基準法の中でも複雑で難しい法文です…

今回はわかりやすく解説していきます!twitter:sozooro

書いている人
そぞろ

指定確認検査機関にて、過去に5000件以上の物件の相談や審査業務を行っていた経験を生かし、ブログやSNSで建築法規に関する発信を行っている。
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著書:用途と規模で逆引き! 住宅設計のための建築法規/学芸出版社

建築基準法27条とはどんな規制か?

法27条とは…

所定規模以上の特殊建築物』は、耐火建築物等や準耐火建築物等にしなくてはならない

特殊建築物とは、公共性の高い用途だったり、火災の発生のおそれがある用途の建築物のことです。特殊建築物は、その他の用途よりも、より厳しい規制を受けることとなります。

特殊建築物については以下の記事を確認してください。

規制といったら、これくらいなのですが…

こんなんでも、法27条って建築基準法の中では難関なんですよね…

え?どうして難関なの?
それは、所定規模以上の特殊建築物を耐火建築物『にしなければならないこと。

単純に、耐火建築物じゃないところが厄介なんです…。だから、結構つまづく方が多いんですよね。この後、わかりやすく解説します!

耐火建築物等とすべき特殊建築物とは?

耐火建築物等とすべき特殊建築物

用途 階数・規模 種別
劇場、映画館、演芸場
3階以上 耐火建築物
客席が200㎡(屋外観覧席は1000㎡)以上 耐火建築物
主階が1階にないもの※1 耐火建築物
観覧場、公会堂、集会場 3階以上 耐火建築物
客席が200㎡(屋外観覧席は1000㎡)以上 準耐火建築物
病院、診療所(患者の収容施設があるもの)、ホテル、旅館、下宿、共同住宅、寄宿舎、児童福祉施設等 3階以上※2 耐火建築物
2階が300㎡以上 準耐火建築物
学校、体育館、博物館、美術館、図書館、ボーリング場、スキー場、スケート場、水泳場、スポーツの練習場 3階以上 耐火建築物
2000㎡以上 準耐火建築物
百貨店、マーケット、展示場、キャバレー、カフェー、ナイトクラブ、バー、ダンスホール、遊技場、公衆浴場、待合、料理店、飲食店、物品販売業を営む店舗(床面積>10㎡) 3階以上 耐火建築物
2階が500㎡以上 準耐火建築物
倉庫 3階以上の部分が200㎡以上 耐火建築物
1500㎡以上 準耐火建築物
自動車車庫、自動車修理工場、映画スタジオ、テレビスタジオ 3階以上 耐火建築物
150㎡以上 準耐火建築物
※1…階数が3以下で延べ面積が200㎡未満のものを除く。

※2…階数3で延べ面積200㎡未満は除く。ただし、以下の用途の場合は、警報設備の設置が必要

  • 病院
  • ホテル
  • 共同住宅
  • 寄宿舎
  • 児童福祉施設等

上記の内容は、法27条別表第一令115条の3で確認できる内容です。法文でも、確認してみてください。

耐火建築物とか、準耐火建築物はわかるんだけど…耐火建築物『ってなんだろう…?
気になりますよね!笑

耐火建築物とは…原則として耐火建築物にすればOKですが…所定の条件を満たせば、準耐火建築物でも作れるということです!

耐火建築物と準耐火建築物の条件については、以下の記事を確認してください。

耐火建築物『等』とは?

耐火建築物等とは?

主要構造部について以下2つのいずれかに該当する建築物(令110条)

  • 特定避難時間火災に耐えられる建築物(一号)➕延焼ライン等に防火設備※
  • 耐火建築物(二号)

※用途によっては、延焼ライン以外にも、防火設備が必要になることもあります。

耐火建築物等は、耐火建築物として計画してしまえば問題ありません。しかし、所定の条件を満たすことで、準耐火建築物として計画することが可能です。これが、特定避難時間火災に耐えられる建築物のことです。

特定避難時間火災に耐えられる建築物の代表例は…木造3階建て共同住宅です!

木造3階建て共同住宅は、基本は耐火建築物として計画しなければなりませんが…所定の基準を満たすことで、準耐火構造にすることが可能です!

木造3階建て共同住宅については、以下の記事で解説しています。

他にも、耐火建築物等でも準耐火建築物で計画することも、もちろん可能です。しかし、この記事でご紹介できないくらい複雑なので、詳細な内容が『告示255号』で確認するようにしてください。

耐火建築物等とすべき特殊建築物の『緩和』

以下の建築物は、耐火建築物等としなくても良い

病院、診療所(患者の収容施設があるもの)、ホテル、旅館、下宿、共同住宅、寄宿舎、児童福祉施設等 3階以上 耐火建築物

上記に該当したとしても、階数3で延べ面積200㎡未満は除く。ただし、以下の用途(令110条の4)の場合は、警報設備の設置が必要(令110条の5)

  • 病院
  • 診療所(患者の収容施設があるものに限る)
  • ホテル
  • 共同住宅
  • 寄宿舎
  • 児童福祉施設等
簡単に言うと…基本的には3階で延べ面積200㎡未満の場合は、緩和の対象ですが…就寝の用途がある建築物に対しては、『警報設備の設置』が必要になります

こちらの緩和は、最近追加されたものです。意図としては、200㎡未満の用途変更を促進するための規定です。

しかし、用途変更でなくとも、小規模な3階建ての共同住宅の計画などに対しても、相当使いやすい緩和となっています。ぜひ、小規模であれば検討をしてみてはいかがでしょうか。

Q.緩和を使う場合の竪穴区画

ちょっと、踏み込んだ話になるけどさ…

この緩和を使った場合、『主要構造部を準耐火構造』にする必要がないから…竪穴区画はしなくてもいいってことかな?

小規模な建築物に対して緩和を受ければ、『主要構造部を準耐火構造』にする必要はありません。

ただし、竪穴区画は必要です。

原則として、主要構造物を準耐火構造とした3階建ての建築物で、3階部分に居室がある場合、竪穴区画が必要です。

しかし、こちらの緩和を使った場合は、主要構造物を準耐火構造でなくとも、竪穴区画が必要となっています。ただし、通常の竪穴区画よりも、建具の性能等がゆるくなっています。

区画が必要になる建築物 区画する部分 区画方法
壁の構造 床の構造 防火設備の種別
病院・診療所・児童福祉施設等で階数3かつ延べ面積<200㎡ 竪穴部分とその他の部分 間仕切壁 防火設備
※2※3
共同住宅・ホテル・寄宿舎で階数3かつ延べ面積<200㎡ 間仕切壁 戸(ふすま・障子等は不可)※2
※2…遮煙性能付きで以下のいずれかの構造
①常時閉鎖式
②随時閉鎖式で、煙感知器と連動して自動閉鎖するもの
※3…居室、倉庫その他これらに類する部分にスプリンクラー設備その他これに類するものを設けた建築物の竪穴部分については、10分間防火設備にしても良い

 

建築基準法で『耐火建築物等とすべき特殊建築物』を確認する

最後に、耐火建築物等とすべき特殊建築物の法文である、建築基準法第27条を確認してみましょう!
クリックで建築基準法27条を確認

建築基準法第27条

次の各号のいずれかに該当する特殊建築物は、その主要構造部を当該特殊建築物に存する者の全てが当該特殊建築物から地上までの避難を終了するまでの間通常の火災による建築物の倒壊及び延焼を防止するために主要構造部に必要とされる性能に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものとし、かつ、その外壁の開口部であつて建築物の他の部分から当該開口部へ延焼するおそれがあるものとして政令で定めるものに、防火戸その他の政令で定める防火設備(その構造が遮炎性能に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものに限る。)を設けなければならない。

一 別表第一(ろ)欄に掲げる階を同表(い)欄(一)項から(四)項までに掲げる用途に供するもの(階数が三で延べ面積が二百平方メートル未満のもの(同表(ろ)欄に掲げる階を同表(い)欄(二)項に掲げる用途で政令で定めるものに供するものにあつては、政令で定める技術的基準に従つて警報設備を設けたものに限る。)を除く。)
二 別表第一(い)欄(一)項から(四)項までに掲げる用途に供するもので、その用途に供する部分(同表(一)項の場合にあつては客席、同表(二)項及び(四)項の場合にあつては二階の部分に限り、かつ、病院及び診療所についてはその部分に患者の収容施設がある場合に限る。)の床面積の合計が同表(は)欄の当該各項に該当するもの
三 別表第一(い)欄(四)項に掲げる用途に供するもので、その用途に供する部分の床面積の合計が三千平方メートル以上のもの
四 劇場、映画館又は演芸場の用途に供するもので、主階が一階にないもの(階数が三以下で延べ面積が二百平方メートル未満のものを除く。)
2 次の各号のいずれかに該当する特殊建築物は、耐火建築物としなければならない。
一 別表第一(い)欄(五)項に掲げる用途に供するもので、その用途に供する三階以上の部分の床面積の合計が同表(は)欄(五)項に該当するもの
二 別表第一(ろ)欄(六)項に掲げる階を同表(い)欄(六)項に掲げる用途に供するもの
3 次の各号のいずれかに該当する特殊建築物は、耐火建築物又は準耐火建築物(別表第一(い)欄(六)項に掲げる用途に供するものにあつては、第二条第九号の三ロに該当する準耐火建築物のうち政令で定めるものを除く。)としなければならない。
一 別表第一(い)欄(五)項又は(六)項に掲げる用途に供するもので、その用途に供する部分の床面積の合計が同表(に)欄の当該各項に該当するもの
二 別表第二(と)項第四号に規定する危険物(安全上及び防火上支障がないものとして政令で定めるものを除く。以下この号において同じ。)の貯蔵場又は処理場の用途に供するもの(貯蔵又は処理に係る危険物の数量が政令で定める限度を超えないものを除く。)

まとめ

✔️以下に該当する特殊建築物は、耐火建築物等としなくてはならない

用途 階数・規模 種別
劇場、映画館、演芸場
3階以上 耐火建築物
客席が200㎡(屋外観覧席は1000㎡)以上 準耐火建築物
主階が1階にないもの 耐火建築物
観覧場、公会堂、集会場 3階以上 耐火建築物
客席が200㎡(屋外観覧席は1000㎡)以上 準耐火建築物
病院、診療所(患者の収容施設があるもの)、ホテル、旅館、下宿、共同住宅、寄宿舎、児童福祉施設等 3階以上 耐火建築物
2階が300㎡以上 準耐火建築物
学校、体育館、博物館、美術館、図書館、ボーリング場、スキー場、スケート場、水泳場、スポーツの練習場 3階以上 耐火建築物
2000㎡以上 準耐火建築物
百貨店、マーケット、展示場、キャバレー、カフェー、ナイトクラブ、バー、ダンスホール、遊技場、公衆浴場、待合、料理店、飲食店、物品販売業を営む店舗(床面積>10㎡) 3階以上 耐火建築物
2階が500㎡以上 準耐火建築物
倉庫 3階以上の部分が200㎡以上 耐火建築物
1500㎡以上 準耐火建築物
自動車車庫、自動車修理工場、映画スタジオ、テレビスタジオ 3階以上 耐火建築物
150㎡以上 準耐火建築物

✔️耐火建築物等に該当した場合であっても、所定の条件を満たすことで、準耐火建築物で作ることも可能となる

✔️3階以下、200㎡以下の場合、緩和を適用することも可能

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そぞろ。
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