建築基準法

耐火建築物とは?用語の定義について【建築基準法第2条第1項第九の二号】

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耐火建築物とは、簡単に言うと高い防火性能を持つ建築物の事です。あくまで、『建築物の全体』を評価して、高い防火性能があるとされているものです。

今回は、耐火建築物の要件や条文について、解説していきたいと思います。

書いている人
そぞろ

指定確認検査機関にて、過去に5000件以上の物件の相談や審査業務を行っていた経験を生かし、ブログやSNSで建築法規に関する発信を行っている。
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著書:用途と規模で逆引き! 住宅設計のための建築法規/学芸出版社

まずは法文を確認する

 

建築基準法第2条第1項第九の二号 耐火建築物

次に掲げる基準に適合する建築物をいう。

その主要構造部が(1)又は(2)のいずれかに該当すること。
(1) 耐火構造であること。
(2) 次に掲げる性能(外壁以外の主要構造部にあつては、(i)に掲げる性能に限る。)
に関して政令で定める技術的基準に適合するものであること。
(i) 当該建築物の構造、建築設備及び用途に応じて屋内において発生が予測される
火災による火熱に当該火災が終了するまで耐えること。
(ii) 当該建築物の周囲において発生する通常の火災による火熱に当該火災が終了す
るまで耐えること。

その外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に、防火戸その他の政令で定める防火
設備(その構造が遮炎性能(通常の火災時における火炎を有効に遮るために防火設備 に必要とされる性能をいう。第 27 条第 1 項において同じ。)に関して政令で定める技 術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交 通大臣の認定を受けたものに限る。)を有すること。

 

 

耐火建築物と言ったら、2点セット

耐火建築物と言ったら、2つの基準に適合している建築物の事です。

耐火建築物に該当させる2つの条件

(イ)主要構造部耐火構造 又は 主要構造部が令第108条の3に適合する構造

(ロ)延焼ラインのおそれのある部分に防火設備が設けられている事

①と②どちらも満たして、初めて耐火建築物して成立します。

たとえば、“主要構造部耐火構造にしたものは、耐火建築物“というのは間違っています。(これだと①しか満たしていません)

“①主要構造物耐火構造にして、②延焼ラインに防火設備を設けたものは、耐火建築物“これだったら正しいです。

 

法文の考え方

 

耐火建築物にしなければならない建築物かどうか確認するには?

建築基準法上だと、基本的には3つの条文を確認するようにしてください。

建築基準法で耐火建築物の要求がある3つの法文
  • 規模によって耐火建築物要求がある『法第21条』
  • 用途によって耐火建築物要求がある『法第27条』
  • 地域によって耐火建築物要求がある『法第61条』

基本的にはこの3つですが、他にも地方公共団体の条例などでも、要求がある事もあるので、そちらも注意したいですね。

 

まとめ

◆耐火建築物とは、高い性能を持つ建築物

◆耐火建築物とは、2つの要件どちらも満たす建築物

主要構造部耐火構造 又は 主要構造部が令第108条の3に適合する構造

②延焼のおそれのある部分に防火設備が設けられている事

◆建築基準法で耐火建築物の要求がある3つの法文

  規模によって耐火建築物要求がある『法第21条』

  用途によって耐火建築物要求がある『法第27条』

  地域によって耐火建築物要求がある『法第61条』

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そぞろ。
このサイトを作成している管理者。建築法規に関わる仕事をしています。難解な建築基準法をわかりやすく、面白く解説して、『実は簡単なんじゃないの?』と勘違いしてもらいたい。著書『用途と規模で逆引き!住宅設計のための建築法規』

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