排煙計算「住宅の200m2以下」は図書に表記が不要な理由

建築基準法。

一戸建て住宅の排煙の話はややこしい。

出来るだけわかりやすく解説します。

 

一戸建て住宅で2階建だと、あまり排煙設備を考える事は無いですよね。

そもそも、確認申請に排煙計算(施行令第116条の2第1項2号の無窓の検討、以下無窓の排煙計算とします)を記載した事が無いという方もいるのではないでしょうか。

 

どうして、無窓の排煙計算が記載不要なのでしょうか?

「そんなの、木造2階建ての一戸建て住宅は4号建築物で審査の特例が使えるからでしょ!」

と考える方もいると思いますが、実は違います。

なぜなら、無窓の排煙計算をする目的である施行令第126条の2は特例で審査省略できない項目になっているからです。(審査省略できる場合もあるのですが。)

 

しかも、面積が200㎡を超えると、排煙計算が必要になる事があります。

これにも法的根拠があります。

 

今回は何故200㎡以下なら排煙計算が不要なのか、4号建築物の特例の話と絡めて解説していきます。

 

そもそも、無窓の排煙計算はどうして必要なのか?

無窓の排煙計算、つまり施行令第116条の2第1項二号の検討をする目的は

排煙設備を設置させない為です。

 

こちらの記事では排煙設備の設置基準の解説があります。簡単に言うと、

法別表第1(い)欄(1)項から(4)項までに掲げる用途に供する特殊建築物で延べ面積が500m2を超えるもの

階数が3以上で延べ面積が500m2を超える建築物

第116条の2第1項第二号に該当する窓その他の開口部を有しない居室

延べ面積が1,000m2を超える建築物の居室で、その床面積が200m2を超えるもの

この4つのどれかに該当をすると、排煙設備が必要になります。

その中でも、木造2階一戸建て住宅でこのどれかに当てはまるとしたら、「第116条の2第1項第二号に該当する窓その他の開口部を有しない居室」になると思います。

 

排煙設備を設置させない為に無窓の排煙計算をしている

 

もし、無窓の排煙計算がとれなかったら排煙設備が必要になるの?

答えは、NOです。

何故なら、排煙設備が必要になっても、住宅であれば条件を満たせば、排煙の免許規定を適用する事ができます。

法文で確認してみましょう。

 

 

建築基準法施行令第126条の2
(省略)

には、排煙設備を設けなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する建築物又は建築物の部分については、この限りでない。

(一)〜(四)省略

 火災が発生した場合に避難上支障のある高さまで煙又はガスの降下が生じない建築物の部分として、天井の高さ、壁及び天井の仕上げに用いる材料の種類等を考慮して国土交通大臣が定めるもの

⬇︎

 

建設省告示第1436号 火災が発生した場合に避難上支障のある高さまで煙又はガスの降下が生じない建築物の部分を定める件

建築基準法施行令(昭和二十五年政令第三百三十八号)第百二十六条の二第一項第五号の規定に基づき、火災が発生した場合に避難上支障のある高さまで煙又はガスの降下が生 じない建築物の部分を次のように定める。

(省略)

四  次のイからホまでのいずれかに該当する建築物の部分
階数が二以下で、延べ面積が二百平方メートル以下の住宅又は床面積の合計が二百平方メートル以下の長屋の住戸の居室で、当該居室の床面積の二十分の一以上の換気上有効な窓その他の開口部を有するもの

 

つまり、排煙設備が必要になった場合でも、

排煙設備が必要(無窓の排煙計算が確保できない場合)

⬇︎

排煙設備のただし書き 第五号 適用

⬇︎

第五号 の内容である告示1436号の四のイ より

2階 一戸建て住宅 200㎡以下 換気上有効な窓

この4つの条件を揃えれば、排煙免除となる。

 

ちなみに、この換気上有効な窓とは、法第28条第2項の換気の無窓検討の事です。

 

2階 一戸建て住宅 200㎡以下 換気上有効な窓 この4つが揃えば排煙免除される

 

何故、木造2階住宅200㎡以下は排煙計算が不要なのか

排煙計算が4号特例で除かれているからではないのか?

冒頭に説明した通り、審査特例で施行令第126条の2は必ずしも除かれる規定では無いので、審査対象です。

よって、これだけだったら確認申請の設計図書に無窓の排煙計算は必要です。

 

審査特例なのは、むしろ法第28条第2項の換気の無窓検討です。

ここまで説明したら、もうわかりますよね?

 

先ほどの説明で

“2階 一戸建て住宅 200㎡以下 換気上有効な窓(法第28条第2項)”

この条件が揃えば、そもそも排煙設備が不要になります。

 

この中で、換気上有効な窓(法第28条第2項)は4号審査特例になるので

2階 一戸建て住宅 200㎡以下 換気上有効な窓(法第28条第2項)

なんと、この条件だけ確認をすれば、排煙設備は不要になるわけです!!

 

だから、200㎡以下だったら無窓の排煙計算は不要です。

そして、200㎡超だった場合は、この告示に適用させる条件から外れるので、排煙の無窓検討が必要になると言う事です。

 

ただし、確認申請の特例にも種類があり、排煙設備が特例になる事もある

ややこしい話をします。さっきの話でスッキリした方は読み飛ばしても良いのですが、細かいところまで気にする方の為に。念のために。

先ほど排煙設備はそもそも4号の審査特例ではない!という話をしましたが、特例にも種類があります。

ここでは大きく2種類ご説明します。

施行令第10条
三号 4号建築物で、防火地域及び準防火地域以外の区域内における一戸建ての住宅 排煙設備は審査特例(省略できる)
四号 ↑以外4号建築物 排煙設備は審査特例ではない(省略できない)

よって、4号特例でも三号の区分であれば、排煙設備は審査特例なので、200㎡を超えても、図書に表記は不要になります。

 

まとめ:図書には表記不要だが、適合させなくてはならない

いかがでしたか?

一戸建て住宅で無窓の排煙計算が不要な理由、そして200㎡超は排煙計算が必要な理由、わかりましたか?

ここで、注意していただきたいのは、200㎡以下の場合は特例で図書に表記は不要ですが、法適合させなくていいという訳ではないのです。

 

よって、

200㎡以下→無窓の換気検討で排煙設備免除→無窓の換気計算は検討必須

200㎡超え→無窓の排煙計算は検討必須

図書に表記が不要だからといって、気を抜かず、法適合を確認しましょう!

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