単体規定

排煙計算「住宅の200㎡以下」は図書に表記が不要な理由

2階建ての一戸建て住宅の確認申請を出したら、無窓の排煙計算をしろって言われちゃった…。

2階建ての一戸建て住宅って無窓の排煙計算しなきゃいけないんだっけ?

こんなお悩みに対して法的根拠を元に解説していきます。

結論からまとめると、

✔️2階建ての一戸建て住宅であっても、延べ面積が200㎡を超えている場合は無窓の排煙計算が必要

✔️上記に加え、防火地域及び準防火地域内においては、確認申請に無窓の煙計算を添付しなくてはならない(特例が使えないから)

確認申請時に、申請先から突然無窓の排煙計算を求められてびっくりした方もいるのではないでしょうか。

これは、全て法的根拠があります!

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では、早速法文で確認していきましょう。

『無窓の排煙計算』と『普通の排煙計算』の違いがよくわからない方は以下の記事を参考にしてください。

そもそも、無窓の排煙計算はどうして必要なのか?

無窓の排煙計算、つまり施行令第116条の2第1項二号の検討をする目的は

排煙設備を設置しないようにする為です。

こちらの記事では排煙設備の設置基準の解説があります。簡単に言うと、

排煙設備が必要な建築物

以下のいずれか1つに該当する建築物及び建築物の部分

法別表第1(い)欄(1)項から(4)項までに掲げる用途に供する特殊建築物で延べ面積が500m2を超えるもの

階数が3以上で延べ面積が500m2を超える建築物

第116条の2第1項第二号に該当する窓その他の開口部を有しない居室

延べ面積が1,000m2を超える建築物の居室で、その床面積が200m2を超えるもの

その中でも、2階建ての一戸建て住宅で当てはまるとしたら、「第116条の2第1項第二号に該当する窓その他の開口部を有しない居室」です。

排煙設備を設置させない為に無窓の排煙計算をしている。

もし、無窓の排煙計算がとれなかったら排煙設備が必要になるの?

2階建ての一戸建て住宅で無窓の排煙計算をしてNGになったら、排煙設備が必要になるの
答えは、NOです。

何故なら、排煙設備が必要になっても、住宅であれば条件を満たせば、排煙設備の適用除外になるからです。

法文で確認してみましょう。

 

建築基準法施行令第126条の2
(省略)

には、排煙設備を設けなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する建築物又は建築物の部分については、この限りでない。

(一)〜(四)省略

 火災が発生した場合に避難上支障のある高さまで煙又はガスの降下が生じない建築物の部分として、天井の高さ、壁及び天井の仕上げに用いる材料の種類等を考慮して国土交通大臣が定めるもの

 

⬇︎

 

建設省告示第1436号 火災が発生した場合に避難上支障のある高さまで煙又はガスの降下が生じない建築物の部分を定める件

建築基準法施行令(昭和二十五年政令第三百三十八号)第百二十六条の二第一項第五号の規定に基づき、火災が発生した場合に避難上支障のある高さまで煙又はガスの降下が生 じない建築物の部分を次のように定める。

(省略)

四  次のイからホまでのいずれかに該当する建築物の部分
階数が2以下で、延べ面積が200㎡以下の住宅又は床面積の合計が200㎡以下の長屋の住戸の居室で、当該居室の床面積の20分の1以上の換気上有効な窓その他の開口部を有するもの

 

 

つまり、整理すると

無窓の排煙計算が確保できないので、排煙設備が必要

⬇︎

排煙設備のただし書き 第五号 適用

⬇︎

第五号 の内容である告示1436号の四のイ より

以下4つの全ての要件を満たせば、排煙設備不要

①一戸建て住宅

②2階建て

③延べ面積200㎡以下

④換気上有効な窓が設置されていること

ちなみに、この換気上有効な窓とは、法第28条第2項の換気の無窓検討の事です。

一戸建て住宅で無窓の排煙計算がNGになってしまっても、所定の条件を満たせば排煙設備は不要になる

ただし、条件の『200㎡以下』に適合しない場合は、素直に無窓の排煙計算を検討して、クリアさせなくてはならない

なぜ200㎡超の場合、無窓の排煙計算が確認申請に必要になるのか?

やっと本題です。2階建ての一戸建て住宅で200㎡以下の場合、確認申請に無窓の排煙計算が不要です。一方、200㎡を超えた場合は原則として確認申請に無窓の排煙計算が必要になります。

その理由を解説していきます。

排煙設備は4号特例で除かれないのか?

そもそも、排煙設備の法文(令第126条の2)は、確認申請の特例の対象じゃないの?

確かに、2階建ての一戸建て住宅であれば、確認申請の特例が使えます。もし、特例の対象に排煙設備(令第126条の2)があれば、無窓の排煙計算は記載する必要はありません。

しかし、排煙設備(令第126条の2)は原則として特例の対象外です。(後ほど例外を紹介します)

よって、これだけだったら確認申請の図書に『無窓の排煙計算』は必要です。

審査特例なのは、むしろ法第28条第2項の換気の無窓検討です。

鋭い方なら、ここまで説明したらわかりそうですね。告示により、以下の条件が揃えば、排煙設備は不要になります。

2階 一戸建て住宅 200㎡以下 換気上有効な窓(法第28条第2項)

この中で、換気上有効な窓(法第28条第2項)は4号審査特例になるので

2階 一戸建て住宅 200㎡以下 換気上有効な窓(法第28条第2項)

確認申請の特例を使えば、この3つの条件だけ確認をすれば良くなるんです!!

だから、2階建ての一戸建て住宅で、延べ面積が200㎡以下の場合は無窓の排煙計算が確認申請に添付不要になります。しかし、200㎡を超えている場合、告示による免除が使えないので、素直に無窓の排煙計算を添付するしかないのです。(令126条の2は特例対象外なので)

ただし、確認申請の特例にも種類があり、排煙設備が特例になる事もある

排煙設備の法文(令126条の2)原則として、4号特例の対象外で、200㎡超えの場合は無窓の排煙計算は必要と解説しました。

しかし、もう少し突っ込んで整理すると、特例にも2種類あり、1種類の特例が使える場合は排煙設備(令第126条の2)も四号建築物の審査特例が使えます。

施行令第10条 適用条件
三号 4号建築物で、防火地域及び準防火地域以外の区域内における一戸建ての住宅 排煙設備は審査特例(省略できる)
四号 ↑以外4号建築物 排煙設備は審査特例ではない(省略できない)

もし、三号の特例の場合は排煙設備(令第126条の2)は特例対象なので、無窓の排煙計算も不要になります。

よって、延べ面積が200㎡を超えたとしても、防火地域及び準防火地域以外ならば無窓の排煙計算は確認申請に添付不要です。

まとめ:図書には表記不要だが、適合させなくてはならない

だいぶややこしくなったので、まとめます。

✔️2階建ての一戸建て住宅の床面積が

200㎡以下→無窓の換気検討で排煙設備免除→無窓の換気計算は検討及び添付必須

200㎡超え→無窓の排煙計算が検討必須

✔️2階建ての一戸建て住宅の床面積が200㎡を超え防火地域及び準防火地域内だった場合は確認申請に無窓の排煙計算の添付が必要

図書に表記が不要だからといって、気を抜かず、法適合を確認しましょう!

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そぞろ。
このサイトを作成している管理者。建築法規に関わる仕事をしています。難解な建築基準法をわかりやすく、面白く解説して、『実は簡単なんじゃないの?』と勘違いしてもらいたい。