単体規定

【改正後】大規模木造の主要構造部の規制について【木造4階建】

4階建ての大規模木造建物の計画をしているけど、どんな規制があるの?

出来れば、耐火構造じゃなくて準耐火構造で計画したいんだけど、出来るのかな?

こんなお悩みに対して法的根拠を元に解説していきます。

まずは結論を整理すると、

✔️大規模木造建物は『主要構造部』に対しての規制が発生する

✔️大規模木造建物は『高さがある場合』と『面積が大きい場合』の2つの規制がある

✔️やろうと思えば準耐火構造にする事も可能(かなり条件厳しめ)

木造4階建ての建築物も、準耐火構造で作れるようになりましたが、

内容を見てみると、やっぱり厳しそう…

twitter:sozooro

早速、詳細な内容を確認していきましょう。

主要構造部の定義については当サイトでわかりやすく説明しているので、合わせて確認してみてください。

大規模木造建物の主要構造部には2つの規制がある

大規模建築物の定義とは、大きく2つあります。それは、『高さがある建築物』と『面積が大きい建築物』です。今回の解説する大規模木造建物の主要構造部の規制は、どちらの大規模建築物に該当するかによって、規制内容が異なります。

この2つの規制は法文でくっきり分かれています。

法第21条第1項 高さがある建築物
法第21条第2項 面積が大きい建築物

大規模木造建物を計画する時は、高さか面積か、どちらの大規模建築物に該当するかよく見極めて確認する必要があります。

では、この高さと面積の大規模建築物、それぞれの規制内容を確認していきましょう。

高さがある大規模建築物の規制とは?

高さがある大規模建築物となる規模とは?

高さがある建築物、つまり法第21条第1項に該当する建築物とはどの程度の規模なのか、法文が適用になる要件を確認していきましょう。

どんな建築物が規制を受けるか?

以下、2つを満たす建築物

①主要構造部の全部又は一部が木材、プラスチックその他の可燃材料を用いたもの

②以下のいずれかに該当する建築物

◆地上4階建て以上の建築物

◆高さ16m以上の建築物(全ての用途)

◆高さ13m以上の建築物(別表5.6の用途に限る)

※…自重又は積載荷重を支える壁、柱、梁

木造?じゃあ、鉄骨造だったら4階建てとかでも規制を受けないってことね!
うんうん!その通り!

あくまで、主要構造部が木造などの可燃材料だった場合に適用になる制限です。

どんな制限内容か?

通常火災終了時間、火災による建築物の倒壊及び延焼を防止可能な主要構造部

(令第109条の5)

通常火災終了時間ってなに?
通常火災終了時間は、『通常の火災が消火の措置により終了する時間』の事です。

でも、このあたりはぼんやりの認識でも法適合は可能です!

詳細な制限内容は、建築基準法第109条の5に記載がありますが、ここはふわっとでも大丈夫です。

具体的に適合させるには?

具体的にどうすれば適合になるか?

以下のいずれかに該当する建築物

◆主要構造部を75分準耐火構造+αの計画をする(告示第193号第1)

◆主要構造部を耐火構造にする(告示第193号第2)

周囲空地を計画する(法第21条本文ただし書き)

この中で、準耐火構造にする場合は超鬼門です…。残りの2つは計画によっては可能だと思います。

全ては解説できませんが、内容を確認していきましょう。

◆主要構造部を準耐火構造+αの計画をする

内容は、告示第193号第1に記載があります。

告示第193号第1

第一 建築基準法施行令第109条の5第一号に掲げる基準に適合する建築基準法第21条第1項に規定する建築物の主要構造部の構造方法は、次の各号に掲げる建築物の区分に応じ、それぞれ当該各号に定めるもの(次の各号のうち2以上の号に掲げる建築物に該当するときは、当該二以上の号に定める構造方法のうちいずれかの構造方法)とする。

一 次に掲げる基準に適合する建築物 準耐火構造(主要構造部である壁、柱、床、はり及び屋根 の軒裏にあっては、75分間準耐火構造)とすること。

地階を除く階数が4以下であること。

法別表第一欄(五)項又は(六)項に掲げる用途に供するものでないこと。

床面積の合計200平方メートル以内ごとに75分間準耐火構造の床若しくは壁又は七十五分間防火設備で令第112条第18項第一号に規定する構造であるもので区画されていること 。ただし、当該防火設備が常時閉鎖又は作動した状態にあるものである場合にあっては、床面 積の合計500平方メートル以内ごとに区画されていれば足りる。

ハの規定により区画された部分ごとにスプリンクラー設備(水源として、水道の用に供する 水管を連結したものを除く。)、水噴霧消火設備、泡消火設備その他これらに類するもので自 動式のものが設けられていること。

天井(天井のない場合においては、屋根。以下この項及び次項第四号ロ において同じ。) の室内に面する部分(回り縁、窓台その他これらに類する部分を除く。第三号ロにおいて同じ 。)の仕上げが準不燃材料でされていること。

2階以上の階に居室を有するものにあっては、避難階又は地上に通ずる直通階段(傾斜路を 含む。)で次に掲げる基準に適合するものが設けられていること。

(1)令第123条第3項各号(第三号、第十号及び第十二号を除く。)に掲げる基準に適合 していること。

(2)階段室、バルコニー及び付室は、令第123条第3項第六号の開口部、同項第八号の窓 又は の出入口の部分(令第129条の13の3第三項に規定する非常用エレベーターの 乗降ロビーの用に供するバルコニー又は付室にあっては、当該エレベーターの昇降路の出入口の部分を含む。)を除き、次の 又は のいずれかに掲げる壁(防火被覆が設けられてい ないものを除く。)で囲むこと。その全部又は一部に木材を用いた壁で法第21条第1項の規定により令第109条の5 第一号に掲げる基準に適合する建築物とした建築物(通常火災終了時間が2時間以上であ るものに限る。)又は法第27条第1項の規定により令第110条第一号に掲げる基準に 適合する建築物とした建築物(特定避難時間が2時間以上であるものに限る。)の壁(非 耐力壁である外壁にあっては、延焼のおそれのある部分に限る。)の構造方法を用いる構 造のもの令和元年国土交通省告示第194号第2第三項第一号に定める構造の壁(その全部又 は一部に木材を用いたものを除く。) 屋内からバルコニー又は付室に通ずる出入口には75分間防火設備で令第112条第18項第二号に規定する構造であるものを、バルコニー又は付室から階段室に通ずる出入口に は法第2条第九号の二ロに規定する防火設備で令第112条第18項第二号に規定する構造 であるものを設けること。バルコニー又は付室の床面積(バルコニーで床面積がないものにあっては、床部分の面積 。以下この において同じ。)は10平方メートル以上とし、各階におけるバルコニー又は付室の床面積の合計は、当該階に設ける各居室の床面積に100分の3を乗じたものの合計以上とすること。

外壁の開口部(次の(1)から(2) までのいずれにも該当しないものに限る。)の下端の中心点を水平方向に、それぞれ平成二十七年国土交通省告示第255号表一に掲げる式により計算 した水平移動距離又は最大水平移動距離のいずれか短い距離だけ移動したときにできる軌跡上 の各点を、垂直上方に同告示表二に掲げる式により計算した垂直移動距離又は最大垂直移動距 離のいずれか短い距離だけ移動したときにできる軌跡の範囲内の部分である外壁の開口部に法 第二条第九号の二ロに規定する防火設備が設けられていること。

(1)昇降機その他の建築設備の機械室、不燃性の物品を保管する室、便所その他これらに類す る室で、壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを令第百二十八条の五第一項第二号に掲げ る仕上げとしたもの

(2) (1)に設けられたものに規定する室のみに隣接する通路その他防火上支障のない通路に設けられたもの

(3)高さが〇・三メートル以下のもの

(4)開口面積が〇・二平方メートル以内のもの

居室に避難上支障がないよう自動火災報知設備が設けられていること。

廊下その他の避難の用に供する部分に令第百二十六条の三第一項に掲げる基準に適合する排煙設備が設置され、又は当該避難の用に供する部分が外気に有効に開放されていること。

周囲(道に接する部分を除く。次号ロにおいて同じ。)に幅員が三メートル以上の通路(敷地の接する道まで達するものに限る。次号ロにおいて同じ。)が設けられていること。 ル 用途地域が定められている土地の区域内にある建築物であること。

色々買いてありますが、75分準耐火構造にして、さらにイ〜ヌの10つの項目全てに適合する必要があります!
全部!?それってめちゃくちゃ大変じゃないの!

実際、準耐火構造にする事も可能ですが、他も要件も多くかなり厳しいです。だから、個人的には他の方法で適合させた方が良さそうだと思っています。

◆主要構造部を耐火構造にする(告示第193号第2)

準耐火構造と、+αの基準が厳しいので、もう素直に耐火構造にしてもいいかも…
耐火構造にしちゃえば、さっきのややこしい話は無いのよね?
その通り!耐火構造にすれば、それだけで法第21条は適合になります。

最近では、木造でも耐火構造を作る事が出来るようになってきました。だから、素直に耐火構造にしてしまうのも有りだと思います。

主要構造部と耐火構造については、当サイトでも詳しく解説しているので、確認してみてください。

周囲空地を計画する(法第21条本文ただし書き)

準耐火構造+αとか、耐火構造とか…ややこしい!

他になんか方法ないのかしら?ぶっちゃけ、その他構造で作りたいんだけど…

ありますよ!

広大な空地があれば、準耐火構造にも、耐火構造にもする必要が無く、その他構造でも可能!

面積が大きい大規模建築物の規制とは?

面積が大きい大規模建築物となる規模とは?

続けて面積が大きい建築物、つまり法第21条第2項に該当する建築物とはどの程度の規模なのか、法文が適用になる要件を確認していきましょう。

どんな建築物が規制を受けるか?

以下、2つを満たす建築物

①主要構造部の全部又は一部が木材、プラスチックその他の可燃材料を用いたもの

②延べ面積3000㎡を超える建築物

※…自重又は積載荷重を支える壁、柱、梁

先ほどの高さがある建築物と同様、木造建築物などに適用になるので鉄骨造などは不要です。

具体的に適合させるには?

具体的にどうすれば適合になるか?

以下のいずれかに該当する建築物

◆主要構造部を耐火構造にする(法第2条第九号の二イ)

◆建築物を3000㎡以内に区画し、告示の仕様に適用させる(告示第250号)

それぞれの内容を確認していきましょう!

◆主要構造部を耐火構造にする(法第2条第九号の二イ)

また、耐火構造だったら適合!

耐火構造にしてしまえば、とりあえず法第21条は適合になるって事ね!

その通りです!

主要構造部と耐火構造については、当サイトでも詳しく解説しているので、確認してみてください。

◆建築物を3000㎡以内に区画する(告示第250号)

耐火構造にするのって難しいし、

区画するだけなら私はこっちの作戦にしようかな…

その考え方は安易だったりします!

なぜなら、この区画の告示を見てもらえるとわかりますが、要求している内容は区画だけでは無いからです!

実は難しかったりします!

その問題の告示が第250号なのですが、量が膨大なので国土交通省のリンクを貼っておくので確認してみてください。(クリックすると新しい窓で開きます)

まとめ:一番手っ取り早いのは、主要構造部を耐火構造にする事

大規模木造でも、主要構造部を耐火構造以外にする方法が出来た事は事実です。しかし、やはり告示の内容を確認すると、様々な規制が追加でかかるので、素直に主要構造部を耐火構造にした方がいいんじゃないかと思います。

という事で、最後に表にしてまとめておきます。

  高さがある建築物 面積が大きい建築物
適用になる

条件

以下、2つを満たす建築物

①主要構造部の全部又は一部が木材、プラスチックその他の可燃材料を用いたもの

②以下のいずれかに該当する建築物

◆地上4階建て以上の建築物

◆高さ16m以上の建築物(全ての用途)

◆高さ13m以上の建築物(別表5.6の用途に限る)

※…自重又は積載荷重を支える壁、柱、梁

以下、2つを満たす建築物

①主要構造部の全部又は一部が木材、プラスチックその他の可燃材料を用いたもの

②延べ面積3000㎡を超える建築物

※…自重又は積載荷重を支える壁、柱、梁

適合

方法

以下のいずれかに該当する建築物

◆主要構造部を75分準耐火構造+αの計画をする(告示第193号第1)

◆主要構造部を耐火構造にする(告示第193号第2)

周囲空地を計画する(法第21条本文ただし書き)

以下のいずれかに該当する建築物

◆主要構造部を耐火構造にする(法第2条第九号の二イ)

◆建築物を3000㎡以内に区画し、告示の仕様に適用させる(告示第250号)

 

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そぞろ。
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