単体規定

大規模の木造建築物等の外壁等とは?1000㎡以上の落とし穴

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今回は『大規模の木造建築物等の外壁等』についての記事です。

 

あまり見かけないかもしれませんが、実は意外な落とし穴がある法文です。早速確認してみましょう。

書いている人
そぞろ

指定確認検査機関にて、過去に5000件以上の物件の相談や審査業務を行っていた経験を生かし、ブログやSNSで建築法規に関する発信を行っている。
Instagram、X、LINE@などのSNSのフォロワーは延べ4万人以上。 詳しいプロフィールはこちらから
著書:用途と規模で逆引き! 住宅設計のための建築法規/学芸出版社

まずは法文を確認する

 

建築基準法第25条 大規模の木造建築物等の外壁等
延べ面積(同一敷地内に2以上の木造建築物等がある場合においては、その延べ面積の合計)が1000㎡メートルを超える木造建築物等は、その外壁及び軒裏で延焼のおそれのある部分を防火構造とし、その屋根の構造を第22条第1項に規定する構造としなければならない。

 

 

大規模の木造建築物等の外壁等の法文が適用される対象は?

延べ面積同一敷地内に2以上の木造建築物等がある場合においては、その延べ面積の合計が1000㎡メートルを超える木造建築物等

木造建築物等ってなに?
木造建築物等の定義は、法第23条に記載があるので、そちらを確認してみましょう!
木造建築物等とは?

主要構造部床、屋根及び階段を除く。)が木材、プラスチックその他の可燃材料で造られたもの

建築基準法第23条より

ここで、一番大事なポイントがあります。それは、敷地内に2以上の木造建築部等があった場合その延べ面積の合計になるという事です。

失敗しそうな事例で紹介します。たとえば、用途がお寺だったとしましょう。お寺といったら、寺院の他にも庫裏(クリ)なども敷地内にあると思います。(これらの建物は)それぞれの面積が1000㎡であっても、寺院や庫裏などの合計が1000㎡だった場合、今回の法文の適用を受ける事になります。

意外と敷地内の合計の延べ面積となると、見落としがちになりますので注意する必要があります。

 

大規模の木造建築物等の外壁等の法文が適用される内容は?

外壁と軒裏を延焼のライン内のみ防火構造にする事

実はこの条文、法第22条23条とかなり似ています。

大きな違いとしては、軒裏』も防火構造にする必要があるという点です。(法第22条23条には軒裏の規定はありません。)

また、延焼ライン内のみにかかる制限になるので、もちろん延焼ライン外は防火構造にする必要がありません。

 

まとめ:2以上の建物がある場合、合計が1000㎡以上の木造建築物という点に注意

大事な事なので繰り返しになりますが、『敷地内に2以上の木造建築部等があった場合その延べ面積の合計になります。

実はこれと同じような制限があります。それは、令第128条の2の大規模建築物等の敷地内通路についての制限です。

私はいつも2以上の木造建築物の合計が1000㎡超えた時、この2つはセットだと考えています。

以上の木造建築物の合計が1000㎡超えた時の制限

①外壁軒裏の基準(今回の記事)

敷地内通路の基準

ぜひ敷地内通路の基準の記事も読んでみてください。(そちらの方が厳しいくらいです笑)

最後までありがとうございました!

ABOUT ME
そぞろ。
このサイトを作成している管理者。建築法規に関わる仕事をしています。難解な建築基準法をわかりやすく、面白く解説して、『実は簡単なんじゃないの?』と勘違いしてもらいたい。著書『用途と規模で逆引き!住宅設計のための建築法規』

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