建築基準法。

用途変更とは?建築基準法上の手続きについて

用途変更ってなに?手続きは必要なの?手続きがあったとして、消防同意はあるの?検査はするの?

今回の記事ではこんな悩みに法的根拠を元に答えます。

結論としては、

用途変更とは、既存建物の現在の用途を変更する事。

手続きは、変更後の用途が特殊建築物、変更面積が200㎡を超えると確認申請が必要。(消防同意も必要)

完了検査は、不要(ただし、届出は必要)

では、早速いってみましょう!

用途変更は、建築基準法の中でもかなり特殊な存在です。今回は用途変更について掘り下げてみましょう!

この記事を読んでわかる事

✔︎用途変更の定義
✔︎確認申請が必要なケースと不要なケース
✔︎通常の確認申請完了検査の手続きとの相違点

用途変更とは?どんな変更?

用途変更とは、既存建築物の用途を別の用途に変更する事

例えば、新築時の確認申請を取った時の主要用途が『一戸建て住宅』だったとしましょう。これを、後から『保育園』に変更したい!となる事もあると思います。

この場合、用途変更するという事になります。読んでそのまま、用途を変えるものは全て用途変更です。

ただし、確認申請が必要なのかどうか?は別の話!更に掘り下げていきましょう!

用途変更は確認申請が必要?

用途変更は原則は確認申請不要。ただし、手続きが必要になるケースもある

法第87条第1項より、用途を変更するだけなのに新築や増築と同様、確認申請を再度提出しなければいけないケースがあります。

それは、以下の要件に当てはまる場合です。

用途変更が必要な要件

以下の全てに当てはまる事
①用途変更する面積が200m2以上である事
用途変更の用途が『特殊建築物』になる事※類似の用途を除く

特殊建築物については以下の記事で解説してますので参考にしてください。

例えば、『500㎡の店舗→事務所』に変更する事は用途変更必要でしょうか?これは、不要です。理由は、変更後の用途(事務所)が特殊建築物では無いからです。

一方、『250㎡の共同住宅→店舗』に変更する場合はどうでしょうか?これは、用途変更が必要です。

あくまで、『変更後の用途』が特殊建築物なのかどうか?という判断が大切です。

類似の用途は用途変更は不要になる

ところで、※類似の用途を除くって書いてあるけど、これはどういう事?
類似の用途は規制を受ける法文が似てるから、わざわざ確認申請を出さなくてokなの!

そもそも用途変更ってどうして必要だと思いますか?それは、建築基準法は用途によって受ける規制が異なる法文が多くあり、そういった規制の確認を行う為です。例えば、『倉庫→飲食店』に用途変更するとしましょう。倉庫は、場合によりますが用途的に避難規定の法文がほぼ全部かかりません。(人が常時いるような用途じゃないですからね)だから、全く違う用途から変更する場合、用途変更した後に飲食店の利用者がちゃんと避難できるように、避難規定に適合するような計画になってるか再度法文を確認しなくてはなりません。

しかし、『ホテル→旅館』ならどうでしょうか?この2つ、建築基準法などの規制内容が非常に似ています。だから、わざわざ規制を確認し直す必要も特に無いという事です。だから、規制が似ている類似の用途間では用途変更は不要という事になっています。

その、類似の用途は建築基準法施行令第137条の18にて定められています。

用途変更が不要な類似用途

◆劇場、映画館、演芸場
◆公会堂、集会場
◆診療所(患者の収容施設があるものに限る。)、児童福祉施設等※1
◆ホテル、旅館
◆下宿、寄宿舎
◆博物館、美術館、図書館※1
◆体育館、ボーリング場、スケート場、水泳場、スキー場、ゴルフ練習場、バッティング練習場※2
◆百貨店、マーケット、その他の物品販売業を営む店舗
◆キャバレー、カフェー、ナイトクラブ、バー※3
◆待合、料理店
◆映画スタジオ、テレビスタジオ
※1第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域若しくは田園住居地域内にある場合を除く
※2第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域若しくは工業専用地域内にある場合を除く
※3準住居地域若しくは近隣商業地域内にある場合を除く

注意して頂きたいのは、の部分。類似の用途ならすべて用途変更が不要と勘違いされている方が多いですが、それは間違っています。一部用途地域の場合、類似の用途であっても確認申請が必要です。(これは令第137条の18の本文に記載があります)見通しやすいところですが、しっかりチェックしておきましょう。


法第八十七条第一項の規定により政令で指定する類似の用途は、当該建築物が次の各号のいずれかに掲げる用途である場合において、それぞれ当該各号に掲げる他の用途とする。ただし、第三号若しくは第六号に掲げる用途に供する建築物が第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域若しくは田園住居地域内にある場合、第七号に掲げる用途に供する建築物が第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域若しくは工業専用地域内にある場合又は第九号に掲げる用途に供する建築物が準住居地域若しくは近隣商業地域内にある場合については、この限りでない。
一 劇場、映画館、演芸場
二 公会堂、集会場
三 診療所(患者の収容施設があるものに限る。)、児童福祉施設等
四 ホテル、旅館
五 下宿、寄宿舎
六 博物館、美術館、図書館
七 体育館、ボーリング場、スケート場、水泳場、スキー場、ゴルフ練習場、バッティング練習場
八 百貨店、マーケット、その他の物品販売業を営む店舗
九 キャバレー、カフェー、ナイトクラブ、バー
十 待合、料理店
十一 映画スタジオ、テレビスタジオ

通常の確認申請完了検査との相違点

用途変更の確認申請の特徴

消防同意は必要
完了検査は法的には不要。ただし、届出は必要

まず、消防同意についてです。消防同意は通常の確認申請と同様、必要になります。というか、確認申請は通常の確認申請と一切変わりません。(だから、もちろん消防同意も必要です)根拠は、法第87条第1項本文です。

建築物の用途を変更して第六条第一項第一号の特殊建築物のいずれかとする場合(当該用途の変更が政令で指定する類似の用途相互間におけるものである場合を除く。)においては、同条(第三項、第五項及び第六項を除く。)、第六条の二(第三項を除く。)、第六条の四(第一項第一号及び第二号の建築物に係る部分に限る。)、第七条第一項並びに第十八条第一項から第三項まで及び第十四項から第十六項までの規定を準用するこの場合において、第七条第一項中「建築主事の検査を申請しなければならない」とあるのは、「建築主事に届け出なければならない」と読み替えるものとする。

建築基準法第87条第1項より

ここで、準用するとありますね。準用するとは、本来の対象ではないけれども似ている対象に条文を当てはめることをいいます。だから、確認申請は通常通りかかりそうです。(確認申請の法文は法第6条第1項)

一方、大きな違いが出るのは完了検査です。先程の法文より、『この場合において、第七条第一項中「建築主事の検査を申請しなければならない」とあるのは、「建築主事に届け出なければならない」と読み替えるものとする。』という表現がありました。要は、完了検査の代わりに届出が必要という事です。(ただし、稀に行政が任意検査をする場合もあるようです。)

まとめ:用途変更は特殊な扱いを受ける

用途変更は、建物の用途を変更するだけなので、一般的には確認申請が不要ですが、一部は確認申請が必要になります。

用途変更が必要な要件

以下の全てに当てはまる事
①用途変更する面積が200m2以上である事
②用途変更後の用途が『特殊建築物』になる事※類似の用途を除く

又、確認申請が必要になった場合、異なる点があるのでしっかり押さえておきましょう。

用途変更の確認申請の特徴

①消防同意は必要
②完了検査は法的には不要。ただし、届出は必要

最後までありがとうございました!

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そぞろ。
このサイトを作成している管理者。建築士。建築法規に関わる仕事をしています。難解で堅苦しい建築基準法を、面白くわかりやすく伝えていきます!