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階段の寸法|基準や踏面、理想的な蹴上について

本記事は、2026年現在、施行中の最新の建築基準法・関係法令に基づいて解説しています。
※当該規定に関して2026年時点で改正がない場合も、現行法令を前提としています。

元・指定確認検査機関員(審査実績5,000件超)、著書2冊(累計2万部)、日経アーキテクチャー「著者に聞く」掲載
実務者目線で建築法規を解説しています
[▶︎筆者プロフィール(経歴・実績)]
階段の寸法(幅員・蹴上・踏面)は、建築物の用途・規模・階段の構造によって異なる。全部で6種類の区分があり、「居室面積200㎡超」「地下100㎡超」「住宅の共用か専用か」「屋外直通階段の緩和」など、見落としやすいポイントが多い。
この記事でわかること
- 階段の寸法(幅員・蹴上・踏面・踊場)の6区分の一覧
- 2階以上の居室が200㎡超で寸法規制が強化される点(用途無関係)
- 地下・地下工作物は居室100㎡超で規制強化(200㎡ではない)
- 住宅の階段は緩和あり、ただし共同住宅の共用階段は対象外
- 屋外直通階段の幅の緩和(90㎝以上)はあくまで「緩和」であって強化ではない
- 点昇降機機械室用・物見塔用など特殊用途の階段は寸法規定はなし
そぞろ階段の寸法は、建築物の計画に大きな影響を与える重要な要素です。
今回の記事では、必要となる階段の寸法について、わかりやすく解説します
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各種階段の寸法まとめ
建築基準法では、階段の寸法は以下のように定められている
| 階段の種類 | 階段および踊場の幅(㎝) | 蹴上(㎝) | 踏面(㎝) | 踊場位置(㎝) | ||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 小学校の児童用 | 140以上 | 16以下 | 26以上 | 高さ3m以内ごと※ | |
| 2 | 中学校、高等学校、中等教育学校の生徒用 | 140以上 | 18以下 | 26以上 | ||
| 劇場、映画館、公会堂、集会場等の客用 | ||||||
| 物販店舗(物品加工修理業を含む。) で床面積の合計が1,500㎡を超えるものの客用 | ||||||
| 3 | 直上階の居室の床面積の合計が200㎡を超える地上階用のもの | 120以上 | 20以下 | 24以上 | 高さ4m以内ごと※ | |
| 居室の床面積の合計が100㎡を超える地階、地下工作物内のもの | ||||||
| 4 | 1~3以外および住宅以外の階段 | 75以上 | 22以下 | 21以上 | ||
| 5 | 住宅(共同住宅の共用階段を除く。) | 75以上 | 23以下 | 15以上 | ||
| 6 | 屋外階段 | 直通階段(令第120条、第121条) | 階段の幅のみ90以上 | 踊場の幅、けあげ、踏面、踊場の位置はそれぞれ1~5の数値による。 (4、5の場合は屋外階段でも75cm以上で可) | ||
| その他の階段 | 階段の幅のみ60以上 | |||||
| ◆回り階段の部分における踏面の寸法は、踏面の狭い方の端から30cmの位置において測るものとする。◆階段及びその踊場に手すり及び階段の昇降を安全に行うための設備でその高さが50cm以下のもの(以下この項において「手すり等」という。)が設けられた場合における第1項の階段及びその踊場の幅は、手すり等の幅が10cmを限度として、ないものとみなして算定する。 ◆昇降機機械室用階段、物見塔用階段その他特殊の用途に専用する階段には、適用しない。 ※直階段の踊場の踏幅120cm以上とする。 | ||||||
その他、建築基準法には階段手すりの基準もあります。そちらについては別の記事で詳細に解説しているので確認して見てください。

階段の寸法で規制される『幅』『蹴上』『踏面』とは?
階段の寸法で規制されるのは以下の3点
- 階段幅・踊り場の幅
- 蹴上
- 踏面


それぞれの寸法の定義について、詳しく解説していきましょう!
階段・踊り場の幅とは
段幅とは、階段部分の幅のこと
手すり部分については、出っ張り部分の10㎝まではないものとみなすことができる

蹴上とは
蹴上とは、階段1段ぶんの高さのこと

踏面とは
踏面とは、踏み板の上面の奥行のこと

階段の寸法の基準で見落としがちなポイントのチェック
建築基準法で記載があるのは以上になりますが、他にも見落としがちなポイントを『6点』補足したいと思います。
用途関係無く、2階以上の居室の面積が200㎡超は規制が強化
用途に関係なく、2階以上の居室の面積の合計が200㎡超えの階があると、規制がかなり強化されます。要するに、ここが規制範囲の分かれ実となるので、非常に重要になってきます。
| (3) | 階段および踊場の幅(㎝) | 蹴上(㎝) | 踏面(㎝) |
| 直上階の居室の床面積の合計が200㎡を超える地上階用のもの | 120以上 | 20以下 | 24以上 |

でも、結構大規模じゃないと規制強化されないです!
ポイントは、あくまでも『居室』の面積で判断されるから!
居室の床面積が200超えとなると、結構大規模な建築物です。よく、単なる床面積の勘違いされるので、注意しましょう。

そして、用途が関係無く規制が強化されるという点もしっかり抑えておきましょう。例えば、事務所などの特殊建築物でない用途でも、居室の面積が200㎡を超えるといきなり階段の規制が厳しくなりますので注意してください。
用途関係無く、地下の居室が100㎡超は規制強化
地階になったら強化されるのは200㎡ではありません。居室の面積が100㎡超です。
| (3) | 階段および踊場の幅(㎝) | 蹴上(㎝) | 踏面(㎝) |
| 居室の床面積の合計が100㎡を超える地階、地下工作物内のもの | 120以上 | 20以下 | 24以上 |
最初にご紹介したものは、2階以上の場合でしたが、地下の場合は200㎡→100㎡に強化されます。居室が200㎡超はそこそこ大きい規模の建築物でない限りは発生しないと思いますが、居室が100㎡超は結構コロっと超える事があります。

地階を設ける場合は階段の寸法、要チェックです。
住宅だけ特別扱いで緩和されるが、共同住宅の階段は除く
住宅の階段は、蹴上踏面の規定が緩くなっています。具体的に、住宅の階段は以下のようなものが想定されます。
住宅の階段
- 一戸建て住宅の階段
- 長屋の階段
- 共同住宅のメゾネットタイプの住戸内の階段
あくまで、住戸内の階段のみなので、共同住宅の共用階段は表(4)の寸法となります。
一戸建て住宅と同じ寸法で計画してはいけませんのでご注意ください。
| (4)(5) | 階段および踊場の幅(㎝) | 蹴上(㎝) | 踏面(㎝) |
| 住宅(共同住宅の共用階段を除く。) | 75以上 | 23以下 | 15以上 |
| 共同住宅の共用階段 | 75以上 | 22以下 | 21以上 |
直通階段かつ屋外階段だったら幅90㎝以上必要という訳では無い
さて、この表(6)を見ると、直通階段+屋外階段だと幅が90㎝になっています。
ここで抑えておきたいのは、この(6)ってあくまで『緩和』なんです。屋外階段は緩和できますよという緩和規定なんです。

だから、わざわざ幅が75㎝でよかったものを90㎝に要求を強化するものではありません!
勘違いしやすいポイントですね!
つまり、(1)〜(3)に該当する階段の時に、幅が140㎝(120㎝)のところ、屋外階段であれば90㎝に緩和できるというものです。

特殊の用途に専用する階段はそもそも寸法の規定が無い
昇降機機械室用階段、物見塔用階段その他特殊の用途に専用する階段は、そもそも寸法の規定は一切ありません。
なんでもokという事ですね。
その他特殊な用途に専用する階段とは、結構広い解釈ができそうなので、例えば点検用の階段とか、そういったもので階段の寸法の確保が厳しい部分はこの条文で検討してみてもいいかもしれません。
ただし、例外の規定もあります。令129条の9第五号により、『機械室に通ずる階段』については、個別の規定が設けられています。
具体的には、けあげは23㎝以下、踏面が15㎝以上です。そして、手すりの設置も必要です。代わりにこちらの規定がかかることは覚えておきましょう。
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まとめ
- 階段の寸法は用途・規模・構造の3軸で決まる
- 地上:2階以上の居室200㎡超→幅120㎝以上・蹴上20㎝以下・踏面24㎝以上
- 地下:居室100㎡超→同上(200㎡ではなく100㎡が閾値)
- 住宅の緩和は住戸内のみ。共同住宅の共用階段は一般基準(表4)適用
- 屋外直通階段の90㎝は緩和。表1〜3該当時のみ意味を持つ
- 特殊用途専用階段(昇降機機械室等)は寸法規定なし




