階段には手すりが必要
というのは建築基準法で定めがあります。
しかし、実は手すりの高さについて建築基準法で定めは無いという事をご存知ですか?
実は手すりの高さは建築基準法で明確な決まりはありません。
建築基準法で定めはありませんが、性能評価の基準より、推奨している数値はあります。
今回はそんな階段の手すりの基準についてまとめてみました。
建築基準法上、階段には手すり+両側に側壁or手すり
ますは法文で確認してみる
建築基準法施行令第25条 階段等の手すり等 階段には、手すりを設けなければならない。 2 階段及びその踊場の両側(手すりが設けられた側を除く。)には、側壁又はこれに代わるものを設けなければならない。
3 階段の幅が3mをこえる場合においては、中間に手すりを設けなければならない。ただし、けあげが15cm以下で、かつ、踏面が30cm以上のものにあつては、この限りでない。
4 前3項の規定は、高さ1m以下の階段の部分には、適用しない。
要点をまとめると
ポイントは3(+1)です。
①階段には片側に手すりを設ける事
②階段の両側に側壁か手すりを設ける事
③高さ1m以内の部分には手すりも側壁も不要
(④幅は3mを超える場合は中間に手すりを設ける事)
④については階段の幅が3mを超えるってなかなか無いよなぁと思っているので()書きとさせていただきました。
この中で、①と②は比較的わかりやすいと思います。
③は少しわかりづらいと思ったので、絵を書いてみました。

このように、下の床から1mの部分は手すりや側壁不要です。
法の趣旨としては『落下防止』もあると思いますが、この位置からだったら落下しても安全という事でしょうね。
この1m以内は不要というのを利用しておしゃれな階段を作る事も出来そうですね。
手すりの高さは建築基準法に定めは無い
知ってるんだから、大体750mmくらいだって!
建築基準法に手すりの高さの記載はありませんから。
建築基準法に手すりの高さは決まっていません。
750mmとかは一般的にそれくらいがいいんじゃ無いの?っていう推奨寸法。
建築基準法のどこにも記載は無いはずです。
決めっていないということは『設計者の判断』になります。
ただ、常識的に使いやすい寸法にする必要があります。
常識から外れているものはさすがに認められいません。
そこで、参考にできるのは『高齢者等配慮対策等級』の基準寸法です。
『高齢者等配慮対策等級』
踏面の先端からの高さが 700mm から 900mm の位置に設けられていること。
実際に高齢者等配慮等級を取得する場合は、両側に必要になったり片側だけでもokだったりしますが、
こちらの数値を根拠に手すりの高さを設定するのは間違いが無さそうですよね。
まとめ:法の趣旨を理解して、適切な手すり計画を
先ほどの手すりの高さの話にもありましたが、
手すりの設置方法や高さについて建築基準法では定めはありません。
よって、設計者が常識の範囲内で計画をしてもokという事です。
手すりの法文の趣旨をよく理解し、常識な設計を考える事が大切です。
こちらの条文の趣旨は主に『落下防止』です。
おさらいになりますが、もう一度基準を確認してみましょう。
①階段には片側に手すりを設ける事 →階段を登降時に転倒を防止する為
②階段の両側に側壁か手すりを設ける事 →落下防止の為
③高さ1m以内の部分には手すりも側壁も不要 →万が一落下しても危険では無い為
(④幅は3mを超える場合は中間に手すりを設ける事)→あまり広い階段だと手すりに掴まる事が出来ない為
以上を理解し、適切な手すりの計画をしましょう!
最後までありがとうございました。