一般構造

【階段手すり】建築基準法で設置が必要な高さの基準について

PR

階段には、手すりの設置が必要

必要な場合、どんな手すりを設置すればいいの?

階段に設ける手すりの高さは決まっている?

こんなお悩みに、答えます!

まずは結論から…

建築基準法の規制により、階段には、原則として手すりが必要

手すりの基準は、下記3つ(幅3mの階段においては4つ)を満たす事

①階段には片側に手すりを設ける事

②階段の両側に側壁か手すりを設ける事

高さ1m以内の部分には手すりも側壁も不要

(④幅は3mを超える場合は中間に手すりを設ける事)

階段の手すりの高さは法的には定められていない

建築物の階段には、手すりが必要です!今回の記事では、どんな手すりが必要なのか、わかりやすく解説していきます(sozooro

書いている人
そぞろ

指定確認検査機関にて、過去に5000件以上の物件の相談や審査業務を行っていた経験を生かし、ブログやSNSで建築法規に関する発信を行っている。
Instagram、X、LINE@などのSNSのフォロワーは延べ4万人以上。 詳しいプロフィールはこちらから
著書:用途と規模で逆引き! 住宅設計のための建築法規/学芸出版社

建築基準法で手すりの設置義務はあるか?

令23条により、階段の手すりについての設置義務がある

建築基準法により、建築物の階段には、手すりについての規定が定められています。

階段からの落下防止の観点から、手すりが設置になります!

なお、同じ手すりの規制で、バルコニーの手すりに関する規定もあります。合わせて、確認してみてください。

また、その他階段の寸法については、下記の記事を確認してみてください。

手すりの設置基準とは?

手すりを計画する場合、4つ全てに適合させること

  1. 階段には片側に手すりを設ける事
  2. 階段の両側に側壁か手すりを設ける事
  3. 高さ1m以内の部分には手すりも側壁も不要
  4. 幅は3mを超える場合は中間に手すりを設ける事
幅3m未満の階段の場合は、上3つだけ。思ったよりも少ないですね!

この中で、①と②は比較的わかりやすいと思います。

③は少しわかりづらいと思ったので、絵を書いてみました。

このように、下の床から1mの部分は手すりや側壁不要です。

法の趣旨としては『落下防止』もあると思いますが、この位置からだったら落下しても安全という事でしょうね。

この1m以内は不要というのを利用しておしゃれな階段を作る事も出来そうですね。

手すりの高さは建築基準法に定めは無い

階段の手すりの高さは、建築基準法で定められているの?
いえ!決まっていません!

建築基準法に手すりの高さは決まっていません。

750mmなど言われていますが、一般的にそれくらいがいいんじゃ無いの?っていう推奨寸法。建築基準法には記載されていない内容です。

 

決めっていないということは『設計者の判断』になります。

ただ、常識的に使いやすい寸法にする必要があります。常識から外れているものはさすがに認められいません。

 

そこで、参考にできるのは『高齢者等配慮対策等級』の基準寸法です。

『高齢者等配慮対策等級』

踏面の先端からの高さが 700mm から 900mm の位置に設けられていること。

実際に高齢者等配慮等級を取得する場合は、両側に必要になったり片側だけでもokだったりしますが、

こちらの数値を根拠に手すりの高さを設定するのは間違いが無さそうですよね。

建築基準法で『階段の手すりの高さ』を確認する

最後に、手すりの高さの法文である、建築基準法施行令25条を確認してみましょう!
建築基準法施行令25条
階段には、手すりを設けなければならない。
2 階段及びその踊場の両側(手すりが設けられた側を除く。)には、側壁又はこれに代わるものを設けなければならない。
3 階段の幅が三メートルをこえる場合においては、中間に手すりを設けなければならない。ただし、けあげが十五センチメートル以下で、かつ、踏面が三十センチメートル以上のものにあつては、この限りでない。
4 前三項の規定は、高さ一メートル以下の階段の部分には、適用しない。

まとめ:法の趣旨を理解して、適切な手すり計画を

先ほどの手すりの高さの話にもありましたが、

手すりの設置方法や高さについて建築基準法では定めはありません。

よって、設計者が常識の範囲内で計画をしてもokという事です。

手すりの法文の趣旨をよく理解し、常識な設計を考える事が大切です。

 

こちらの条文の趣旨は主に『落下防止』です。

おさらいになりますが、もう一度基準を確認してみましょう。

①階段には片側に手すりを設ける事 →階段を登降時に転倒を防止する為

②階段の両側に側壁か手すりを設ける事 →落下防止の為

高さ1m以内の部分には手すりも側壁も不要 →万が一落下しても危険では無い為

(④幅は3mを超える場合は中間に手すりを設ける事)→あまり広い階段だと手すりに掴まる事が出来ない為

以上を理解し、適切な手すりの計画をしましょう!

最後までありがとうございました。

ABOUT ME
そぞろ。
このサイトを作成している管理者。建築法規に関わる仕事をしています。難解な建築基準法をわかりやすく、面白く解説して、『実は簡単なんじゃないの?』と勘違いしてもらいたい。著書『用途と規模で逆引き!住宅設計のための建築法規』

PR