特殊建築物とは?用語の定義について【建築基準法第2条第二号】

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本記事は、2026年現在、施行中の最新の建築基準法・関係法令に基づいて解説しています。
※当該規定に関して2026年時点で改正がない場合も、現行法令を前提としています。

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結論(まずはここだけ)

特殊建築物とは「不特定多数が利用する用途」や「火災の危険性が高い建築物」のこと(法2条二号)。ただし実際の判断は、法2条二号・別表第一・令115条の3の3つを合わせて確認する必要がある。分類(1)〜(6)によって、耐火建築物化義務(法27条)・避難規定(法35条)・内装制限(法35条の2)の適用範囲が変わる。

この記事でわかること

  • 特殊建築物の定義(法2条二号)と、判断に必要な3つの法文(法2条・別表第一・令115条の3)
  • 特殊建築物とみなされる用途の分類(1)〜(6)一覧とその指定理由
  • 事務所・工場が特殊建築物に該当するかどうか(意外な落とし穴)
  • 分類ごとに変わる建築基準法の規制(耐火建築物化・避難規定・内装制限)の適用範囲
そぞろ

この記事を読めば、特殊建築物のことについて詳しくなれますよ!ぜひ最後まで見てみてください!

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『特殊建築物』とは?

特殊建築物とは、『不特定かつ多数の者が利用する用途』や『火災の危険性等が高い建築物』のこと

建築基準法上、特殊建築物の用語の定義は建築基準法第2条第二号に定義されています。

建築基準法2条二号

特殊建築物 学校(専修学校及び各種学校を含む。以下同様とする。)、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、市場、ダンスホール、遊技場、公衆浴場、旅館、共同住宅、寄宿舎、下宿、工場、倉庫、自動車車庫、危険物の貯蔵場、と畜場、火葬場、汚物処理場その他これらに類する用途に供する建築物をいう。

しかし、こちらに記載されている特殊建築物は一般的な定義に過ぎないので、実際の所は『建築基準法別表第一』と『建築基準法施行令第115条の3』を合わせて3つの法文から確認する事になります。

そして、特殊建築物は単に不特定多数の方が利用するからだけでなく、火災の危険性が高い建築物など、その指定理由によって分類があります。

どうして指定の分類をしているの?

それは、この分類によって、適用される建築基準法の規制が異なるからです!後ほど詳しく解説します!

特殊建築物とみなされる用途の『一覧』

区分用途
(1)不特定・多数(集中)

施行令…未制定

劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂、集会場
(2)宿泊・就寝
施行令条115条の3第一号
病院、診療所(患者の収容施設があるものに限る。)、ホテル、旅館、下宿、共同住宅、寄宿舎

児童福祉施設等

(3)特定・多

施行令条115条の3第二号

学校、体育館

博物館、美術館、図書館、ボーリング場、スキー場、スケート場、水泳場又はスポーツの練習場

(4)不特定・多数

施行令条115条の3第三号

百貨店、マーケット、展示場、キャバレー、カフェー、ナイトクラブ、バー、ダンスホール、遊技場

公衆浴場、待合、料理店、飲食店又は物品販売業を営む店舗(床面積が10m2以内のものを除く。

(5)火災荷重大
施行令…未制定
倉庫
(6)火災危険大

施行令条115条の3第四号

自動車車庫、自動車修理工場

映画スタジオ又はテレビスタジオ

Q.『事務所』は特殊建築物か?

事務所は特殊建築物か?

事務所はどんなに大規模だとしても、特殊建築物にならない

よくある疑問として、事務所が特殊建築物かどうかというのがありますが、事務所は特殊建築物ではありません。

Q.『工場』は特殊建築物か?

工場は特殊建築物か?

工場は『特殊建築物』である(ただし、別表第1の用途には含まれていない

工場は、原則として特殊建築物です。その理由は、特殊建築物の定義である『建築基準法第2条』の中に工場と記載があるからです。

ただ、ややこしいことに、
工場は別表第1には含まれていないんです!

別表第1に含まれていないと、特殊建築物だからといって、特別に建築基準法が厳しくなるわけではありません。こういった、『特殊建築物じゃないけど、別表第1に含まれていない建築物』というのは、条例で極端に厳しくなる可能性があるので、念の為に注意が必要となります。

特殊建築物の分類による『建築基準法の規制』の違い

特殊建築物の種類によって、主として下記の規定が強化される

耐火建築物等とすべき特殊建築物(法27条)別表(1)〜(6)
避難規定(法35条)別表(1)〜(4)
内装制限(法35条の2)別表(1)(2)(4)

それぞれ、具体的にどんな規制内容か、解説していきます。

耐火建築物等とすべき特殊建築物(法27条)

別表(1)〜(6)の特殊建築物で、所定の規模を超える場合、建築物を耐火建築物や準耐火建築物としなくてはならない

所定の規模については、用途によって細かく規定されています。詳しくは、下記の記事で確認をしてください。

建築基準法27条(耐火建築物等とすべき特殊建築物)の解説

避難規定(法35条)

別表(1)〜(4)の特殊建築物は、避難規定が適用される

避難規定は別表(1)〜(4)の用途しか規制されない事になっています。つまり、人が利用用途という事ですね。別表(5)(6)は人の利用はあまり考えづらいので、避難規定の規制は受けない事になっています。

避難規定は、多くの規定があります。下記の記事で確認してください。

内装制限(法35条の2)

別表(1)(2)(4)の特殊建築物で、所定の規模を超える場合、内装制限が適用される

特殊建築物の中でも、所定の規模を超える場合、内装制限が適用されます。

ただし、対象となっているのは、別表(1)(2)(4)のみです。詳しい規模や規制内容については、下記の記事で確認してください。

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まとめ

  • 特殊建築物=不特定多数利用or火災危険性が高い用途、法2条二号で定義
  • 実務判断は法2条二号+別表第一+令115条の3の3法文セットで確認
  • 事務所は特殊建築物に該当しない、工場は該当するが別表第一には含まれない
  • 別表(1)〜(6)の分類ごとに耐火建築物化義務(法27条)・避難規定(法35条・別表1〜4のみ)・内装制限(法35条の2・別表1,2,4のみ)の適用が変わる

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この記事を書いた人

そぞろのアバター そぞろ 建築法規作家

元・指定確認検査機関員
5,000件超の審査実績。著書2冊(学芸出版社)は累計1.9万部、SNSフォロワー4万人超。実務者目線で建築法規を解説。