それってどんな建築物?
こんなお悩みに、答えます!
まずは結論から…
建築物も存在します!(ただし、かなりレアケース)
建築基準法の適用を受けないその建築物は、ざっくり言うと以下の建築物です。
- 文化財保護法等の規制により保護されている建築物
- 既存不適格建築物
- そもそも建築基準法上の建築物の定義に該当しない建物
今回の記事では、わかりやすく実例を交えて解説していきます!(sozooro)
書いている人 |
指定確認検査機関にて、過去に5000件以上の物件の相談や審査業務を行っていた経験を生かし、ブログやSNSで建築法規に関する発信を行っている。 Instagram、X、LINE@などのSNSのフォロワーは延べ4万人以上。 詳しいプロフィールはこちらから 著書:用途と規模で逆引き! 住宅設計のための建築法規/学芸出版社 |
建築基準法における『適用の除外』とは?
建築基準法の適用の除外の対象となった場合、その名の通り全ての建築基準法の適用を受けなくなります。言葉を選ばずに言えば、建築基準法を無視した建築物を建てることができるということです。
適用除外の建築物は、訳ありの建築物ばかりなので、建築基準法の適用を受けなくてもやむを得ないということになるかと思います。詳しく確認していきましょう。
適用除外できる建築物とは?
建築基準法の適用除外の建築物
- 文化財保護法等の規制により保護されている建築物
- 既存不適格建築物
- 建築基準法上の建築物の定義に該当しない建物
文化財保護法等の規制により保護されている建築物
- 国宝、重要文化財、重要有形民俗文化財、特別史跡名勝天然記念物、史跡名勝天然記念物として指定されている建築物
- 重要美術品等として認定された建築物
- 文化財保護法の条例その他の条例の定める現状変更の規制及び保存のための措置が講じられている建築物で、特定行政庁が建築審査会の同意を得て指定したもの
- 国宝等、重要美術品等の建築物又は保存建築物の原形を再現する建築物で、特定行政庁が建築審査会の同意を得てその原形の再現がやむを得ないと認めたもの
大きな違いとしては、上から2つの国宝や重要美術品は、許可などが無くとも、建築基準法の適用を受けません。
しかし、それ以外の文化財保護法や再現された建築物は、特定行政庁の許可が必要だったり、建築審査会の同意が必要だったりします。
既存不適格建築物
既存不適格建築物とは…
建築時点の法令では適法だったものの、その後に法令などの改正があり、現時点で適用される法令においては不適格な部分が生じた建築物
現存する建築物のうち、建築基準法は、法改正します。そして、法改正によって現行の建築基準法の規制に適合しなくなることもあるでしょう。
改正がある度に、現場の工事をして、現行の建築基準法に適用させることは、かなり難しいですよね。そして、法改正の対応もしにくくなります。
だから、既存不適格建築物は、現行法の建築基準法に適合しなくても良いことになっていまs。
詳しくは、以下の記事で解説していますので確認してください。
建築基準法上の建築物の定義に該当しない建物
建築基準法の建築物に該当しない以下の建築物の場合は、建築基準法の適用を受けない
- 所定の条件を満たした『倉庫・物置』
- 建築物に付属していない『塀』
建築基準法の適用を受けるのは、『建築物』のみです。
だから、そもそも建築物に該当しない建築物は、建築基準法の適用を受けません。
建築物に該当しない倉庫・物置とは…
奥行きが1m以内のもの又は高さが1.4m以下のものは、建築物に該当しない。
土地に自立して設置する小規模な倉庫(物置等を含)のうち、建築確認のための基準総則・集団規定の適用事例2017年度版 より
ただし、これは一般的な話であり、行政によってはこれ以外に条件を設けていることもありますので、よく確認するようにしましょう。
建築物の定義については、以下の記事を確認してください。
法文で確認する【建築基準法3条】
建築基準法では、適用の除外の建築物は『建築基準法3条』に記載されています。
建築基準法第3条
この法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定は、次の各号のいずれかに該当する建築物については、適用しない。
まとめ
✔️建築基準法には、建築基準法の適用を受けない建築物も存在する
✔️以下の建築物は、建築基準法の適用を受けない
- 文化財保護法等の規制により保護されている建築物
- 既存不適格建築物
- 建築基準法上の建築物の定義に該当しない建物