天空率は、どうやって計算をしたらいいの?
天空率を検討したんだけど、おすすめのフリーソフトはある?
こんなお悩みに、答えます!
まずは結論から…
所定の計算を行うことで、下記3つの規制を適用除外することが可能
天空率とは、- 道路斜線制限
- 隣地斜線制限
- 北側斜線制限
『斜線制限でできた建築物』と『実際の建築物』の空の比較すること
天空率の計算方法は、ざっくり言うと、JW-CAD』がメジャー。ただし、天空率を理解していないと使いこなせない上級者向けソフト
天空率が計算できるフリーソフトは『『天空率空間』がおすすめ(14日間の無料お試し期間あり)
とりあえず天空率を試してみたい、という初心者には、そこで、今回の記事では、天空率についてとにかく!わかりやすく!解説していきます。(X:sozooro)
書いている人 |
指定確認検査機関にて、過去に5000件以上の物件の相談や審査業務を行っていた経験を生かし、ブログやSNSで建築法規に関する発信を行っている。 Instagram、X、LINE@などのSNSのフォロワーは延べ4万人以上。 詳しいプロフィールはこちらから 著書:用途と規模で逆引き! 住宅設計のための建築法規/学芸出版社 |
天空率とは?
天空率とは、法56条7項に定められている
所定の計算をした場合に、斜線制限(道路斜線制限・隣地斜線制限・北側斜線制限)を適用除外することが可能
街中で建築物の外観が斜めに切り取られている建築物を見たことはありませんか?
これらは、建築基準法で定められている、斜線制限の規制によるものです。斜線制限とは、その名の通り、敷地に対して斜線の規制を定め、その斜線に収まるように建築物を計画しなくてはなりないという規制です。
斜線制限とは、建築物の高さを制限することで、道路・隣地・北側隣地の採光・通風・日照を確保するために定められています。しかし、建築物の外観等に大きな影響を与えるため、建築物の設計者を悩ませる規制でもあります。
そんな場合、天空率の利用が効果的です。
天空率とは、所定の計算を行うことで、斜線制限(道路斜線制限・隣地斜線制限・北側斜線制限)を適用除外することが出来ます。天空率を利用することで、高い建築物を建てることが可能となります。
そんな大事な規定を、適用除外してしまっていいの?
これから説明する計算方法を見てもらえれば、納得してもらえると思います!
天空率の『計算方法』とは?
各測定点で、下記の式が成り立つこと
天空率(計画建物)>天空率(適合建物)
ざっくりですが、天空率がどんな原理なのか、まずは把握しましょう!
天空率の計算は、ざっくり言うと、『斜線制限でできた建築物(適合建築物)』と『実際の建築物(計画建築物)』の空の面積の比率を計算し、実際の建築物(計画建築物)の方が空の比率が高いことを確かめています。
空の比率が高いということは、周囲への圧迫などが少ないということです。だから、斜線制限を適用除外したとしても、採光・通風・日照が確保できるため、法の目的が達成できるわけです。
したがって、天空率は下記のような見え方となり、空の比率を求めます。
具体的には、下記のようになります。
続けて、検討をすべき測定点について解説します!
測定点とは?
天空を見つめる点、天空を見るために立つ位置のこと
測定点とは、具体的に、最もメジャーな道路斜線制限を天空率で適用除外する場合、下記のような設定で行う必要があります。
天空率を計算できるフリーソフトは?
JW-CAD』で計算が可能
天空率は、フリーソフトでは『天空率は、手計算で行うことは困難です。したがって、基本的には、CADソフト等を用いて計算を行う必要があります。
フリーソフトとしては、JW-CADで天空率の計算を行うことが可能です。JW-CADは、登場以来、ずっと無料で入手可能であるため、建築図面に対応したCADの中では愛用者が多いです。使ったことがある方も多いのではないでしょうか。
ただ、正直に言うと、JW-CADで天空率を計算するのは、上級者向けです…
建築物の図面を書いたら自動で計算してくれるんじゃないの?
JW-CADで天空率を計算する場合、下記のような書籍を読みこなし、検討をする必要があります。
初心者におすすめの天空率ソフトは?
天空率空間』の利用がおすすめ!
初心者は、まず『有料ソフトですが、14日間の無料お試し期間が設けられています
天空率空間は、天空率の知識がなくても使用可能で、『その敷地で天空率を使うと、どれくらいの高さの建築物が建てられるか?』を簡単に求めることができます。面倒な計算も不要、操作も直感的で、簡単に使用することが可能です。
下記に図解する通り、『斜線制限で出来る空間(黄色部分)』と『天空率で出来る空間(青部分)』が比較できるので、斜線制限ギリギリで設計しなければならない時に気持ちの余裕ができます。(なお、確認申請に必要となる天空率の図面まで作成する機能はありません)
天空率空間は、14日間の無料お試し期間設けています!
さらに、通常価格は、通常年間24,000円(税込み 26,400円)のところ…
2024年12月31日まで、リリースキャンペーンで特別価格 50%オフの12,000円(税込み 13,200円)となっています!
気になった方は、今すぐ下記からダウンロードしてみてください。
\天空率空間/
申請図の作成まで行うならADS-winがおすすめ
申請図の作成を行う場合、どうしたらいいんだろう?
もちろん、計算等は自動で行うことが可能です!
私自身、長い間、指定確認検査機関で勤め天空率の審査をしてきましたが、ADS-winで作成された図面を多く目にしてきました。天空率の図面に関する誤りも少なく、指摘を出しても正確に対応される方が多いので、サポート面も充実している印象を受けます。
ただ、天空率空間とは異なり、ADS-winの導入にはそれなりに費用がかかるので…天空率の件数が少ない場合は『代行サービス』を使うという手段も有力です。
天空率空間とADS-winの開発を行っている生活産業さんは、天空率計算の代行サービスを行なっています。
安心して任せられると思います!
法文で確認する【建築基準法56条7項】
天空率は、『建築基準法56条7項』に記載されています。
建築基準法56条7項
まとめ
✔️天空率とは、所定の計算を行うことで、斜線制限(道路斜線制限・隣地斜線制限・北側斜線制限)を適用除外することが可能
✔️各測定で、天空率(空と建築物の比)を計算し、天空率(計画建物)>天空率(適合建物)が成立していればOK
✔️天空率の計算が行えるフリーソフトは、『JW-CAD』(ただし、上級者向け)
✔️とにかく手軽に天空率を試してみたい!という場合は、『天空率空間』がおすすめ(天空率の申請図の作成まで行う場合には、『ADS-win』がおすすめ)