【緊急解説】ナフサ不足で建築設備が届かない!完了検査は通る?法的な扱い

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本記事は、2026年現在、施行中の最新の建築基準法・関係法令に基づいて解説しています。
※当該規定に関して2026年時点で改正がない場合も、現行法令を前提としています。

元・指定確認検査機関員(審査実績5,000件超)、著書2冊(累計2万部)、日経アーキテクチャー「著者に聞く」掲載
実務者目線で建築法規を解説しています
[▶︎筆者プロフィール(経歴・実績)]

結論(まずはここだけ)

ナフサ不足による設備未設置でも、完了検査に合格できる可能性が高い! 2026年4月13日付で国土交通省から「柔軟な対応を求める通知」が出されました。これにより、トイレやユニットバスが未設置の状態でも、一定の条件を満たせば「完了検査合格(検査済証の交付)」を受けることが可能です。

この記事でわかること

  • ナフサ不足がなぜ建築設備の『生産停止』に直結しているのか
  • 住宅設備(トイレ・バス)がないと、本来なぜ完了検査に通らないのか
  • 国土交通省が出した『緩和措置(国住指第38号)』の具体的な中身
  • 断熱材を変更する場合に必要となる『法的な手続き』の境界線
そぞろ

SNSでも、最近はトイレ・ユニットバスの話で持ちきりです…不確定な情報も出回っている可能性があります…
この記事では国土交通省が出している情報を根拠に、法的な扱いを解説しています!ぜひ参考にしてください。

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今、なぜ建築設備が作れないのか?

今、建築設備が作れず、現場にモノが届かない最大の理由は『ナフサ(粗製ガソリン)』の深刻な不足

巷では、今、石油についてのニュースで持ちきりです。そして、建築業界はその影響をモロに受けていると言えます。

具体的には、ナフサ不足が大きな打撃となっています。ナフサとは、塩ビ管、電線の被覆ケーブル、そして住宅設備に使われる「樹脂(プラスチック)部品」の主原料です。

最近、TOTOとかがユニットバスの出荷停止しているのはナフサ不足が原因ってこと?(2026年4月15日現在)

※TOTOに関しては、4月20日から段階的に新規受注を再開する見込み

そうなんです!原因が解決されていないので、どんどんこの影響は大きくなる可能性があります…

でも、建築設備がないと、
完了検査とかに影響出てきそうだよね…

そちらについては、国から緩和措置が出ています!
わかっている法的な情報を、この記事で共有していきますね!

建築設備(トイレ・ユニットバス)の設置が必要な理由

トイレ・ユニットバスなどの建築設備を設置しないと、住宅として認められない

今回、やはり大打撃を受けるのは住宅だと思います。一般的に、『トイレ、キッチン、浴室』の3点セットが備えられている場合は住宅と判断されます。

つまり、トイレ・ユニットバスがない場合、住宅として扱われないため、完了検査が合格にならないということになります。

完了検査が合格せず、検査済証が出ないままだと、住宅ローンが下りない、建築物の使用ができない(荷物の運搬なども原則NG)となり、色々と問題がでます。

とりあえず、建築設備なしのままでも、検査済証は出してほしい…

そうですよね。続けて、重要となる緩和措置を確認しましょう

ただし、国土交通省から緩和措置あり

国土交通省から、『一部の設備等がないことをもって、「住宅」として工事が完了していないといった扱いをしない』などの柔軟な対応をするように指定確認検査機関へ要請が出ている(2026年4月13日付)

実は、前にもトイレ・ユニットバスの流通が停止したことがありました。具体的には、令和2年ごろ、コロナウイルスの流行により工場の停止などがあり、トイレ・ユニットバスが作れないという事態に陥りました。

その際、国土交通省から通達があったんです。

住宅の建築工事の場合、確認済証の交付を受けた内容から一部の設備等がないことをもって、 「住宅」として工事が完了していないといった扱いをすることのないよう柔軟に対応してください。

国 住 指 第 3960 号(令和2年2月 27 日)により

当時はこの扱いに則り、設備がない建築物であっても、完了検査に合格することができていました。

今回のナフサ不足は、この扱いの対象になるの?

なります!直近で通達が来ています!

また、一部の設備等が未設置の状態で工事が完了する場合の取扱いについては、「完了検査の円滑な実施について」(令和2年2月 27日付国住指第3960 号)(別添)で通知した運用が参考になることを申し添えます。

国住指第 38 号(令和8年4月13日)により

詳しくは、下記より原文を確認してください。

https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/content/001996295.pdf

ただし、軽微な変更などの提出により、図面から建築設備などの削除は必要になると思われます。

『断熱材の変更』はどうなる?

ナフサの影響により、断熱材を変更する場合には、下記いずれかの対応が必要

外皮の各部位の熱貫流率若しくは線熱貫流率が増加しない範囲

外皮の各部位の熱貫流率若しくは線熱貫流率が増加する範囲計画変更

ナフサの不足によって、断熱材の変更をしなければならないケースも発生する可能性があります。残念ながら、現在の法律では、建築物省エネ法への適合は必須です。したがって、断熱材なしで完了検査に合格することはありません。(こちらに対して、緩和措置などは今のところありません)

通達の中では、断熱材を変更する場合の扱いについても触れられていますが、『外皮の各部位の熱貫流率若しくは線熱貫流率が増加しない範囲で、発泡プラスチック系断熱材から無機繊維系断熱材、木質・天然繊維系断熱材などの断熱材に変更する場合』は軽微な変更でOKとされています。(なお、建築物エネルギー消費性能確保計画の変更の手続は不要)

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まとめ

ナフサショックという未曾有の事態ですが、法的な救済措置を正しく理解して、最速で引き渡しまで漕ぎ着けましょう。

断熱材の変更は「性能維持」がカギ :断熱材を変更する場合、断熱性能(熱貫流率など)が落ちなければ「軽微な変更」で済みますが、性能が落ちる場合は「計画変更」が必要です。省エネ適合性判定への影響を必ずチェックしてください。

設備未設置でも検査合格は可能 :国交省の通知により、トイレやバスが届かなくても「工事未完了」とは見なさない柔軟な運用が始まっています。

「軽微な変更」の手続きは必須 :図面と現況を合わせるため、建築設備の削除や変更に伴う「軽微な変更届」などの事務手続きは必要です。事前に指定確認検査機関へ相談しましょう。

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この記事を書いた人

そぞろのアバター そぞろ 建築法規作家

元・指定確認検査機関員
5,000件超の審査実績。著書2冊(学芸出版社)は累計1.9万部、SNSフォロワー4万人超。実務者目線で建築法規を解説。