適用の除外とは?【建築基準法の適用を受けない建築物ってあるの?】

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本記事は、2026年現在、施行中の最新の建築基準法・関係法令に基づいて解説しています。
※当該規定に関して2026年時点で改正がない場合も、現行法令を前提としています。

元・指定確認検査機関員(審査実績5,000件超)、著書2冊(累計2万部)、日経アーキテクチャー「著者に聞く」掲載
実務者目線で建築法規を解説しています
[▶︎筆者プロフィール(経歴・実績)]

結論(まずはここだけ)

建築基準法には、適用を全く受けない「適用除外」の建築物がある(法3条)。大きく3タイプ:①国宝・重要文化財等の文化財保護法関連の建築物、②既存不適格建築物(建築時は適法だったが法改正で不適格になったもの)、③建築物の定義に該当しない建物(小規模な倉庫・塀等)。①は文化財である限り恒久的に適用除外、②は増築・用途変更等をすると現行法の適用を受ける点が異なる。

この記事でわかること

  • 「適用除外」の建築物とは何か、なぜ存在するのか
  • 文化財保護法等で保護される建築物の4パターン(指定・認定・条例指定・原形再現)とその違い
  • 既存不適格建築物の定義と、増築・用途変更時に現行法が適用される点
  • 建築物の定義に該当しない建物(小規模倉庫・塀等)が適用除外となる理由
そぞろ

建築基準法の適用から特別に除外されている建築物も存在します!
今回の記事では、わかりやすく実例を交えて解説していきます!

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建築基準法における『適用の除外』とは?

建築基準法の適用の除外の対象となった場合、その名の通り全ての建築基準法の適用を受けなくなります。言葉を選ばずに言えば、建築基準法を無視した建築物を建てることができるということです。

そんな建築物が存在しちゃっていいの?

できれば、無い方が良いですよね。ただ、これから適用除外の建築物の紹介をしますが、そういう理由ならしょうがないよねって思ってしまう訳ありの建築物ばかりなんです。

適用除外の建築物は、訳ありの建築物ばかりなので、建築基準法の適用を受けなくてもやむを得ないということになるかと思います。詳しく確認していきましょう。

適用除外できる建築物とは?

建築基準法の適用除外の建築物

  • 文化財保護法等の規制により保護されている建築物
  • 既存不適格建築物
  • 建築基準法上の建築物の定義に該当しない建物

ざっくり分けると、3つの内容に分けられます。詳細な内容を確認していきましょう。

文化財保護法等の規制により保護されている建築物

文化財保護法等の規制により保護されている建築物とは、下記の建築物

  • 国宝、重要文化財、重要有形民俗文化財、特別史跡名勝天然記念物、史跡名勝天然記念物として指定されている建築物
  • 重要美術品等として認定された建築物
  • 文化財保護法の条例その他の条例の定める現状変更の規制及び保存のための措置が講じられている建築物で、特定行政庁が建築審査会の同意を得て指定したもの
  • 国宝等、重要美術品等の建築物又は保存建築物の原形を再現する建築物で、特定行政庁が建築審査会の同意を得てその原形の再現がやむを得ないと認めたもの

大きな違いとしては、上から2つの国宝や重要美術品は、許可などが無くとも、建築基準法の適用を受けません。

しかし、それ以外の文化財保護法や再現された建築物は、特定行政庁の許可が必要だったり、建築審査会の同意が必要だったりします。

そして、文化財等であり続ける限り、建築基準法の適用を受けません!これが、次にご紹介する既存不適格建築物との大きな違いです!

既存不適格建築物

既存不適格建築物とは…

現存する建築物のうち、建築時点の法令では適法だったものの、その後に法令などの改正があり、現時点で適用される法令においては不適格な部分が生じた建築物

建築基準法は、法改正します。そして、法改正によって現行の建築基準法の規制に適合しなくなることもあるでしょう。

改正がある度に、現場の工事をして、現行の建築基準法に適用させることは、かなり難しいですよね。そして、法改正の対応もしにくくなります。

だから、既存不適格建築物は、現行法の建築基準法に適合しなくても良いことになっています。

ただし、既存不適格建築物に増築・用途変更等をした場合は、原則として、現行法の適用を受けることになるので注意してください。

詳しくは、以下の記事で解説していますので確認してください。

建築基準法上の建築物の定義に該当しない建物

建築基準法の建築物に該当しない以下の建築物の場合は、建築基準法の適用を受けない

  • 所定の条件を満たした『倉庫・物置』
  • 建築物に付属していない『塀』

建築基準法の適用を受けるのは、『建築物』のみです。

だから、そもそも建築物に該当しない建築物は、建築基準法の適用を受けません。

特に押さえておきたいのは、所定の条件を満たした倉庫等は、建築物に該当しないので建築基準法の適用を受けません!

根拠としては、建築確認のための基準総則・集団規定の適用事例に記載があるので、引用します。

土地に自立して設置する小規模な倉庫(物置等を含)のうち、奥行きが1m以内のもの又は高さが1.4m以下のものは、建築物に該当しない。

建築確認のための基準総則・集団規定の適用事例より

ただし、これは一般的な話であり、行政によってはこれ以外に条件を設けていることもありますので、よく確認するようにしましょう。詳しくは、下記の記事を参考にしてください。

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まとめ

  • 建築基準法の適用除外は法3条に規定、大きく3タイプに分類できる
  • 国宝・重要文化財等は文化財である限り恒久的に建築基準法の適用を受けない
  • 既存不適格建築物は建築時は適法、法改正後に不適格となったもの。ただし増築・用途変更等をすると原則現行法適用を受ける
  • 所定の条件(奥行1m以内 or 高さ1.4m以下等)を満たす小規模倉庫や、建築物に付属しない塀は、そもそも建築物に該当せず適用除外となる

根拠法文

記事内では正確な情報発信を心がけていますが、最終的な判断は必ず原文(法令)を確認してください。実務で役立つ主要な条文を抜粋して掲載します。

法3条1項・2項

根拠法文を確認する(クリックで展開)

適用の除外)
第三条 この法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定は、次の各号のいずれかに該当する建築物については、適用しない。
一 文化財保護法(昭和二十五年法律第二百十四号)の規定によつて国宝、重要文化財、重要有形民俗文化財、特別史跡名勝天然記念物又は史跡名勝天然記念物として指定され、又は仮指定された建築物
二 旧重要美術品等の保存に関する法律(昭和八年法律第四十三号)の規定によつて重要美術品等として認定された建築物
三 文化財保護法第百八十二条第二項の条例その他の条例の定めるところにより現状変更の規制及び保存のための措置が講じられている建築物(次号において「保存建築物」という。)であつて、特定行政庁が建築審査会の同意を得て指定したもの
四 第一号若しくは第二号に掲げる建築物又は保存建築物であつたものの原形を再現する建築物で、特定行政庁が建築審査会の同意を得てその原形の再現がやむを得ないと認めたもの
2 この法律又はこれに基づく命令若しくは条例の規定の施行又は適用の際現に存する建築物若しくはその敷地又は現に建築、修繕若しくは模様替の工事中の建築物若しくはその敷地がこれらの規定に適合せず、又はこれらの規定に適合しない部分を有する場合においては、当該建築物、建築物の敷地又は建築物若しくはその敷地の部分に対しては、当該規定は、適用しない。

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この記事を書いた人

そぞろのアバター そぞろ 建築法規作家

元・指定確認検査機関員
5,000件超の審査実績。著書2冊(学芸出版社)は累計1.9万部、SNSフォロワー4万人超。実務者目線で建築法規を解説。