バリアフリー法「特別特定建築物」と「特定建築物」の違いと一覧表

バリアフリー法

「特別特定建築物」「特定建築物」はバリアフリー法適合義務発生かどうか判断する重要なキーワード

バリアフリー法、正式名称は「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」

こちらの条文には「特別特定建築物」「特定建築物」というキーワードが出てきます。

 

「特別特定建築物」と「特定建築物」、非常に紛らわしいですね。

実は、この「特別特定建築物」と「特定建築物」、バリアフリー法の適合義務が必要かどうかという条件に大きく関係してきます。

今回は「特別特定建築物」と「特定建築物」の違い と バリアフリー法の適合義務の必要性について紹介します。

また、参考として「特別特定建築物」と「特定建築物」の一覧もご紹介します。

 

「特別特定建築物」と「特定建築物」の違い

「特別特定建築物」と「特定建築物」の違いは、バリアフリー法の適合義務のかかり方が違う、という事です。

まとめると、

特別特定建築物

(法第2条17号)

不特定かつ多数が利用し、又は主として高齢者が利用する特定建築物 適合義務(2000㎡以上)

(公衆便所は50㎡以上)

特定建築物

(法第2条16号)

多数の者が利用する建築物 努力義務(条例で特別特定建築物に追加可能)

よく確認してみると、特別特定建築物の定義の中に、特定建築物がありますね。

つまり、このような関係性です。

もう、この関係図で解決してしまう方が多いかもしれませんね?

3点ポイントがあるのでご紹介します。

 

特別特定建築物は2000㎡以上から適合義務、しかし条例で引き下げ可能

バリアフリー法の条文を確認すると、適合義務は2000㎡以上となっています。

「じゃあ、2000㎡未満は気にしなくてもいいのか!」

と思うかもしれませんが、実はそうでは無いのです。

 

高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律法第14条第3項より、面積の引き下げができます。

各地方公共団体の条例を内容を確認すると、「2000㎡→全ての規模」に引き下げしている事も結構あります。

 

例えば、特別支援学校、床面積150㎡」で考えてみましょう。

特別支援学校」は特別特定建築物です。(施行令第5条、記事の後ろに一覧載せています)

よって、まず2000㎡以上であれば、バリアフリー法適合義務発生です。

ですが、今回は150㎡ですので、法文上では、適合させる必要はありません。

しかし、各地方公共団体が「2000㎡→全ての規模」に引き下げしている場合は適合義務発生です。

関東地方では、東京都は「全ての規模」に引き下げしているので適合義務ですが、千葉県では引き下げをしていないので、適合義務では無くなります。

 

このように、地方公共団体で規模の引き下げをしているので、必ず確認をしなければなりません。

 

特定建築物も地方公共団体で強化されたら、適合義務発生

特定建築物は、地方公共団体の定めが無ければ、2000㎡以上でも、適合義務は発生しません。

しかし、地方公共団体が条例で特定建築物の一部を特別特定建築物に追加する事ができます。(つまり、バリアフリー法適合義務にできる)

これは、用途を追加するだけで無く、2000㎡から規模も引き下げる事ができます。

 

例えば、「共同住宅、床面積2500㎡」で考えてみましょう。

「共同住宅」は特定建築物です。(施行令第4条、記事の後ろに一覧載せています)

よって、地方公共団体の定めが無ければ、規模関係無く、バリアフリー法適合義務は発生無しです。

しかし、各地方公共団体が「共同住宅を特別特定建築物に追加」している場合は適合義務発生です。(2000㎡以上なので、規模も引き下げをしていなくても適合必要

関東地方では、東京都は「共同住宅を特別特定建築物に追加」しているので適合義務ですが、千葉県では「追加」をしていないので、適合義務では無くなります。

もし、規模の引き下げをしている場合はそちらも確認しましょう。

 

特定建築物や特別特定建築物に含まれていない建築物は適合義務発生無し

まぁ、当たり前の話なのかもしれませんが念のために(笑)

例えば、「一戸建て住宅」「倉庫」

当たり前の話かもしれませんが、これらの用途は「特定建築物」ではありません。

よって、どんなに厳しい特定行政庁でも、法文上、「特別特定建築物」に含める事ができないので、絶対にバリアフリー法の適合義務は発生しません。

 

「特別特定建築物」と「特定建築物」一覧

「特定建築物」(施行令第4条) 「特別特定建築物」(施行令第5条)
1.学校 1.特別支援学校
2.病院又は診療所 2.病院又は診療所
3.劇場、観覧場、映画館又は公演場 3.劇場、観覧場、映画館又は公演場
4.集会場又は公演堂 4.集会場又は公演堂
5.展示場 5.展示場
6.卸売市場又は百貨店、マーケットその他の物品販売業を営む店舗 6.百貨店、マーケットその他の物品販売業を営む店舗
7.ホテル又は旅館 7.ホテル又は旅館
8.事務所 8.保健所、税務署その他不特定かつ 多数の者が利用する官公署
9.共同住宅、寄宿舎又は下宿
10.老人ホーム、保育所、身体障害者福祉ホームその他これらに類するもの 9.老人ホーム、保育所、身体障害者福祉ホームその他これらに類するもの(主として高齢者が等が利用するものに限る)
11.老人福祉センター、児童厚生施設、身体障害者福祉センターその他これらに類 するもの 10.老人福祉センター、児童厚生施設、身体障害者福祉センターその他これらに類 するもの
12.体育館、水泳場、ボーリング場、その他これらに類する運動施設又は遊技場 11.体育館(一般公共の用に供されるものに限る。)、水泳場(一般公共の用に供されるものに限る。)、ボーリング場、その他これらに類する運動施設又は遊技場
13.博物館、美術館又は図書館 12.博物館、美術館又は図書館
14.公衆浴場 13.公衆浴場
15.飲食店又はキャバレー、料理店、ナイトクラブ、ダンスホールその他 これらに類 するもの 14.飲食店
16.理髪店又はクリーニング取次店、質屋、貸衣装屋、銀行これらに類するサービス業を営む店舗 15.理髪店又はクリーニング取次店、質屋、貸衣装屋、銀行これらに類するサービス業を営む店舗
17.自動車教習所又は学習塾、華道 教室、囲碁教室その他これらに類す るもの
18.工場
19.車両の停車場又は船舶若しくは航空機の発着場を構成する建築物で旅客の乗降又は待合いの用に供す るもの 16.車両の停車場又は船舶若しくは航空機の発着場を構成する建築物で旅客の乗降又は待合いの用に供す るもの
20.自動車の停留又は駐車の為の施設 17.自動車の停留又は駐車の為の施設(一般公共の用に供されるものに限る。)
21.公衆便所 18.公衆便所
22.公共用歩廊 19.公共用歩廊

赤マーカー部分がそれぞれの違いになるので確認してみてください。

 

まとめ:「特別特定建築物」と「特定建築物」の違いでバリアフリー適合義務の要否が変わる

いかがでしたか?

「特別特定建築物」は、不特定かつ多数が利用し、又は主として高齢者が利用する特定建築物であり、2000㎡以上はバリアフリー法に適合させなれけばなりません。

「特定建築物」は、多数のものが利用し、地方公共団体が「特別特定建築物」に追加していた場合はバリアフリー法に適法させなればなりません。

 

ややこしいワードですが、このような違いがあります。

しっかり整理して、バリアフリー法に適合義務があるかどうか確認しましょう!

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