さて、今回は『準防火地域内(防火地域内)に準耐火建築物で建蔽率緩和する時の注意事項』についての記事です。
2019年の建築基準法の法改正により、
準防火地域内の準耐火建築物は建蔽率の+10%の緩和が受けられるようになりましたね!
これで、どんどん緩和をして、大きな建築物を建てようと思っている方に、
一つだけ覚えてほしい事があるのです。
それは、この緩和、
敷地内の全ての建築物が準耐火建築物じゃないと使えませんよ!
これ読んで『やべぇ!』ってなる方もいれば何の話?と思う方もいるかもしれませんね。
私はこれは落とし穴だと思っていますし、『やべぇ!』と思っています。
今回は、ピンときていない方の為に、実例を交えてご紹介します。
書いている人 |
指定確認検査機関にて、過去に5000件以上の物件の相談や審査業務を行っていた経験を生かし、ブログやSNSで建築法規に関する発信を行っている。 Instagram、X、LINE@などのSNSのフォロワーは延べ4万人以上。 詳しいプロフィールはこちらから 著書:用途と規模で逆引き! 住宅設計のための建築法規/学芸出版社 |
建蔽率の緩和が使えない時はどんな時か?
まず、緩和の内容をおさらいしてみましょう
◆防火地域内の耐火建築物は建蔽率+10%(80%の容積指定であれば+20%)
◆準防火地域内の耐火建築物は建蔽率+10%
◆準防火地域内の準耐火建築物は建蔽率+10%
一番身近なところで、
準防火地域内で敷地内の建築物が準耐火建築物ならば、10%緩和受けられる
という事になるんです。
で、どんな場合が緩和受けられないかと言うと、
敷地内の建築物が準耐火建築物でない場合ですよね?
つまり、
となるわけです。
実例でどれくらいやべぇかご紹介
まだ、ピンと来ない方のために、実例をご紹介します。
たとえば、こんな敷地があります
こちらはまったく問題ありません。
+10%の建蔽率の緩和が適用可能です。
しかし、まだ敷地に余裕があります。
別棟で他の建物建築物を建てる事ができそうですね。
別棟で他の建築物を計画する
なんと、これだと+10%の緩和を受ける事ができなくなります。
なぜなら、敷地内のすべての建築を準耐火建築物にしなければならないから。
だから、今回の青色の建築物を準耐火建築物にしない限り、
建蔽率の緩和は適用できない、という事になるのです。
これって結構怖くないですか?
まとめ:増築時は特に、緩和が受けられるか注意すべし
特に注意していただきたいのは、増築の計画の時。
小さい倉庫、カーポートの増築をする時でも、
もし前からこの準防火地域内の準耐火建築物の+10%緩和を使ってたとしたら、
準耐火建築物で計画しなければならないという事になりますね。
最後にもう一度まとめますが、
頭の片隅に入れて、危険を回避しましょう!