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建築基準法改正 2019その① 防火地域に準耐火建築物は建つ!建蔽率の緩和拡大!

やっと勉強する時間ができたので、令和元年6月25日に既に施行されている法改正の内容についての解説を一気にやるとごっちゃになるので少しづつ解説していきます。

 

防火地域系の仲間と判断した法第61条、第53条のの主な改正内容は3点だけです。

ここだけ押さえていればokなのでご説明していきます。

 

解説前に愚痴っていいですか?

いやぁ、一言 言いたいのですが

法改正の条文複雑すぎませんか???

読んでて体調悪くなりましたよこちらは。条ずれしまくりだし、政令に飛びすぎだし、新しい用語作りすぎじゃないですか、ほんとに疲れましたよ。

仕事柄、建築基準法は読み慣れているのですが、そんな私でもゲロを吐きそうになりましたよ。私でゲロ吐きそうになったという事は普段建築基準法に触れていない方はハゲ散らかしたんじゃないかと心配してます。大丈夫ですか?程々にしてくださいね、髪の毛は大事ですから。

まぁ、何が言いたいかと言うと、それくらい今回の改正はごちゃごちゃしてて大変ですよって話です。でも、だからこそちゃんと解説サイトで内容を確認するだけで無く、自分で条文を確認して欲しいのです。国交相の資料とかめちゃくちゃまとまってわかりやすいですが、そればっかり参考にしていると自分の身にならないと思うのです。結局信じられるのは自分だけです。触りはご説明するので、法文も読んでください。

今回、法改正後の法文のリンクも張っています。該当ページにピンポイントで飛ぶように設定しました。記事を読んだ後に法文も確認すれば完璧です!(PCでリンクを踏まないと飛ばないみたいです。)

今回は緩和ばっかり、しっかり勉強すれば必ず役に立ちます。私も苦労していますが、一緒に頑張りましょう!

 

その一 もうご存知かも、容積率の緩和の拡大(法第53条)

これは今回の法改正の中でも、知っている方は多いかな?と思います。

現行
  防火地域内耐火建築物は建蔽率+10%(80%の容積指定であれば+20%)

改正後  
防火地域内耐火建築物は建蔽率+10%(80%の容積指定であれば+20%)
  防火地域内耐火建築物は建蔽率+10%
  防火地域内耐火建築物は建蔽率+10%

ポイントといったら、()書きを打ち消している部分です。(理由は法第53条5項です。気になる方は読んでください。ここは法改正で変更されていません)

防火地域内の耐火建築物であれば、80%の区域が100%になるのですが、今回追加した条文では+10%の90%にしかならないので注意です。

あ、ちなみに角地緩和との併用はもちろんokです。

防火地域内 耐火建築物 80 ⇨(+20% 100%
準防火地域内 耐火建築物 80 ⇨(+10%) 90%
準防火地域内 準耐火建築物 80 ⇨(+10%) 90%

法第53条の確認はこちら。(国交省公開掲載pdf該当ページへ飛ぶ)

 

その二 今回の目玉、防火地域、準防火地域の規制の見直し!(法第61条)

さぁ、ハゲ散らかすのはここからですよ?準備はいいですか?

防火地域内では100㎡を超えたら耐火建築物が基本でしたよね?その常識が今回なんと法改正によって準耐火建築物でも防火地域内に計画できるようになりました!

まずは法61条の内容を一覧表から確認していきましょう。

 

階数 防火地域 準防火地域
100㎡以下 100㎡超 500㎡以下 500㎡超1500㎡以下 1500㎡以下
4階以上 耐火建築物+耐火建築物相当 耐火建築物+耐火建築物相当
3階建 準耐火建築物+準耐火建築物相当
2階建 準耐火建築物+準耐火建築物相当 防火構造建築物+防火構造建築物相当  

 

1階建

まぁ、何が変わったかと言うと、耐火建築物相当 準耐火建築物相当 防火構造建築物相当 追加になっているだけです。

今回の大目玉は間違いなく、この耐火建築物相当が追加された事です。条文通りなのですが耐火建築物相当に該当させれば、防火地域内に準耐火建築物でも建てられます!

この耐火建築物相当の技術的内容については、法第61条⇨施行令第136条の2⇨告示194号と読み進めていくのですが、この告示194号に詳細な内容はあります。これも表にまとめるとこんな感じ。

防火構造建築物相当については、まだ具体的な規定についての解説はされていなさそうですね、、(あったら教えてください。)

また、準耐火建築物相当については法改正前の施行令136条の2とほぼ一緒です。

なので、今回本当に新規で追加された耐火建築物相当についてご紹介します。こちらも表にまとめてみました。大体、これに当てはめれば内容の把握はできるはず。

まぁ、複雑だし新しい用語が多すぎますよね、、ちなみに、新しい用語の解説は全て告示194号第2に書いてあるので、確認してみてください。

まぁ、今後どうなるのかなぁと思うのは一戸建て住宅と事務所以外全部特殊建築物の話しかしてないんですよね。これってサービス店舗とかどうなるんでしょうね?(サービス店舗は別表に該当しない)特殊建築物は防火地域内に建てられて、特殊建築物以外は一戸建てと事務所しか建てられないってどうなんですか???なぜそういう条文になったの??という感じ。不思議。

法第61条はこちら。

施行令136条の2はこちら

告示194号はこちら。

 

その三、防火地域内 2m超の塀や門の内容が緩和!

これも嬉しい方よね!今まで2m超の塀や門は不燃材にする事が義務づけられていましたが、木などでも可能になりました!

現行
  防火地域内にある門・塀で2mを超える場合、不燃材で造るか覆う事

改正後  (告示194号第7)
防火地域内にある門・で2mを超える場合、不燃材で造るか覆う事
  防火地域内にある厚さ24mm以上の木材で造る事(ただし、門は道に面する部分のみ)
  防火地域内にある土塗真壁造で塗厚30mm以上とする事

いいですね、これで少しおしゃれな木目の外構計画ができそうですね。

告示194号はこちら。

 

まとめ

いかがでしたか?なんだか2番目の話なんて可能性の塊じゃないですか??ワクワクしませんか?今まで防火地域内は木は無理!と思っていましたが、これからどんどん建てる事が出来そうですよね!

そして、最後に一言

冒頭荒ぶってすみませんでした。

 

ABOUT ME
そぞろ。
このサイトを作成している管理者。建築法規に関わる仕事をしています。難解な建築基準法をわかりやすく、面白く解説して、『実は簡単なんじゃないの?』と勘違いしてもらいたい。著書『用途と規模で逆引き!住宅設計のための建築法規』