今回、私がご紹介するのは実務で絶対に役立つ『根拠になる参考書』です。
実務で私が毎日使っている参考書をご紹介します!ただし、今回ご紹介するものは、建築基準法の内容をわかりやすく解説している参考書では無いです。(要は、結構難しい内容のものが多いです。)
でも、絶対に実務で役立つ参考書です。それは、出版元がある程度信頼できるからです。
要は、指定確認検査機関や行政への協議で根拠して使う事が出来るという事です。
指定確認検査機関や行政は建築基準法という法律を扱っているので、出版元が個人や一般企業の参考書だと考慮しない場合があります。しかし、出版元が信頼できる物(例えば国土交通省)だと、いくら参考書とは言え、無視はしづらいです。(もちろん法律以外は所詮参考書!という方もいるので、絶対的根拠になるわけではありません)
今回はそんな出版元がしっかりしている『根拠となる参考書』を5つ紹介します。(今回ご紹介するのは意匠設計者、設備設計者向けです。構造設計者向けのものは紹介してません)
書いている人 |
指定確認検査機関にて、過去に5000件以上の物件の相談や審査業務を行っていた経験を生かし、ブログやSNSで建築法規に関する発信を行っている。 Instagram、X、LINE@などのSNSのフォロワーは延べ4万人以上。 詳しいプロフィールはこちらから 著書:用途と規模で逆引き! 住宅設計のための建築法規/学芸出版社 |
持ってなきゃおかしい!『防火避難規定の解説』
編著者:日本建築行政会議
それくらい、実務で必携です。
難解な避難規定(法第35条)について、法令集だけでは絶対にわからない部分の補足が多数記載されています。それだけではなく、防火区画(令第112条)の考え方や、耐火建築物や準耐火建築物の考え方についても詳細に書かれています。
これ持ってない人いますか?レベルです。持ってない方は是非!
最強の根拠参考書『技術的助言ガイドブック』
編著者:建築申請実務研究会
役に立たない訳が無いです!
ところで、『技術的助言』って知っていますか?
技術的助言とは?
地方自治法第245条の4第1項等の規定に基づき、地方公共団体の事務に関し、地方公共団体に対する助言として、客観的に妥当性のある行為を行い又は措置を実施するように促したり、又はそれを実施するために必要な事項を示したりする通知を発することができるとされているもの。
馴染みやすくする為に、建築基準法の技術的基準の話に置き換えると、『国土交通省住宅局建築指導課長から、建築行政主務部長宛て』に通知されている事務についての連絡です。だから、本来だったら設計者などに直接通知をしている内容では無いのですが、国土交通省から出されている内容なので、かなり信頼できます。
そして、こちらの参考書は技術的助言の主要な内容がかなりわかりやすくまとめてあるので、抜群に見やすく、かなり重要な根拠資料として使えます。記載されている内容も幅広く、集団規定から単体規定まで。かなり痒いところに手が届く内容ばかりです。
集団規定ならコレ!『建築確認のための基準総則・集団規定の適用事例』
編著者:一般財団法人建築行政情報センター(ICBA)
amazonなどで販売していないので、画像の掲載が出来ません。(お買い求めはICBAさんのサイトで。)
集団規定、主に面積高さ関係の記載が多いです。天空率の考え方などは非常に参考になります。他には、用語の定義などもかなりかなり充実しています。(建築物の定義とか、着工の定義とか)
私がこの参考書の中で重宝しているのは、建築用途の考え方です。最近は、建築の用途もかなり多岐にわたり、どの用途で確認申請を出したらいいか?というのは相当悩ましい問題です。おそらく、この参考書が一番詳細に書かれていると思いますので、役に立つと思います。
木造の準耐火、耐火の全て『木造建築物の防・耐火設計マニュアル』
編著者:日本建築センター
法文の考え方だけでなく、被覆の収まりなどもかなり参考になる!
(私が仕事上で、設計さんにオススメしまくって軽く10人以上に買わせた本です笑)
建築基準法の法改正によって、大規模建築物も木造で計画できるようになりました。また、木造3階建の共同住宅なども、近年緩和になり、どんどん木造の建物は増えてきています。そこで切っても切り離せない木造耐火や木造準耐火の話をかなり詳細に解説しています。
法文の話だけでなく、被覆の収まりについて図解されているので、困った時に必ず役に立ちます!
設備関係はこれで解決!『建築設備・施工上の運用指針』
編著者:日本建築行政会議
法適根拠を元に、設備全般を幅広く網羅!
amazonなどで販売していないので、画像の掲載が出来ません。(お買い求めは日本建築設備・昇降機センターさんのサイトで。)
給排水設備、換気設備、ガス設備、排煙設備、非常用照明、避雷針。設備で困ったら絶対に確認したい一冊です。
私が特に重宝しているのは、『防火区画貫通部措置方法』に関する内容です。難解で分かりにくい内容も、法的根拠を踏まえつつ、わかりやすく説明してあります。かなり信頼できる一冊です。
まとめ:やっぱり法的根拠になる図書は持っとくべき!
いかがでしたか?今回ご紹介したのは、以下5点です。
今回ご紹介した参考書は、しっかりした根拠として事前協議などで提示できる、絶対に使える参考書だと思います。自信を持っておすすめします。
もし持っていないものがあったら、是非本屋さんで内容を確認してみてください。最後までありがとうございました!