建築基準法

火災の発生のおそれの少ない室とは?建築基準法上の定義について

火災の発生のおそれの少ない室ってなに?

どんな室のこと?

建築基準法上、どこに登場するの?

今回の記事ではこんな疑問に法的根拠を元に答えます。

ざっくりまとめると、

火災の発生のおそれの少ない室とは、『火災が発生した場合に火災時に影響が服ない室』のことである

火災の発生のおそれの少ない室とは、具体的には以下の室で、内装を準不燃材料にしたもの

  • 昇降機その他の建築設備の機械室、不燃性の物品を保管する室その他これらに類するもの
  • 廊下、階段その他の通路、便所その他これらに類するもの

主として、避難安全性能検証法で登場する

火災の発生のおそれの少ない室について

単純に法文に記載されているものだけでなく、参考書などを参考に徹底解説していきます!(sozooro

書いている人
そぞろ

指定確認検査機関にて、過去に5000件以上の物件の相談や審査業務を行っていた経験を生かし、ブログやSNSで建築法規に関する発信を行っている。
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著書:用途と規模で逆引き! 住宅設計のための建築法規/学芸出版社

火災の発生のおそれの少ない室とは?

火災の発生のおそれの少ない室とは

火災が発生した場合に当該部分の可燃物が少ないことなど火災時における影響が少ないと想定される室のことで告示1440号に定められている

その名の通り、火災の発生が少ないと想定される室のことで、法律上は告示1440号に定められた室のことです。

告示1440号

建築基準法施行令第128条の6第2項に規定する火災の発生のおそれの少ない室は、次の各号のいずれかに該当するもので、壁及び天井(天井がない場合にあっては、屋根)の室内に面する部分の仕上げを準不燃材料でしたものとする。

一 昇降機その他の建築設備の機械室、不燃性の物品を保管する室その他これらに類するもの

二 廊下、階段その他の通路、便所その他これらに類するもの

マーカーしましたが、内装を準不燃材料にしなくれはならないという点が見落としがちなポイントなので注意が必要です!

ただ、これだけだとまだどういった室があてはまりのかわかりにくいので、以下の2つの図書を参考に該当する室をまとめると…

  • 建築物の防火避難規定の解説2016(第2版)p100
  • 避難安全検証法の解説及び計算例とその解説(2001年版)

火災の発生のおそれの少ない室に該当するもの

告示に示されている室 該当する室
一号 昇降機その他の建築設備の機械室、不燃性の物品を保管する室その他これらに類するもの 空調機械室、水槽室、ポンプ室

冷蔵室、冷凍室、機械式駐車場

二号 廊下、階段その他の通路、便所その他これらに類するもの 玄関、エントランスホール、EVホール、階段付室、風除室、車路、エスカレーター、浴室、化粧室、湯沸室(規模が小さく、裸火を使用しないものに限る。)、金庫室

これらの室で、内装を準不燃材料以上にした場合、火災の発生のおそれの少ない室として扱われます。

火災の発生のおそれの少ない室が登場するのはどんな規定?

火災の発生のおそれの少ない室は、主として避難安全検証法を適用をする場合に登場します。

避難安全検証法の検討において、火災の発生のおそれの少ない室に該当させることで、検討を有利に進めることが出来ます。

あとは、ここ最近で追加になった『直通階段の歩行距離の緩和(令120条)』と『無窓居室の区画の緩和(令111条)無窓居室の区画の緩和(令111条)』でも登場しました。

今後追加になる緩和でも、火災の発生のおそれの少ない室は登場する可能性が高いので、しっかり把握しておきたいですね。

まとめ

✔️火災の発生のおそれの少ない室とは、火災が発生した場合に当該部分の可燃物が少ないことなど火災時における影響が少ないと想定される室のこと

✔️火災の発生のおそれ少ない室とは、以下の室内装を準不燃材料にした室こと

  • 空調機械室、水槽室、ポンプ室、冷蔵室、冷凍室、機械式駐車場
  • 玄関、エントランスホール、EVホール、階段付室、風除室、車路、エスカレーター、浴室、化粧室、湯沸室(規模が小さく、裸火を使用しないものに限る。)、金庫室

✔️火災の発生のおそれの少ない室は、避難安全検証法を主として、最近の緩和でも登場するようになった

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このサイトを作成している管理者。建築法規に関わる仕事をしています。難解な建築基準法をわかりやすく、面白く解説して、『実は簡単なんじゃないの?』と勘違いしてもらいたい。著書『用途と規模で逆引き!住宅設計のための建築法規』

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