建築基準法

特定主要構造部とは?|主要構造部との違いをわかりやすく解説

特定主要構造部ってなに?

具体的に、どこ部位のこと?

主要構造部との違いは?

こんなお悩みに、答えます!

まずは結論から…

特定主要構造部とは、主要構造部(壁・柱・床・はり・屋根・階段)から『防火上及び避難上支障がないものとして政令で定める部分』を除いた建築物の部分

主要構造部の中でも、より限定されている構造が、特定主要構造部である

現在の法文では、『主要構造部』と『特定主要構造部』が入り乱れているので、用語の定義程度は把握しておいた方がいいと思います!

この記事では、最低限理解しておくべき内容をわかりやすく解説しています(X:sozooro

書いている人
そぞろ

指定確認検査機関にて、過去に5000件以上の物件の相談や審査業務を行っていた経験を生かし、ブログやSNSで建築法規に関する発信を行っている。
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著書:用途と規模で逆引き! 住宅設計のための建築法規/学芸出版社

特定主要構造部とは?主要構造部との違いは?

特定主要構造部とは、

主要構造部のうち、防火上及び避難上支障がないものとして政令で定める部分以外の部分

なお、主要構造部とは、壁・柱・床(最下階の床を除く)・はり・屋根・階段のことです。詳しくは下記を参考にしてください。

ざっくり言うと、

『主要構造部』『政令で定める部分』=『特定主要構造部

です!図解を見てもらえれば、一発でわかると思います

基本的には主要構造部と同じです。違いは、『防火上及び避難上支障がないものとして政令で定める部分』を除いているだけ。

どうして、特定主要構造部という用語が登場したの?

特定主要構造部が誕生した理由は…

耐火建築物の一部の主要構造部を、木造で作れるようにするため

法改正は、その改正の背景を知った方が納得できるので、簡単に解説します。

耐火建築物にするためには、従来までは主要構造部を耐火構造にする必要がありました。しかし、まだまだ木造を耐火構造にすることは難しいです。つまり、耐火建築物の主要構造部に、木造は使いにくかったということです。

そこで、耐火建築物の要件を、主要構造部ではなく、『特定主要構造部を耐火構造にする』でよいこととなりました。

じゃあ、特定主要構造部にならない『防火上及び避難上支障がないものとして政令で定める部分』に該当させれば…

耐火建築物でも主要構造部に木造を使えることになるってこと?

その通りです!では、その『防火上及び避難上支障がないものとして政令で定める部分』を確認してみましょう!

『防火上及び避難上支障がないものとして政令で定める部分』とは?

『防火上及び避難上支障がないものとして政令で定める部分』とは…

下記2つどちらも満たす部分

①特定区画をすること(令108条の3第一号)→⚠️鬼門!

②避難経路に配慮すること(令108条の3第二号)

国土交通省が公開しているイメージはこんな感じです

画像引用:https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/content/001623400.pdf

きちんと法文で確認した方は、下記から確認してみてください。

クリックで建築基準法施行令108条の3を確認

建築基準法施行令108条の3

法第2条第九号の二イの政令で定める部分は、主要構造部のうち、次の各号のいずれにも該当する部分とする。

一 当該部分が、床、壁又は第109条に規定する防火設備(当該部分において通常の火災が発生した場合に建築物の他の部分又は周囲への延焼を有効に防止できるものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものに限る。)で区画されたものであること。

二 当該部分が避難の用に供する廊下その他の通路の一部となっている場合にあっては、通常の火災時において、建築物に存する者の全てが当該通路を経由しないで地上までの避難を終了することができるものであること。

こうやって整理してみると、そんなに難しい条件はないように見ますが…正直、結構条件は難しいです…(特に①番…)

詳しく確認していきましょう!

①特定区画をすること

床・壁・特定の防火設備で区画等(通称:特定区画)する必要がある

ただし、この区画の内容が告示に記載されており、内容がかなり複雑

文字だけ読むと、ただ区画するだけで簡単そうに見えるんだけど、どのへんが複雑なの?
区画の方法が、具体的には告示に書かれているんですけど…ただ単純に区画すればいい!っていう話では無さそうなんです

区画というと、防火区画のように、単純に壁・床・特定防火設備で区画するのかな?と思いますよね。実は、特定区画の場合はそんな単純な話ではありません…。

区画する面積、位置、用途。そして更には特定区画通常火災継続時間のという算出まで行います。

したがって、単純に区画をすればいいという話ではないのです。下記にその告示を記載しているので、確認してみてください。なお、国土交通大臣の認定を取得するのでもOKです。(まだ、始まったばかりの制度なので、認定などは進んでいなさそうですが…)

気になった方、ぜひ告示見ていただきたいです。難しすぎて全然内容が頭に入ってこないです…笑
クリックで告示231号を確認

告示231号

主要構造部のうち防火上及び避難上支障がない部分を区画する床等の構造方法を定める件

建築基準法施行令(以下「令」という。)第百八条の三第一号に規定する通常の火災が発生した場合に建築物の他の部分又は周囲への延焼を有効に防止できる床、壁及び防火設備(以下「特定区画」という。)の構造方法は、次に定めるものとする。

一 一の特定区画が他の特定区画と隣接しないこと。
二 次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定める基準に適合するものとすること。
イ 損傷許容主要構造部(令第百八条の三に規定する主要構造部のうち防火上及び避難上支障がない部分をいう。以下同じ。)が特定区画により囲まれている場合(特定区画部分(特定区画により区画された部分をいう。以下同じ。)を建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号。以下「法」という。)別表第一(い)欄(五)項及び(六)項に掲げる用途以外の用途(特定区画部分の階数が二の場合にあっては、共同住宅の住戸、ホテルその他これらに類する用途又は事務所その他これに類する用途に限る。)に供する場合に限る。) 次に掲げる基準に適合するものとすること。
(1) 特定区画部分の階数を二以下とすること。
(2) 特定区画における床面積(特定区画部分の階数が二である場合にあっては中間床(特定区画部分の二階の床をいう。以下同じ。)の床面積を含み、かつ、スプリンクラー設備(水源として、水道の用に供する水管を当該スプリンクラー設備に連結したものを除く。)、水噴霧消火設備、泡消火設備その他これらに類するもので自動式のもの(以下「スプリンクラー設備等」という。)を設けた部分の床面積の二分の一に相当する床面積を除く。)を百平方メートル以内とすること。
(3) 特定区画を構成する建築物の部分が、次の(i)又は(ii)に掲げる特定区画の区分に応じ、当該(i)又は(ii)に定める基準に適合すること。
(i) 特定区画であって、(ii)に該当しないもの 次の(一)から(九)までに掲げる建築物の部分の区分に応じ、当該(一)から(九)までに定める基準に適合するものとすること。
(一) 耐力壁である間仕切壁 次の(イ)から(ハ)までに掲げる特定区画通常火災継続時間(特定区画の構造に応じ、通常の火災が通常継続する時間をいう。以下同じ。)に応じ、当該(イ)から(ハ)までに定める構造とし、かつ、鉄筋コンクリート造(鉄筋に対するコンクリートのかぶり厚さが平成十三年国土交通省告示第千三百七十二号第二項の基準によるものにあっては、防火上支障のないものに限る。以下同じ。)、鉄骨鉄筋コンクリート造(鉄筋又は鉄骨に対するコンクリートのかぶり厚さが同項の基準によるものにあっては、防火上支障のないものに限る。以下同じ。)又は鉄骨コンクリート造(鉄骨に対するコンクリートのかぶり厚さが五センチメートル未満のものを除く。以下同じ。)とすること。
(イ) 百二十分を超える場合 特定区画延焼防止時間(特定区画が当該区画内において発生する通常の火災による他の部分又は周囲への延焼を有効に防止できる時間をいう。以下同じ。)が特定区画通常火災継続時間以上である間仕切壁(令第百八条の三第一号に規定する構造方法を用いるもの又は同号の規定による認定を受けたものに限る。)の構造方法を用いる構造
(ロ) 九十分を超え、百二十分以下である場合 次の(い)又は(ろ)のいずれかに掲げる構造
(い) (イ)に定める構造
(ろ) 平成十二年建設省告示第千三百九十九号第一第一号イに掲げる構造
(ハ) 九十分以下である場合 次の(い)又は(ろ)のいずれかに掲げる構造
(い) (ロ)に定める構造
(ろ) 平成十二年建設省告示第千三百九十九号第一第二号ハに掲げる構造
(二) 非耐力壁である間仕切壁 次の(イ)から(ハ)までに掲げる特定区画通常火災継続時間に応じ、当該(イ)から(ハ)までに定める構造とすること。
(イ) 百二十分を超える場合 特定区画延焼防止時間が特定区画通常火災継続時間以上である間仕切壁(令第百八条の三第一号に規定する構造方法を用いるもの又は同号の規定による認定を受けたものに限る。)の構造方法を用いる構造
(ロ) 九十分を超え、百二十分以下である場合 次の(い)から(に)までのいずれかに掲げる構造
(い) (イ)に定める構造
(ろ) (一)(ロ)(ろ)に定める構造
(は) 軽量気泡コンクリートパネルで厚さが十二センチメートル以上のもの
(に) 間柱及び下地を鉄材又は木材で造り、かつ、その両側に防火被覆(厚さ二十五ミリメートル以上の強化せっこうボード(ボード用原紙を除いた部分のせっこうの含有率を九十五パーセント以上、ガラス繊維の含有率を〇・四パーセント以上とし、かつ、ひる石の含有率を二・五パーセント以上としたものに限る。以下同じ。)を二枚以上張ったものの上に厚さ二十五ミリメートル以上の繊維強化セメント板(けい酸カルシウム板に限る。以下同じ。)を張ったもの)が設けられたもの
(ハ) 九十分以下である場合 次の(い)から(に)までのいずれかに掲げる構造
(い) (ロ)(い)から(に)までのいずれかに定める構造
(ろ) (一)(ハ)(ろ)に定める構造
(は) 軽量気泡コンクリートパネルで厚さが十センチメートル以上のもの
(に) 平成十二年建設省告示第千三百九十九号第一第二号ロ又は第四号ロに掲げる構造
(三) 耐力壁である外壁 次の(イ)から(ハ)までに掲げる特定区画通常火災継続時間に応じ、当該(イ)から(ハ)までに定める構造とし、かつ、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造又は鉄骨コンクリート造とすること。
(イ) 百二十分を超える場合 特定区画延焼防止時間が特定区画通常火災継続時間以上である外壁(令第百八条の三第一号に規定する構造方法を用いるもの又は同号の規定による認定を受けたものに限る。)の構造方法を用いる構造
(ロ) 九十分を超え、百二十分以下である場合 次の(い)又は(ろ)のいずれかに掲げる構造
(い) (イ)に定める構造
(ろ) (一)(ロ)(ろ)に定める構造
(ハ) 九十分以下である場合 次の(い)又は(ろ)のいずれかに掲げる構造
(い) (ロ)(い)又は(ろ)のいずれかに定める構造
(ろ) (一)(ハ)(ろ)に定める構造
(四) 非耐力壁である外壁 次の(イ)から(ハ)までに掲げる特定区画通常火災継続時間に応じ、当該(イ)から(ハ)までに定める構造とすること。
(イ) 百二十分を超える場合 特定区画延焼防止時間が特定区画通常火災継続時間以上である外壁(令第百八条の三第一号に規定する構造方法を用いるもの又は同号の規定による認定を受けたものに限る。)の構造方法を用いる構造
(ロ) 九十分を超え、百二十分以下である場合 次の(い)又は(ろ)のいずれかに掲げる構造
(い) (イ)に定める構造
(ろ) (一)(ロ)(ろ)又は(二)(ロ)(は)のいずれかに定める構造
(ハ) 九十分以下である場合 次の(い)又は(ろ)のいずれかに掲げる構造
(い) (ロ)(い)又は(ろ)のいずれかに定める構造
(ろ) (一)(ハ)(ろ)又は(二)(ハ)(は)に定める構造
(五) 柱 耐火構造(令第百七条第一号に掲げる技術的基準(通常の火災による火熱が特定区画通常火災継続時間以上の時間加えられた場合に係る部分に限る。)に適合するものに限る。)とし、かつ、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造又は鉄骨コンクリート造とすること。
(六) 区画下部の床 次の(イ)から(ハ)までに掲げる特定区画通常火災継続時間に応じ、当該(イ)から(ハ)までに定める構造とし、かつ、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造又は鉄骨コンクリート造とすること。
(イ) 百二十分を超える場合 特定区画延焼防止時間が特定区画通常火災継続時間以上である床(令第百八条の三第一号に規定する構造方法を用いるもの又は同号の規定による認定を受けたものに限る。)の構造方法を用いる構造
(ロ) 九十分を超え、百二十分以下である場合 次の(い)又は(ろ)のいずれかに掲げる構造
(い) (イ)に定める構造
(ろ) 鉄筋コンクリート造で厚さ十五センチメートル以上のものであって、次に掲げる基準に適合する構造
(a) 床の裏側に一・二ミリメートル以上の鋼板をコンクリートと一体化して設けること。
(b) 床の表側に五センチメートル以上の防火被覆(コンクリートに限る。)を設けること。
(c) 径十二ミリメートル以上の異形鉄筋を縦横に十五センチメートル以下の間隔で複配筋としたものとすること。
(ハ) 九十分以下である場合 次の(い)又は(ろ)のいずれかに掲げる構造
(い) (ロ)(い)又は(ろ)のいずれかに定める構造
(ろ) 鉄筋コンクリート造で厚さ十五センチメートル以上のものであって、次に掲げる基準に適合する構造
(a) (ロ)(ろ)(a)及び(c)に適合すること。
(b) 床の表側に三・五センチメートル以上の防火被覆(コンクリートに限る。)を設けること。
(七) 区画上部の床又は屋根 次の(イ)又は(ロ)に掲げる特定区画通常火災継続時間に応じ、当該(イ)又は(ロ)に定める構造とし、かつ、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造又は鉄骨コンクリート造とすること。
(イ) 百二十分を超える場合 特定区画延焼防止時間が特定区画通常火災継続時間以上である床(令第百八条の三第一号に規定する構造方法を用いるもの又は同号の規定による認定を受けたものに限る。)の構造方法を用いる構造
(ロ) 百二十分以下である場合 次の(い)又は(ろ)のいずれかに掲げる構造
(い) (イ)に定める構造
(ろ) 平成十二年建設省告示第千三百九十九号第三第一号イに掲げる構造方法
(八) はり 耐火構造(令第百七条第一号に掲げる技術的基準(通常の火災による火熱が特定区画通常火災継続時間以上加えられた場合に係る部分に限る。)に適合するものに限る。)とし、かつ、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造又は鉄骨コンクリート造とすること。
(九) 間仕切壁の開口部に設ける防火設備 次の(イ)又は(ロ)に掲げる特定区画通常火災継続時間に応じ、当該(イ)又は(ロ)に定める防火設備(令第百十二条第十九項第二号に適合するものに限る。)(周囲の部分(防火設備から内側に十五センチメートル以内の間に建具が設けられている場合においては、当該建具を含む。)が不燃材料で造られた開口部に取り付けられたものであって、枠若しくは他の防火設備と接する部分を相じゃくりとし、又は定規縁若しくは戸当たりを設ける等閉鎖した際に隙間が生じない構造とし、かつ、取付金物が当該防火設備が閉鎖した際に露出しないように取り付けられたものに限る。以下同じ。)とすること。
(イ) 九十分を超える場合 次の(い)又は(ろ)に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める防火設備
(い) 隣接室(特定区画の加熱面以外の面(屋内に面するものに限る。)が面する室をいう。)が令和六年国土交通省告示第二百二十九号第一に定めるものに該当する場合 延焼防止上支障がないものとして令第百八条の三第一号の規定による国土交通大臣の認定を受けた防火設備を二以上設置したもの又は防火設備に通常の火災による火熱が特定区画通常火災継続時間加えられた場合に、当該加熱面以外の面(屋内に面するものに限る。)の温度が同告示第二に定める温度以上に上昇しないものとして、法第二十一条第二項令第百八条の三第一号若しくは百九条の八の規定による国土交通大臣の認定を受けたもの
(ろ) (い)に掲げる場合以外の場合 延焼防止上支障がないものとして令第百八条の三第一号の規定による国土交通大臣の認定を受けた防火設備を二以上設置したもの又は防火設備に通常の火災による火熱が特定区画通常火災継続時間加えられた場合に、当該加熱面以外の面(屋内に面するものに限る。)の温度が可燃物燃焼温度以上に上昇しないものとして、法第二十一条第二項令第百八条の三第一号若しくは百九条の八の規定による国土交通大臣の認定を受けたもの
(ロ) 九十分以下である場合 次の(い)又は(ろ)に掲げる場合の区分に応じ、当該(い)又は(ろ)に定める防火設備
(い) (イ)(い)に掲げる場合 (イ)(い)に定める防火設備又は遮熱型九十分間防火設備
(ろ) (い)に掲げる場合以外の場合 (イ)(ろ)に定める防火設備又は準遮熱型九十分間防火設備
(ii) 特定区画の出入口に付室(火災の発生のおそれの少ない室(令第百二十八条の七第二項に規定する火災の発生のおそれの少ない室をいう。)に該当するものに限る。)が設けられているもの 壁、柱、床、はり、屋根及び間仕切壁の開口部に設けられた防火設備(当該付室を構成する間仕切壁の開口部に設けられたものを除く。)にあっては(i)に掲げる基準に適合するものとし、当該付室を構成する間仕切壁の開口部に設けられた防火設備にあっては次の(一)から(三)までのいずれかに掲げる特定区画通常火災継続時間に応じ、当該(一)から(三)までに定める防火設備(令第百十二条第十九項第二号に適合するものに限る。)とすること。
(一) 百二十分を超える場合 次の(イ)又は(ロ)に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める防火設備を設けること。
(イ) (i)(九)(イ)(い)に掲げる場合 (i)(九)(イ)(い)に定める防火設備
(ロ) (イ)に掲げる場合以外の場合 (i)(九)(イ)(ろ)に定める防火設備
(二) 九十分を超え、百二十分以下である場合 次の(イ)又は(ロ)に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める防火設備を設けること。
(イ) (一)(イ)に掲げる場合 (一)(イ)に定める防火設備又は遮熱型九十分間防火設備
(ロ) (イ)に掲げる場合以外の場合 (一)(ロ)に定める防火設備又は準遮熱型九十分間防火設備
(三) 九十分以下である場合 次の(イ)又は(ロ)に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める防火設備を設けること。
(イ) (一)(イ)に掲げる場合 (二)(イ)に定める防火設備又は遮熱型特定防火設備
(ロ) (イ)に掲げる場合以外の場合 (二)(ロ)に定める防火設備又は準遮熱型特定防火設備
(4) 特定区画の外壁の開口部の面積の合計は、スプリンクラー設備等を設けている特定区画部分にあっては特定区画最短離隔距離(隣地境界線、当該建築物と同一敷地内の他の建築物(同一敷地内の建築物の延べ面積の合計が五百平方メートル以内である場合にあっては、当該他の建築物を除く。以下同じ。)及び対面道路境界線(法第四十二条第一項に規定する道路を介した反対側の道路境界線をいう。)から特定区画の外壁の開口部への最短離隔距離をいう。以下同じ。)が九メートル未満のものについて、その他の特定区画部分にあっては特定区画最短離隔距離が十メートル未満のものについて、特定区画部分の種類及び特定区画最短離隔距離の区分に応じ、それぞれ同表に定める数値とすること。

特定区画部分の種類

特定区画最短離隔距離(単位 メートル)

外壁の開口部の面積の合計(単位 平方メートル)

スプリンクラー設備等を設けている特定区画部分

s≦4

4<s<9

sから四を減じて得た数値に三を乗じて得た数値未満の数値

その他の特定区画部分

s≦5

5<s<10

sから五を減じて得た数値に三を乗じて得た数値未満の数値

この表において、sは、特定区画最短離隔距離(単位 メートル)を表すものとする。

(5) 特定区画の外壁の開口部(高さが〇・三メートル以下のもの又は面積が〇・二平方メートル以下のものを除く。以下この(5)から(7)までにおいて同じ。)の下端の中心点を水平方向に次の表に掲げる式によって計算した水平移動距離移動したときにできる軌跡上の各点を、垂直上方に次の表に掲げる式によって計算した垂直移動距離移動したときにできる軌跡の範囲内の各点について、当該範囲と直行する方向に四・五メートル移動したときにできる軌跡の範囲(以下「上階延焼範囲」という。)内の部分にある外壁(特定区画である外壁を除く。)に設けられた開口部に、令第百九条に規定する防火設備であつて、これに通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後特定区画通常火災継続時間当該加熱面以外の面に火炎を出さないものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものが設けられていること。

垂直移動距離(単位 メートル)

=min[{H+min(1.1B,2.2H)}(1-0.5L),6.2]+H

水平移動距離(単位 メートル)

=min{2Y/3(1-0.5L),3}+B/2

この表において、Y、X、H、L及びBは、それぞれ次の数値を表すものとする。

 垂直移動距離(単位 メートル)

 水平移動距離(単位 メートル)

H 特定区画の外壁開口部の高さ(外壁開口部の周囲の外壁面の仕上げを不燃材料以外とした場合にあっては、当該外壁面の部分の高さを含む。(8)において同じ。)(単位 メートル)

L 特定区画の外壁の開口部の上部にひさし等が設けられている場合又は側部に袖壁等が設けられている場合における当該ひさし等又は袖壁その他これらに類するものが外壁面から突出している距離(当該距離が2を超える場合にあっては、2)(単位 メートル)

B 特定区画の外壁開口部の幅(外壁開口部の周囲の外壁面の仕上げを不燃材料以外とした場合にあっては、当該外壁面の部分の幅を含む。(8)において同じ。)(単位 メートル)

(6) 特定区画の外壁の開口部の上部にひさし等(ひさし又はバルコニーその他これらに類するもので、耐火構造の床若しくは壁(令第百七条第一号に掲げる技術的基準(通常の火災による火熱が特定区画通常火災継続時間以上の時間加えられた場合に係る部分に限る。)に適合するものに限る。以下この(6)及び(7)において同じ。)又は(3)に規定する床又は壁(特定区画延焼防止時間が特定区画通常火災継続時間以上のものに限る。以下この(6)及び(7)において同じ。)に用いる構造としたものをいう。以下同じ。)が防火上有効に設けられ、次の各号のいずれかに該当する場合における(5)の規定の適用については、同(5)中「次の表に掲げる式によって計算した垂直移動距離」とあるのは、「特定区画の外壁の開口部の下端の中心から当該ひさし等までの垂直距離」とする。
(i) 当該ひさし等の外壁面から突出している距離(以下「突出距離」という。)が〇・九メートル以上であって、(5)の表に掲げる式によって算出される上階延焼範囲内の部分にある外壁(特定区画である外壁を除く。)に設けられた開口部に法第二条第九号の二ロに定める防火設備が設けられている場合
(ii) 当該ひさし等の突出距離が〇・五メートル以上であって、特定区画部分の壁および天井の室内に面する部分(回り縁、窓台その他これらに類する部分を除く。以下同じ。)の仕上げを準不燃材料とし、(5)の表に掲げる式によって算出される上階延焼範囲内の部分にある外壁(特定区画である外壁を除く。)に設けられた開口部に法第二条第九号の二ロに定める防火設備が設けられている場合
(iii) 当該ひさし等の突出距離が〇・九メートル以上であって、特定区画部分の壁および天井の室内に面する部分の仕上げを準不燃材料とした場合
(7) 特定区画の外壁の開口部の側部に袖壁その他これらに類するもの(耐火構造の床若しくは壁又は(3)に規定する床又は壁に用いる構造としたものに限る。以下同じ。)が防火上有効に設けられ、次の各号のいずれかに該当する場合における(5)の規定の適用については、同(5)中「次の表に掲げる式によって計算した水平移動距離」とあるのは、「特定区画の外壁の開口部の下端の中心から当該袖壁その他これらに類するものまでの水平距離」とする。
(i) 当該袖壁その他これらに類するものの外壁面から突出している距離(以下「突出距離」という。)が〇・九メートル以上であって、(5)の表に掲げる式によって算出される上階延焼範囲内の部分にある外壁(特定区画である外壁を除く。)に設けられた開口部に法第二条第九号の二ロに定める防火設備が設けられている場合
(ii) 当該袖壁その他これらに類するものの突出距離が〇・五メートル以上であって、特定区画部分の壁および天井の室内に面する部分(回り縁、窓台その他これらに類する部分を除く。以下同じ。)の仕上げを準不燃材料とし、(5)の表に掲げる式によって算出される上階延焼範囲内の部分にある外壁(特定区画である外壁を除く。)に設けられた開口部に法第二条第九号の二ロに定める防火設備が設けられている場合
(iii) 当該袖壁その他これらに類するものの突出距離が〇・九メートル以上であって、特定区画部分の壁および天井の室内に面する部分の仕上げを準不燃材料とした場合
(8) 特定区画の下階の室の外壁の開口部(直径が〇・一五メートル以下若しくは面積が〇・〇一平方メートル以下であるものを除く。以下この(8)から(10)までにおいて同じ。)の下端の中心点を水平方向に、それぞれ次の表に掲げる式によって計算した水平移動距離移動したときにできる軌跡上の各点を、垂直上方に次の表に掲げる式によって計算した垂直移動距離移動したときにできる軌跡の範囲内の各点について、当該範囲と直行する方向に四・五メートル移動したときにできる軌跡の範囲(以下「特定区画延焼範囲」という。)内の部分である外壁(特定区画の外壁に限る。)に設けられた開口部に法第二条第九号の二ロに定める防火設備を設けること。

垂直移動距離(単位 メートル)

=min[max{2.67+(BH,2.39H},3.6]+H

水平移動距離(単位 メートル)

=min{2Y/3,3}+B/2

この表において、Y、X、H及びBは、それぞれ次の数値を表すものとする。

 垂直移動距離(単位 メートル)

 水平移動距離(単位 メートル)

H 特定区画の下階の外壁開口部の高さ(単位 メートル)

B 特定区画の下階の外壁開口部の幅(単位 メートル)

(9) 特定区画の下階の室の外壁の上部にひさし等(外壁面から突出している距離が〇・九メートル以上のものに限る。)が防火上有効に設けられた場合における(8)の規定の適用については、同(8)中「次の表に掲げる式によって計算した垂直移動距離」とあるのは、「当該特定区画の下階の室の外壁の開口部の下端の中心から当該ひさし等までの垂直距離」とする。
(10) 特定区画の下階の室の外壁の開口部の側部に袖壁その他これらに類するもの(外壁面から突出している距離が〇・九メートル以上のものに限る。)が防火上有効に設けられた場合における(8)の規定の適用については、同(8)中「次の表に掲げる式によって計算した水平移動距離」とあるのは、「当該特定区画の下階の室の外壁の開口部の下端の中心から当該袖壁その他これらに類するものまでの水平距離」とする。
ロ 損傷許容主要構造部を区画する特定区画の上部の全部又は一部が開放されている場合(特定区画部分を法別表第一(い)欄(五)項及び(六)項に掲げる用途以外の用途に供する場合に限る。) 次に掲げる基準に適合するものとすること。
(1) 特定区画部分の階数を一とすること。
(2) 特定区画の床面積((3)(ii)に規定する腰壁を設ける場合その他これに類する場合にあっては、損傷許容主要構造部の水平投影面積)(スプリンクラー設備等を設けた部分の床面積の二分の一に相当する床面積を除く。)は、百平方メートル以内とすること。
(3) 特定区画を構成する建築物の部分が、次の(i)から(iv)までに掲げる建築物の部分の区分に応じ、当該(i)から(iv)までに掲げる基準に適合するものであること。
(i) 壁、柱及びはり イ(3)(i)(一)から(五)まで及び(八)に適合するものであって、次に掲げる基準に適合するものであり、かつ、損傷許容主要構造部の最高高さ以上の高さのものであること。
(イ) 特定区画が次の(い)又は(ろ)に該当する場合においては、損傷許容主要構造部を囲むものとすること。
(い) 特定区画部分にスプリンクラー設備等を有するものであって、損傷許容主要構造部最短離隔距離(隣地境界線、当該建築物と同一敷地内の他の建築物及び対面道路境界線から損傷許容主要構造部の水平投影外周線への最短離隔距離をいう。以下同じ。)が十メートル未満であるもの
(ろ) 特定区画部分にスプリンクラー設備等を有さないものであって、損傷許容主要構造部最短離隔距離が九メートル未満であるもの
(ロ) 特定区画延焼範囲内にある損傷許容主要構造部への延焼を有効に防止できるものであること。
(ハ) 損傷許容主要構造部の水平投影外周線から水平距離十メートル以内の範囲にある室と当該損傷許容主要構造部を防火上有効に区画できるものであること。
(ii) 腰壁 火災時において損傷許容主要構造部が落下しないよう、損傷許容主要構造部の柱の幅、はりせい及び屋根を構成する部材の厚さの合計に相当する高さその他落下防止上支障のない高さであって、イ(3)(i)(四)に適合するものを設けること。ただし、損傷許容主要構造部の最高高さ以上の高さである特定区画の外壁が設けられた部分(以下「外壁立上部分」という。)その他損傷許容主要構造部の落下の恐れがない部分にあっては、この限りでない。
(iii) 床 区画下部の床は、損傷許容主要構造部を当該特定区画の下階(地階を含む。)と防火上有効に区画できるものであって、イ(3)(i)(六)に掲げる基準に適合するものであること。
(iv) 防火設備 特定区画を構成する間仕切壁の開口部に、イ(3)(i)(九)又は(ii)に適合する防火設備を設けること。
(4) 特定区画の外壁の開口部の面積の合計は、スプリンクラー設備等を設けている特定区画部分にあっては損傷許容主要構造部最短離隔距離が九メートル未満のものについて、その他の特定区画部分にあっては損傷許容主要構造部最短離隔距離が十メートル未満のものについて、特定区画部分の種類及び損傷許容主要構造部最短離隔距離の区分に応じ、それぞれ同表に定める数値とすること。

特定区画部分の種類

損傷許容主要構造部最短離隔距離(単位 メートル)

外壁の開口部の面積の合計(単位 平方メートル)

スプリンクラー設備等を設けている特定区画部分

四以下

四を超え、九未満

sから四を減じて得た数値に三を乗じて得た数値未満の数値

その他の特定区画部分

五以下

五を超え、十未満

sから五を減じて得た数値に三を乗じて得た数値未満の数値

この表において、sは、特定区画最短離隔距離(単位 メートル)を表すものとする。

(5) 次の(i)又は(ii)のいずれかに該当する部分にあっては、外壁の屋外側の仕上げを不燃材料とし、当該外壁の開口部に特定防火設備が設けられていること。
(i) 損傷許容主要構造部の水平投影外周線から水平距離五メートル以内の範囲にある外壁の部分であって、当該損傷許容主要構造部のうち最も高い部分から垂直距離が七メートル以下の範囲にある部分
(ii) 損傷許容主要構造部の水平投影外周線から水平距離十メートル以内の範囲にある外壁の部分であって、当該損傷許容主要構造部のうち最も高い部分の高さ以下である部分
(6) 特定区画延焼範囲内に損傷許容主要構造部が存する場合にあっては、イ(8)から(10)までに適合すること。
第二 特定区画により区画される損傷許容主要構造部は、通常の火災時において建築物の倒壊防止上及び延焼防止上支障がないものとして、木材で造られたものとし、かつ、次の各号に定める構造方法とすること。
一 特定区画を支持するものとしないこと。ただし、損傷許容主要構造部である付け柱、小ばりその他これらに類する部材又は建築物に作用する水平力を負担する部材(以下「水平力負担材」という。)であって、当該損傷許容主要構造部を除いたと仮定した特定区画の構造耐力上主要な部分に、当該区画が存する建築物に常時作用している荷重(固定荷重及び積載荷重の和(令第八十六条第二項ただし書の規定によって特定行政庁が指定する多雪区域においては、固定荷重、積載荷重及び積雪荷重の和)をいう。)によって生ずる応力度が、特定区画の構造耐力上主要な部分の各断面のいずれかにおいて長期に生ずる力に対する許容応力度を超えない場合においては、この限りでない。
二 一の特定区画部分にある損傷許容主要構造部である水平力負担材の水平耐力の合計は、当該特定区画がある階に必要な水平耐力の三分の一以内とすること。ただし、建築物に構造上支障のないことが計算又は実験によって確かめられた場合においては、この限りでない。
三 次のイからハまでに掲げる場合の区分に応じ、当該イからハまでに掲げる基準を満たすものとすること。
イ 第一第二号イに掲げる場合 次に掲げる基準に適合すること。
(1) 損傷許容主要構造部の一の部材の質量が二千キログラム以下であること。
(2) 損傷許容主要構造部に常時作用している荷重(固定荷重と積載荷重の和をいう。)が当該損傷許容主要構造部の水平投影面積一平方メートルあたり三千五百ニュートン以下であり、かつ、当該部材が特定区画の区画下部の床に落下した場合に、当該床を支持する部材が損傷しないことが確かめられたものとすること。
(3) 損傷許容主要構造部の一の部材の重心の高さが、特定区画の区画下部の床の上面から四メートル以下であること。
(4) 中間床並びに中間床及び階段を支える柱、はり及び壁にあっては、一時間準耐火基準に適合する構造とすること。
(5) 階段にあっては、次に掲げる基準のいずれかに適合するものとすること。
(i) 令和元年国土交通省告示第百九十五号第三第四号の規定は当該階段の段板に、同告示第一第一号ホの規定は段板を支えるけたについて準用する。この場合において、同告示第三第四号中「当該床を有する建築物全体」とあるのは「当該段板」と、「主要構造部である床」とあるのは「段板」と、「長期の組合せ」とあるのは「長期における常時の組合せ」と、同告示第一第一号ホ中「当該壁を有する建築物全体」とあるのは「当該けた」と、「主要構造部である壁」とあるのは「けた」と、「長期の組合せ」とあるのは「長期における常時の組合せ」と読み替えるものとする。
(ii) 当該木材の厚さが三・五センチメートル以上のもので、段板及びけたの外側の部分に同告示第三第三号ロ(1)、(2)若しくは(4)又は平成二十八年国土交通省告示第六百九十四号第一号に該当する防火被覆が設けられたものとすること。
(iii) 段板の表面に、令和元年国土交通省告示第百九十五号第三第三号イ(1)から(3)までのいずれかに該当する防火被覆が設けられ、かつ、その他の部分が(ii)に該当するものとすること。
ロ 第一第二号ロに掲げるもののうち、特定区画が地上階にある場合(当該特定区画の区画下部の床の直下その他倒壊防止上支障のある部分に地階がある場合を除く。)以外に設ける場合 次に掲げる基準に適合すること。
(1) 損傷許容主要構造部の一の部材の質量が千八百キログラム以下であること。
(2) 損傷許容主要構造部に常時作用している荷重(固定荷重と積載荷重の和(令第八十六条第二項ただし書の規定によって特定行政庁が指定する多雪区域においては、更に積雪荷重を加えたものとする。)をいう。)が当該損傷許容主要構造部の水平投影面積一平方メートルあたり二千四百ニュートン以下であり、かつ、当該部材が特定区画の区画下部の床に落下した場合に、当該床を支持する部材が損傷しないことが確かめられたものとすること。
(3) 損傷許容主要構造部の一の部材の重心の高さが、特定区画の区画下部の床の上面から五メートル以下であること。
(4) 損傷許容主要構造部の各部分から次の(i)又は(ii)に掲げる場合に応じて当該(i)又は(ii)に定める境界線までの水平距離が、当該各部分の特定区画の区画下部の床面からの高さに相当する距離以上であること。ただし、外壁立上部分においては、この限りでない。
(i) 特定区画が地上階にある場合 当該建築物の敷地の境界線
(ii) (i)に掲げる場合以外の場合 当該特定区画の内側の境界線
(5) 屋根にあっては、次の(i)から(iv)までのいずれかに掲げる構造であって、平成十二年建設省告示第千三百六十五号第一各号のいずれかに掲げる構造方法を用いるものとすること。
(i) 耐火構造
(ii) 令第百十二条第二項に規定する一時間準耐火基準に適合する準耐火構造の床に用いる構造
(iii) 準耐火構造の床に用いる構造(防火被覆の取合いの部分、目地の部分その他これらに類する部分を、当該取合い等の部分の裏面に当て木を設ける等当該建築物の内部への炎の侵入を有効に防止することができる構造としたものに限る。)
(iv) 小屋裏の直下の天井の全部を令第百十二条第四項第一号に規定する強化天井としたもの
(6) 屋根を支える柱、はり及び壁にあっては、準耐火構造とすること。
ハ 第一第二号ロに掲げるもののうち、ロ以外の場合 ロ(4)から(6)までの基準に該当すること。
第三 損傷許容主要構造部及び特定区画の接合部の構造方法は、通常の火災時において建築物の倒壊防止上及び延焼防止上支障がないものとして、次に掲げる基準に適合するものとする。
一 損傷許容主要構造部が崩壊するまでの間、存在応力を伝えることができるものとすること。
二 火災時において、接合金物が特定区画から外れないものその他特定区画に防火上支障のある損傷が生ずるおそれのないものとすること。
第四 給水管、配電管その他の管が当該特定区画(屋外に面する部分を除く。)を貫通する場合においては、当該管と当該特定区画との隙間をモルタルその他の不燃材料で埋めなければならない。
2 令第百二十九条の二の四第一項第七号イからハまでの規定は、前項の場合について準用する。この場合において、同号ハ中「二十分間(第百十二条第一項若しくは第四項から第六項まで、同条第七項(同条第八項の規定により床面積の合計二百平方メートル以内ごとに区画する場合又は同条第九項の規定により床面積の合計五百平方メートル以内ごとに区画する場合に限る。)、同条第十項(同条第八項の規定により床面積の合計二百平方メートル以内ごとに区画する場合又は同条第九項の規定により床面積の合計五百平方メートル以内ごとに区画する場合に限る。)若しくは同条第十八項の規定による準耐火構造の床若しくは壁又は第百十三条第一項の防火壁若しくは防火床にあつては一時間、第百十四条第一項の界壁、同条第二項の間仕切壁又は同条第三項若しくは第四項の隔壁にあつては四十五分間)」とあるのは、「特定区画通常火災継続時間」と読み替えるものとする。
第五 令第百十二条第二十一項の規定は、換気、暖房又は冷房の設備の風道が当該特定区画を貫通する場合(当該設備の風道が屋外に面する部分を貫通する場合であって、防火上支障がない場合を除く。)について準用する。この場合において、同項中「特定防火設備」とあるのは、「第百九条に規定する防火設備であって、これに通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後特定区画通常火災継続時間当該加熱面以外の面に火炎を出さないものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたもの」と読み替えるものとする。
第六 第一第二号イ(3)(i)(一)の「特定区画通常火災継続時間」は、次に掲げる式により計算した値とすること。ただし、第一第二号ロに掲げる場合にあっては、特定区画通常火災継続時間の上限を九十分間とする。
この式において、t、f、f、t、V及びΣ(A)は、それぞれ次の値を表すものとする。
 特定区画通常火災継続時間(単位 分)
 次の式によって計算した有効開口因子(単位 メートル
★(★この式において、f、A、H、A、Hは、それぞれ次の値を表すものとする。
 有効開口因子(単位 メートル
 当該特定区画に設けられた各開口部(防火設備(通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後当該加熱面以外の面に火炎を出さない時間が特定区画通常火災継続時間未満のものに限る。)が設けられたものを含む。)の面積(単位 平方メートル)
 当該特定区画に設けられた各開口部(防火設備(通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後当該加熱面以外の面に火炎を出さない時間が特定区画通常火災継続時間未満のものに限る。)が設けられたものを含む。)の上端から下端までの垂直距離(単位 メートル)
 当該特定区画の床面積(単位 平方メートル)
 当該特定区画の床面から天井までの平均高さ(単位 メートル)★)★
 次の式によって計算した有効開口因子(単位 メートル
★(★この式において、f、A、H、A、Hは、それぞれ次の値を表すものとする。
 有効開口因子(単位 メートル
 当該特定区画に設けられた各開口部(防火設備が設けられたものを除く。)の面積(単位 平方メートル)
 当該特定区画に設けられた各開口部(防火設備が設けられたものを除く。)の上端から下端までの垂直距離(単位 メートル)
 当該特定区画の床面積(単位 平方メートル)
 当該特定区画の床面から天井までの平均高さ(単位 メートル)★)★
 防火設備(通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後当該加熱面以外の面に火炎を出さない時間が特定区画通常火災継続時間未満のものに限る。)に通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後当該加熱面以外の面に火炎を出さない時間(単位 分)
 損傷許容主要構造部に使用する木材の体積(単位 立方メートル)
Σ(A) 平成十二年建設省告示第千四百三十三号第三第一項第一号(2)に規定するA及びIの積和
確かに、これは複雑かも…

こちらに該当させて検討をしたい!という方は、よく告示を読み込んで、心してかかる必要がありそです。

あと、技術的助言を見ると、特定区画をしている旨を建築物の表記する義務があるようです!

まだ特定区画をしている建築物はないと思うのですが…今後、表示されているものを目にする機会があるかもしれないですね!楽しみです!

②避難経路に配慮すること

当該部分が避難経路の一部となっている場合にあっては、館者が当該通路を経由しないで地上までの避難を終了することができること

こちらは、そこまで難しい話ではありません。特定区画した部分が、他の室からの避難経路にならないように計画してくださいというものです。

特定主要構造部が関係する主な法令

特定主要構造部が関係する主な法規

  • 耐火建築物の定義(法2条九号の二)
  • 大規模の建築物の主要構造部等(法21条)
  • 防火壁等(法26条)
  • 耐火建築物等としなければならない特殊建築物(法27条)
  • 防火区画(令112条)
あれ?特定主要構造部が登場する内容って、こんなにあるんだね?

耐火建築物の要件だけじゃないってこと?

そうなんです!ややこしいことに、従来まで『主要構造部』として定義されていた規制の一部が、『特定主要構造部』に変更されているのです!

現在の建築基準法は『主要構造部』という主語と、『特定主要構造部』という主語が混じり合っています。だから、少しややこしく感じるかもしれません。

ただ、今まで通りに『主要構造部を耐火構造』にしている方は、

主要構造部=特定主要構造部と考えても何の支障もありません!

あまりややこしく考える必要はないと思います!

法文で確認する【建築基準法2条九号の二】

主要構造部は、『建築基準法2条九号の二』と『建築基準法施行令108条の3』に記載されています。

建築基準法2条九号の

耐火建築物次に掲げる基準に適合する建築物をいう。
イ その主要構造部のうち、防火上及び避難上支障がないものとして政令で定める部分以外の部分(以下「特定主要構造部」という。)が、(1)又は(2)のいずれかに該当すること。
(1)耐火構造であること。
(2)次に掲げる性能(外壁以外の特定主要構造部にあつては、(i)に掲げる性能に限る。)に関して政令で定める技術的基準に適合するものであること。
(i)当該建築物の構造、建築設備及び用途に応じて屋内において発生が予測される火災による火熱に当該火災が終了するまで耐えること。
(ii)当該建築物の周囲において発生する通常の火災による火熱に当該火災が終了するまで耐えること。
ロ その外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に、防火戸その他の政令で定める防火設備(その構造が遮炎性能(通常の火災時における火炎を有効に遮るために防火設備に必要とされる性能をいう。第二十七条第一項において同じ。)に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものに限る。)を有すること。

まとめ

✔️特定主要構造部と主要構造部の関係性は

『主要構造部』『政令で定める部分』=『特定主要構造部

✔️耐火建築物の一部主要構造部を、木造にできるように誕生した用語

✔️政令で定める部分とは、令108条の3に記載されていて、下記2点を満たす建築物の部分

  1. 特定区画をすること(令108条の3第一号)
  2. 避難経路に配慮すること(令108条の3第二号)

✔️今まで通りに『主要構造部を耐火構造』としている場合は、主要構造部を特定主要構造部に読み替えても支障なし

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そぞろ。
このサイトを作成している管理者。建築法規に関わる仕事をしています。難解な建築基準法をわかりやすく、面白く解説して、『実は簡単なんじゃないの?』と勘違いしてもらいたい。著書『用途と規模で逆引き!住宅設計のための建築法規』

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