天空率北側斜線が使えないって本当?法的に解説【法56条7項】

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本記事は、2026年現在、施行中の最新の建築基準法・関係法令に基づいて解説しています。
※当該規定に関して2026年時点で改正がない場合も、現行法令を前提としています。

元・指定確認検査機関員(審査実績5,000件超)、著書2冊(累計2万部)、日経アーキテクチャー「著者に聞く」掲載
実務者目線で建築法規を解説しています
[▶︎筆者プロフィール(経歴・実績)]

結論(まずはここだけ)

天空率は道路斜線・隣地斜線では制限なく使えるが、北側斜線は真北側が道路境界線の敷地では使用不可(法56条7項三号が「隣地境界線」を基準としているため)。高度斜線は原則として天空率が使えない(法文に規定がないため)。

この記事でわかること

  • 天空率が北側斜線で使えない敷地の条件と法的根拠
  • 高度斜線に天空率が使えない理由
  • 道路斜線・隣地斜線との違い
  • どうしても使いたい場合の実務上の対応
そぞろ

天空率は、道路斜線、隣地斜線についてはどんな条件でも適用できます。
しかし、北側斜線では使えない敷地があるので注意が必要
今回の記事では、法的根拠を元にわかりやすく解説します!

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北側斜線の天空率が使えない敷地とは?

北側斜線の天空率は、真北側が道路境界線であった場合、天空率が適用不可

え?なんで?

それは、法文の書かれ方に問題あり!確認してみましょう!

北側斜線の天空率の記載は、『法56条7項三号』に記載されていますので、確認してみましょう。

第一項第三号、第五項及び前項(同号の規定の適用の緩和に係る部分に限る。) 隣地境界線から真北方向への水平距離が、第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域又は田園住居地域内の建築物にあつては四メートル、第一種中高層住居専用地域又は第二種中高層住居専用地域内の建築物にあつては八メートルだけ外側の線上の政令で定める位置

ご覧いただくと分かる通り、『隣地境界線』という記載になっていますよね。北側斜線制限は隣地境界線だけでなく、前面道路の反対側の境界線からも検討が必要となります。しかし、天空率では隣地境界線しか書かれていないので、前面道路の反対側の境界線の場合は使えないと読めてしまうのです。

 変なの!別に普通に書いておけばいいのに。

実は、天空率を前面道路の反対側の境界線でも検討できるようにすると、めちゃくちゃ有利になっちゃうんですよね…

この理由は、真北側に道路がある場合の天空率を考えてみると、理由がわかります。以下に示す通り、敷地によっては明らかに検討が有利になってしまうのです。

http://www.jcba-net.jp/news/tenkuritu20100420.pdfより引用

一部の特定行政庁では独自の運用で認めているケースもありますが、その場合も検討方法などは協議する必要があります!

その他、天空率の基本的な内容については、下記の記事で解説しています。

実は、知らずに天空率が使えると思って、確認申請を出す設計者さんがかなり多かったです…

今回の内容がいい例だけど、
天空率って、確認申請出してから結構重要な指摘がくるから、
ひやひやしちゃうよね…

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高度斜線は天空率の緩和が適用不可

原則として高度斜線には天空率は使えない

なぜなら、法文に高度斜線の天空率の記載が一切ないからです!

よく、東京都で、第1種低層住居専用地域に第2種高度地区を指定している地域を見かけます。第1種低層住居専用地域の北側制限と第2種高度地区は5mの立ち上がりから1.25勾配と条件としてはほぼ変わりません。(東京都の場合、8mを超えると0.6勾配に変動しますので若干東京都の方が厳しいですが)

どうしてわざわざ北側斜線があるのに同じ条件の高度地区を指定しているんでしょうか?れは、北側斜線の天空率を禁止しているからかもしれません。

もちろん、このケースだと高度斜線には天空率が適用できません。高度斜線が抵触していた場合は素直に建物形状を変更するしかないです。

道路斜線制限と隣地斜線制限は?

道路斜線と隣地斜線は適用できないケースは無い

道路斜線と隣地斜線については、天空率が使えない敷地などもありません。

どんどん天空率を活用しましょう!

まとめ

  • 天空率は道路斜線・隣地斜線ではすべての敷地で適用可能
  • 北側斜線の天空率は真北側が道路境界線の場合は適用不可(法56条7項三号の根拠)
  • 高度斜線は法文に天空率の規定がないため原則適用不可
  • どうしても使いたい場合は行政に事前協議。認めるケースもあるが検討方法の協議が必要

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この記事を書いた人

そぞろのアバター そぞろ 建築法規作家

元・指定確認検査機関員
5,000件超の審査実績。著書2冊(学芸出版社)は累計1.9万部、SNSフォロワー4万人超。実務者目線で建築法規を解説。