代替進入口ってそもそも消防隊員が建物内に進入する為の開口部ですから、そんな進入できないような開口部にしちゃだめでしょ?だからね、進入を妨げる構造以外にしましょうね!っていうもう非常にわかりやすい理由で取り扱いが決まっています。
今からご紹介しますが、そりゃそうだよね〜進入できなくなっちゃうもんね〜という納得の内容ばかりです。
「進入を妨げる構造」は法文に具体的な明記はありません。しかし、今回ご紹介する内容は「建築物の防火避難規定の解説2016 」と「建築基準法質疑応答集」にも記載されている内容です。どちらも根拠としてはかなり有力な書籍です。よって、これからご紹介する内容はそれなりにちゃんと守らないといけないという事ですね。
進入を妨げる構造として取り扱いされているもの
では早速確認していきましょう!
❌:絶対ダメ
🔺:協議必要(取扱いが分かれる)
外部からの開放不能ドア
こちらについては判断条件がかなり色々(足場の有無、材料の厚さ)なので全てをご紹介はできないのですが、代表的に例を2つをご紹介します。詳細を確認したい!という方は“プロのための建築法規ハンドブック”という書籍を確認ください。(プロのための建築法規ハンドブック P276)
❌網入りFIX窓(合わせガラスFIX窓)
代表するのが網入りFIX窓(はめ殺し窓)ですね。これは絶対に❌です。まぁ、当然ですよね?消防隊員の方、FIX窓で網入りだったら進入できませんもんね?
この記事を読んでいる方は代替進入口の有効寸法は750㎜×1200㎜か1m円の開口部が必要という事はご存知のはず。(設置基準についてはこちらをクリック)そこで、引き違いを計画上設ける事が難しく、1m円のFIX窓で計画されるというケースはよくあります。(引き違いだと横の寸法165㎝くらいのサイズじゃないと開けて有効750の確保は難しいですからね。結構大きな開口部が必要なので)そこで、防火地域内準防火地域や耐火建築物準耐火建築物で計画した時に延焼ラインにかかってしまったら防火設備(網入り)にしなくてはなりません。そうすると、代替進入口の開口部としては❌です。
ちなみに何故FIX窓はダメなのに、引き違いはokなのかと言うと、引き違い窓だったら一部分を破壊して、手を入れて鍵を開けて進入するからです。なので、網入りでも引き違いだったらokです。
🔺シャッター(鍵付)
これも、進入を妨げると判断されてしまう恐れがあります。(シャッターははっきり❌とは書かれていないので🔺にしています。)
ここであえて鍵付と表記している理由としては、鍵無であれば進入を妨げるとはならないからです。もしどうしても鍵付のシャッターで検討をされたい場合は必ず申請先に相談をするようにお願いします。
❌金属製格子・手すり
こちらも進入に支障があるので認められていません。金属製とあるので、簡単に破壊ができる木製の手すりはokです。
代替進入口って大きい窓なので落下防止の手すりを設けたい、という場合もあるかと思いますが、計画されるときは破壊ができる木製のもので計画するようにしてください。
❌ルーバー
これもダメです。進入を妨げるものに該当します。
ちなみに、先ほどの手すりと違い、こちらは木造で破壊可能であればokという事もありません。
❌窓等を覆っている看板・広告板・ネオン菅等
こちらも今までと同様ですね。
窓の一部を覆う事はいいかもしれませんが、最低限規定で決まっている寸法750㎜×1200㎜や1m円にかかるように設置する事は❌です。
🔺代替進入口の下端から床までの高さを1.2m以下
これはまぁ難しいところなのですが🔺にしました。
理由としては、建築物の防火避難規定の解説を確認してみていただきたいですが、望ましいってなってるんですよね。なので🔺にしています。(原則守った方がいいですが)
これはいざ建物内に入った時に入ってすぐ吹抜とか階段だったりしたら建物内に進入できないからという当たり前な理由です。(まぁ、常識的にすぐ吹抜階段とかは無さそうだけど)
吹抜や階段は流石にまずいですが、1200㎜少しより高いくらいなら協議次第でもしかしたら可能になるかもしれません。防火避難規定の解説は説明の根拠としてはかなり有力ですし、それを元に協議してみるというのは有りだとは思います。(建築物の防火避難規定の解説2016 P99)
まとめ:常識的に考えて、窓から進入できるか確認すべし
今日は進入を妨げる窓についてご紹介しましたが、常識的に考えて進入できない窓ばっかりでしたよね。なので、もし迷った時はこの窓から進入が可能なのかどうか?を基準に考えるとわかりやすいかもしれません。
もし迷ったら申請先にご相談をお願いします。(あくまで基準法の話なので消防ではなく、審査機関、行政庁に相談をしてくださいね)
その一、網入りFIX窓や合わせガラスFIX窓は消防隊員の進入ができないので代替進入口にできない その二、手すりやルーバーなど、進入を妨げるものも代替進入口にできない その三、窓の高さが1.2m超えている場合は基本的には避けた方が良いが協議次第で可能になる事も