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建築基準法改正2019その③竪穴区画緩和されるけど突っ込みどころ多すぎた

 関係法令:建築基準法施行令112条

区画の一番の厄介者、

竪穴区画

うっかりしていると見落とす事がありますよね。主要構造部を準耐火構造以上とし、3階部分に居室がある場合にかかってくる規定ですよね。

何と!こちらも法改正されました!一部の規模、一部の用途について竪穴区画の規定が緩くなったのですが、

…とにかく突っ込みどころが多い、、

と、思いました。

早速確認してみましょうか。

改正後の竪穴区画の内容をまとめてみた

改正前
  主要構造部が準耐火構造以上 3階部分に居室があったら 竪穴部分(階段、吹き抜け部分、EV)とその他の部分(屋内廊下、室)を区画

改正後 主要構造部が準耐火構造以上 3階部分に居室があったら 竪穴部分(階段、吹き抜け部分、EV)とその他の部分(屋内廊下、室)を区画

ただし、別表第1(い)欄第2項に掲げる用途で3階の200㎡未満だったら免除。(区画方法は用途毎に異なる)

 
 

また200㎡未満です。そして、また別表第2の用途に限ります。そして、区画方法が異なりますので、そちらをまとめたものがこちら。

施行令第112条の条文を国交省のHPで確認

ややこしいですよね。全部網羅するにはこれくらいややこしくなるんです。

さて、気になる部分に突っ込みを入れていきます!

 

また別表第2は特別扱い?そしてまた200㎡未満?

これ見て、法第27条と似てると思いませんか?また、別表第2の特別扱いですね。つまり法第27条の改正の理由は同様で、

今回の条文は一戸建て住宅の用途変更向け

と言えるでしょうね。

なので、わざわざ200㎡未満に面積を抑えてまで新築に適用させるとは考えにくいので、新築の場合も恩恵があるとは思いませんね。

しかも、竪穴区画が免除されるわけではなく、あくまで竪穴区画の区画の方法が緩くなるだけなので、一戸建て→寄宿舎で用途変更したりする時は追加で階段部分の区画の検討をする必要はあります。(上記の表を見ていただければわかりますが、200㎡未満の一戸建て住宅は絶対に竪穴区画をしていないので)

 

今までに竪穴区画は主要構造物 準耐火構造以上だったけど今回は定めなし!ということは?

今までは主要構造部が準耐火構造だった場合に竪穴区画が出てきているのですが、今回追加になっている別表第2 の竪穴区画については、主要構造部の指定がありません。

つまり、3階にその用途があった時点で竪穴区画発生します。

よって、3階に別表第2の用途に供する建築物は主要構造部がその他だった場合でも竪穴区画が必要になるということですね。

なので、法第27条のおかげで、3階建てでも準耐火構造にしなくて良くなったのに竪穴区画は適合させなきゃいけないということです。

 

悲報!常時閉鎖or随時閉鎖➕遮煙性能は残ったまま!

え?っと目を疑いましたけど、これ、法文に書いてあります。(施行令第112条18項を確認してください)

せっかく共同住宅の竪穴区画とか、防火設備にしなくてokになったのに、常時閉鎖、遮煙は除かれないんだ!とビックリしました。

法の意図を考えれば当然なのですが、少し注意しておきたいところですね。

 

まとめ

結局緩和になったのに残念じゃないですか?

読んでて突っ込みどころが多くてまとめるのに苦労しました。

結局の所は、緩和になったけど竪穴区画が無くなるわけではないし常時閉鎖➕遮煙も無くならない!という事です。

まぁ、竪穴区画って火災時の避難や消火救助活動の動線の確保において非常に大事な条文なので特殊建築物で規制を無くすと言うのはできなかったんでしょうね。

これが多分限界なんだと思います。

また、法改正については記事がまとまり次第、更新します!

最後までありがとうございました!

ABOUT ME
そぞろ。
このサイトを作成している管理者。建築法規に関わる仕事をしています。難解な建築基準法をわかりやすく、面白く解説して、『実は簡単なんじゃないの?』と勘違いしてもらいたい。著書『用途と規模で逆引き!住宅設計のための建築法規』