単体規定

路地状敷地の場合の非常用進入口(代替進入口)の設置方法

 

代替進入口には道路に面する作戦と4m通路に面する作戦があります。(わからない方はここ

路地状敷地とは一般的に4m以上の接道がない場合がほとんどなので、4m通路作戦は使えません。そこで、道路に面する作戦で検討されるのが一般的

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適用するには以下のようないくつかの条件が設けられています。

①道から進入口までの延長長さが20m以下
②建築物の階数が地階を除く3階建て
特殊建築物以外
④道から進入口が目視可能
では、一つ一つ内容を確認してみましょう。

 

道から進入口までの延長長さが20m以下

路地状部分の距離ではなく、進入口までの距離

路地状敷地というと、路地状の長さ というのは県条例で制限が出てくるので非常に重要です。路地状敷地についての記事はこれ

ただし、代替進入口の場合に重要となるのは、進入口までの距離となります。

 

これは、落とし穴でもあり逆手に取って利用する事もできます。

例を挙げると、以下のような計画です。

路地状部分は20mを超えていますが、建物を路地状部分に建てる事によって、進入口から道までは20m以下なので代替進入口としてはokです。

ちなみに、この20m以下の距離はバルコニーまでの距離でもokです。

 

建築物の階数が地階を除く3階建て

4階建て以上の建築物には適用できません。

非常用進入口自体がそもそも2階建て以下は必要ではないので、3階建てしか適用できないという事になります。

 

特殊建築物以外

これ重要です。特殊建築物については、適用できません。

一戸建て住宅や事務所はokですが、共同住宅は❌です。

 

道から進入口が目視可能

進入口 か 進入口があるバルコニーが見えればok

このように、道から進入する箇所が見えればokです。

進入口の開口部だけでなく、バルコニーだけ目視可能でも認められています。

 

ただ、程度があります。そこは申請先との調整が必要です。

例を挙げると

これ、道路から実際見えると思いますか?

角度がかなりあるので、道に立った時に進入口の確認できるのでしょうか?

 

このように、どの程度目視できればいいのか?というのは明確には定めはありません。よって、申請先に確認する必要があります。

各行政庁の取り扱いを見ると、有効750㎜以上は見えていないといけない、というのが一般的です。

 

まとめ:実際の消火活動を想像して検討すべし

ここまで条件をいろいろご説明しましたが、実際に消火活動をする場合の事を考えるとわかりやすいです。

例えば、20m以下というのは、消防車のはしごが到達できる範囲と考えられます。4m通路が確保できていないので、消防車が敷地内に進入できないと想定されいます。道路に駐車してそこからはしごを伸ばして進入口に進入します。

なので、バルコニーまでの距離でokとしているんでしょうね。

今日ご説明した内容の詳細については『建築物の防火避難規定の解説2016 P99』で確認を!

その一、道から進入口までの延長長さは20m以下、バルコニーを伸ばして20m以下でもok
その二、建築物の階数は3階のみ。4階以上は適用できない 
その三、特殊建築物以外、つまり一戸建てや事務所などのみ 
その四、道から進入口で目視ができる計画、どの程度目視が求められるかは申請先に確認を
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そぞろ。
このサイトを作成している管理者。建築法規に関わる仕事をしています。難解な建築基準法をわかりやすく、面白く解説して、『実は簡単なんじゃないの?』と勘違いしてもらいたい。著書『用途と規模で逆引き!住宅設計のための建築法規』