建築基準法のペントハウス、一歩踏み込んだ話

みなさんは『ペントハウス』と聞くとどんなイメージを持ちますか?このコラムを読んでいる方は建築業界の方が多いと思うので、こちら↓が思い浮かんだと思います。

(アイニチ株式会社HPより引用・https://aiwaok.jp/toya-number-of-floor

…ちなみに、建築業界に入る前のペントハウスのイメージはこちら↓でした。(今考えると、どうしてこれがペントハウスと呼ばれていたのか、理解出来ません。)

(ライフルホームズHPより引用・https://www.homes.co.jp/cont/buy_mansion/buy_mansion_00193/

さて、今回お話しするのは、もちろん前者のペントハウスについてです。建築基準法でペントハウスと言われたら、前者しかありませんからね。

ペントハウスとは、階段室等の水平投影面積を建築面積1/8以下に抑える事で、建築基準法により、特別な緩和があります。

階数:算入しない

高さ(一部除く):算入しない

床面積:算入する

となります。床面積だけ算入します。

どうして、階数と高さは算入しないのに、床面積は算入するか、ご存知ですか?これは、建築基準法に明確な根拠があります。

そして、実はペントハウスの中でも、

階数:算入しない

高さ:算入する

床面積:算入する

以上の組み合わせに変化する場合があります。なんと、高さが算入される事もあるのです。

今回は、

✔︎ペントハウスの法文の読み方

✔︎ペントハウスでも『高さ』が算入されるケース

について取り上げてお話していきます。

ペントハウスの法文について

先程もお伝えしましたが、ペントハウスは、階数と高さは算入しないのに、床面積は算入します。これだけ聞くと、床面積だけ特別扱いをされているように感じますが、逆です。特別扱いをされているのは、階数と高さです。建築基準法には、階数と高さには緩和の法文があります。

【高さの緩和】(建築基準法施行令第2条1項第六号ロ)
法第三十三条及び法第五十六条第一項第三号に規定する高さ並びに法第五十七条の四第一項、法第五十八条、法第六十条の二の二第三項及び法第六十条の三第二項に規定する高さ(北側の前面道路又は隣地との関係についての建築物の各部分の高さの最高限度が定められている場合におけるその高さに限る。)を算定する場合を除き、階段室、昇降機塔、装飾塔、物見塔、屋窓その他これらに類する建築物の屋上部分の水平投影面積の合計が当該建築物の建築面積の八分の一以内の場合においては、その部分の高さは、十二メートル(法第五十五条第一項及び第二項、法第五十六条の二第四項、法第五十九条の二第一項(法第五十五条第一項に係る部分に限る。)並びに法別表第四(ろ)欄二の項、三の項及び四の項ロの場合には、五メートル)までは、当該建築物の高さに算入しない。
【階数の緩和】(建築基準法施行令第2条第1項第八号)
昇降機塔、装飾塔、物見塔その他これらに類する建築物の屋上部分又は地階の倉庫、機械室その他これらに類する建築物の部分で、水平投影面積の合計がそれぞれ当該建築物の建築面積の八分の一以下のものは、当該建築物の階数に算入しない。また、建築物の一部が吹抜きとなつている場合、建築物の敷地が斜面又は段地である場合その他建築物の部分によつて階数を異にする場合においては、これらの階数のうち最大なものによる。

ところが、床面積には、階数と高さのような緩和の法文がありません。だから、通常通り算入されます。緩和の法文があり、特別扱いされているのは、床面積ではなく、階数と高さなのです。

ペントハウスでも高さに入るケースもある

先程の説明により、ペントハウスの階数と高さが算入されないのは、それぞれ別の法文に根拠があります。階数と高さの緩和の法文は、非常に似ていますね。

ところが、階数と高さで『不算入になる条件』が若干異なります。

場合によっては、

階数:算入しない

高さ:算入する

こんな事になったりします。(ちなみに、逆は無いです)だから、階数と高さの『不算入になる条件』をしっかり区別して把握しておく事が大事です。

階数と高さの『不算入になる条件』の違いについて

ペントハウスとして扱う為には、『階段室等の水平投影面積を建築面積1/8以下に抑える事』が条件です。ここで、高さと階数の不算入になる条件の違いは、階段室等として水平投影面積に含める物の違いです。

一般的には、階段室や装飾塔等のみ、計算するとされています。しかし、高さについては、これ以外も追加で計算に含める必要があります。

高さについて追加で計算すべきは『屋上部分に設置する高架水槽、キュービクル、クーリングタワー(周囲の目隠し含む)』です。

設備スペースが無く、キュービクルなどを屋上部分に設置するケースには注意が必要です。階段室などで1/8以下に抑えているのであれば、階数には算入されません。しかし、階数+キュービクル(周囲目隠し含む)で1/8を超えている場合、高さに算入されてしまうのです。

そんな事、法文には書いてありません。これは、『集団規定の適応事例(2017年度)』に記載されている内容です。お持ちの方は、99ページと109ページを確認してみてください。

最後にまとめる

✔︎ペントハウスの法文の読み方

→ペントハウスは、階数と高さには緩和の法文があるが、床面積は緩和の法文がない。

✔︎ペントハウスでも『高さ』が入ってしまうケース

→ 『屋上部分に設置する高架水槽、キュービクル、クーリングタワー(周囲の目隠し含む)』は高さの1/8検討には算入しなくてはならない。(階数には算入しなくていい)

以上について解説しました。ペントハウスについては、私のブログの方でも解説してるのでよかったら読んでみてください。最後までありがとうございました!